「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

               老人の”非常識”病

2012-06-09 05:50:05 | Weblog
先日の昔の集まりに参加した11人の仲間のうち2人までが奥さんが認知症だった。80歳を過ぎるといつ認知症にかかるのではないかと心配だ。僕ら老夫婦の日常的な会話の中にもちょくちょく認知症のことが出てくる。昨日もNHKテレビで認知症とたんなる老人の物忘れとの違いをテスト方式で放送していたが、幸い僕ら夫婦は認知症ではなかった。

馬齢を重ねると認知症だけではない。年寄り独特の”非常識”病患者もでてくるようだ。集まりの世話役をして見て僕はつくづくそう感じた。参加と言いながら、当日になってドタキャンをしてくる者がいた。世話役は開催場所の下見までして料理の細かい打ち合わせまでしている。出られないなら、せめて前日に連絡するのが常識だ。

これなどまだ序の口である。集まりの後、体調が悪く参加できないからと自分の近著を寄贈してくれた旧友の本を、まったく僕の善意から、同じく参加できなかった仲間に送ったら、電話がかかってきて”なぜ勝手に送りつけるのだ”と怒鳴られた。僕は事前に本は旧友からの寄贈である旨断ってある。その男の言い分は、家の中の書籍を処分し始めているのにまた余計な手間がかかるというのだ。小学校の教師をやっていた男の言葉である。

また、別の男は”売れないから本を寄越したのだ”という。70年前の子供時代ならいいが、傘寿を過ぎた老人の言葉とはとても思えない。現在の出版事情を知らない非常識な発言である。寄贈を受けた本がそうであるかどうか知らないが、タレントの本とか“きわもの”を除いて今出版されている本の大半は自主出版、自分でおカネを出して出版しているのを、この男は知らないのだ。

こわいことである。年寄りになると、このような非常識な言動が出てくる。これも一種のボケなのだろうが、自分も気をつけなくてはいけないことだ。