「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

入歯と口腔ケアーと認知症

2015-02-26 06:10:11 | Weblog
昨日1か月ぶりに下歯の部分入歯が完成した。恥ずかしながら僕の上歯は総入歯であり、下歯も自分の歯は僅か5本で、部分入歯といっても総入歯に近い。若い時からの不衛生、不摂生がたたり、上歯はすでに50歳代後半に総入歯のお世話になってしまった。

昭和1ケタ世代には歯の悪い人が多い。その原因の一つは、昔は口腔ケアーなど問題にされず、ろくに歯磨きさえしなかった。ほとんど日本人は朝一回、起きて顔を洗うとき、申し訳程度に歯を磨いた。さらに、育ち盛りの戦争中は物資の不足から歯磨きブラッシや磨き粉もなく、手に塩をつけて”磨いた”ことさえあった。でも最大の原因は、高度成長下の”モーレツ”時代、虫歯になっても時間を惜しみ、歯科医へ行かず治療しなかったためでは、ないだろうか。

なけなしの自分の歯しかない僕の入歯が壊れたのは、昨年大腸ガンの手術後医師からよく噛んで食事をするよう言われ意識的にモノを噛んだためだ。それともう一つ、口腔ケアーを怠ると認知症になるという俗説を信じ、とり外した入歯の洗浄をきつめにしたことであった。しかし、入歯と認知症とは相関関係はなく、認知症の高齢者は、入歯の取り外しを忘れることがあるから、注意しろ、ということのようである。

いずれにせよ、残る自分の歯はたった5本だけである。親切な歯科医は、いつでも悪くなれば治療にきてくれと言われた。歯は健康のバロメーターと聞いたことがある。もっと若い頃に気がつけば、こんな無様なことには、ならなかっただろうに。入歯が認知症の引き金ではないことが解かったのは収穫であった。