「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

               衣替えの季節と異常気象

2012-06-01 06:03:05 | Weblog
6月1日は衣替えの日である(であった)。戦前昭和の時代には、この日官庁、学校など制服を着用している職場では一斉に冬服から夏服に変わった、小学生だった僕も黒の冬服から霜降りの夏服に変え、学帽にも白い覆いをつけたのを覚えている。今でも都会の私立の女子高ではこの伝統を守っているが、社会全体を見ると衣替えの習慣はすたれてきたようにみえる。

戦争中はどうだったのであろうか。衣類も欠乏し配給制になり、衣類の種類により何点、何点と決まっていた。点数の範囲内で必要な衣類は一応求めることはできたが、男はみな大人も子供も国防色(カーキ色)の軍服まがいの服一着で一年を通していた。下着も欠乏していたはずだが、亡父の昭和20年6月1日の日記には”季節は夏だというのにまだネルの襦袢に袷(あわせ)である。冬の毛のシャツを脱いだのも2日前。こんな変調は自分の記憶では初めて”と記している。当時の日本人は家庭では着物をきていた。

敗戦の昭和20年は異常気象だった。1月から2月にかけて全国的に大雪に見舞われた。寒い年で亡父の4月1日の日記には米軍ついに沖縄本土に上陸という記述とともに”近年稀な不順な寒さだ”とある。そして7月28日の日記になって”気温やっと上昇,夏らしくなる”と書いてある。

今年の気候も少し変だ。全国的に寒く雪が多かった。首都圏で桜の開花が4月になってというのも珍しい、5月には関東地方で記録的な突風と竜巻で思わぬ被害が出ている。そろそろ梅雨の季節だが、気象はどうだろうか。気象庁の長期予報では西日本は猛暑だそうだ。電力不足とからんで大きな被害がでないか心配である。