「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ”水に落ちた”小沢一郎氏の「造反有理」

2012-06-23 05:35:56 | Weblog
中国の文化大革命(1966-76年)の時代に「造反有理」という言葉が流行った。元々は1939年延安で毛沢東がスターリン生誕60年記念祝賀会で使った言葉で”造反(謀反)には正しい道理がある”という意味である。当時僕は東京の新聞社で文革ニュースの受け入れデスクをしていたが、紅衛兵の壁新聞を通じて「造反有理」のほか「反面教師」「愛国無罪」といった四字熟語を"学習"したものだ。

民主党の小沢一郎グループが、結党時の理念に戻ることを「造反有理」として党から離れ、新党結成に乗り出すようである。グループの人数は少数与党ラインの54人前後だと言われているが、26日の採択時の反対票によって判明する。想い出されるのは2009年12月、民主党が政権についた直後、小沢氏を団長として派遣された訪中使節団である。衆参議員だけで143人、一般を入れれば483人という大代表団であった。議員たちは小沢氏の演出で胡錦濤主席と一人一人と握手して写真に収まった。

この頃に比べれば小沢氏の勢いは今や落日である。文革当時の言葉を使えば、小沢氏はすでに「打落水狗」のような状態、つまり水に落ちた犬は打ち叩け”という状態にあるようにみえる。「打落水狗」は元来は魯迅の「不打落水狗」と反対の意味だったが、文革時の紅衛兵は”勢力を失った者は徹底的に打ちのめせ”と転用して使っていた。

小沢グループは結党時の理念に戻ることを「造反有理」としているが、鳩山、菅二代の政権で、この理念が現実には実現不可能なことはすでに証明されている。造反は無理であり、不利である。