「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       ジャカルタ日本大使館女性臨時職員殺人事件

2012-06-08 05:26:27 | Weblog
在ジャカルタ日本大使館の臨時職員岩田せつ子さん(66)が自宅で惨殺された。犯人はスピード逮捕されたが、岩田さん宅の補修工事に出入りしていた塗装の職人だった。岩田さんの銀行カードなど盗んでおり、カネ欲しさの犯行とみられるが、殺され方があまりにも残酷である。犯人は警察に対して、岩田さんから仕事のことで強く叱られた恨みからだと言っているという。

岩田さんは学生時代、日本に留学していたバリ出身のインドネシア人と知り合い結婚した。インドネシア国籍を取り、お子さんもいるが、数年前ご主人に先立たれ、お子さんも成長して独立、今はジャカルタで一人暮らしをしながら週に3回大使館の領事部で働いていた。その前は戦後インドネシアに残留した日本人軍人軍属の組織「福祉友の会」の仕事を手伝っていた。

もう10年以上も前になるが「福祉友の会」の理事長もしたことがある元大手商社の役員だった樋口修さんが自宅で殺された事件があった。犯人は雇っていたお手伝いの手引きで押し入った男たちであった。この時もお手伝いは、ふだん樋口さんから厳しく言われるその恨みが動機であると警察に語っていた。

インドネシアでは年に一回ぐらいの割で日本人が殺されている。2009年には東ジャワで真珠養殖会社の社長が仕事上のことで雇人から恨みを買い殺さている。同じ年、バリ島に観光で来ていた女性が強姦されて殺されている。さらに2010年にはジャカルタで日本人学校の元コーディネーター夫妻が殺害されている。

インドネシア人は普段はおとなしいが、アモック(狂乱)になると怖いと昔からいわれている。それにソンボン(高慢)な人間には一倍恨みをもつようだ。日本人が殺される背景にこれらがあるとすれば、気をつけなければならない