「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

何処へいってしまったのか「地方創生」と農協改革の論議

2015-02-06 07:01:36 | Weblog
毎日テレビの国会中継を”拾い視聴”しているが、昨日珍しく新党改革の荒井広幸議員が農協改革について質問していた。連日「イスラム国」(ISLE)事件の検証をめぐる実の無い質疑にうんざりしていただけに新鮮さを感じた。しかし、考えてみると、この農協改革といい、地方創生といい、わが国の将来に関する重要課題である。代表一人の小党だけの関心事であってよいのだろうか。

都会に住んでいる僕でも、たまに地方へ旅行すると、駅前のシャッター商店街や減反政策で放棄された田畑、下草刈も出来ないで荒れ果てた森林などを見ると、日本の将来を思い慄然とする。だからこそ政府は「地方創生」を重要政策の一つに掲げ、専任大臣まで任命したのであろう。そして、これに関連して、TPP交渉妥結後の日本の農業の将来を見こして農協改革に乗り出したものと僕は理解していた。

しかし、地方創生は掛け声だけで、一向に「青写真」さえ出てこない。農協改革も聞こえてくるのは政府とJA全中(全国農業協同組合中央会)との意見の違い、それも僕ら農業には素人には判りにくい、全国単協の監査権をJA中央から取り上げようというもの。全国各地の単協は組織的には、県単位のJA組織を経て全国中央会が統率している。政府の意見は、この組織ではそれぞれの地域の特性を持つ地方の農協の発展を阻害するというものらしい。

僕は寡聞にして知らないが、こういった重要な話に地方創生担当の石破茂大臣が参画しているのだろうか。先日、テレビを見ていたら三重県産の杉、檜の原木の丸太が韓国へ初めて輸出されるという。原木の輸出は三重県でなく九州から北海道まで広がっているそうだ。長年の不況に悩む林業生産者が、生きてゆくために生み出した知恵である。建材は安い外国産の輸入材に依存していると思っていた僕には驚きだ。TPP後の農産物についても知恵を働かせれば活路も開ける。JA中央も柔軟な頭の切り替えが必要なのではないか。