「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

戦争を知らない戦前生まれ世代のおかしな歴史認識

2015-02-15 06:16:22 | Weblog
自民党の二階俊博総務会長が安倍総理の親書を携え訪韓、朴槿恵大統領と会談した後の記者会見で”(従軍慰安婦問題について)元慰安婦が生存している間に解決したい。日本は真摯(しんし)に向き合わないといけない。理屈を並べていては問題は解決しない”とおかしなことを言っていた。わが国が真摯に問題に取りこまず、理屈ばかり述べてでもいるというのか―。

日韓両国間の諸問題は1960年の基本条約ですべて解決済である。当時、いわゆる従軍慰安婦の問題は存在しなかった。その後朝日新聞の誤報などがあって、問題化してきても、わが国は人道的立場から「アジアのための女性基金」を創設、「河野談話」まで用意し謝罪した。一部の慰安婦はこれに応じて謝罪金を受け取っている。これ以上、何を日本に何を要求しようというのか。

二階氏は昭和14年2月生まれで76歳、「河野談話」の河野洋平氏は12年生まれで78歳。ともに後期高齢者だが、昭和1ケタ前期生まれの僕らとは歴史認識が違うようだ。僕らは従軍したり、学徒動員で直接、戦争に組みこまれたが、彼らは戦争中幼児で実際は戦争を知らない。それに戦後の占領軍下の教育の被害者でもある。教育だけではない。問題の”従軍慰安婦”と”娼婦”との相違も実体験がないから理解できていない。

二階氏は、かっての僚友小沢一郎氏の中国への”朝貢外交”にならったのか1400人もの”おつき”を従えて訪韓したそうだが、問題は安倍総理の親書を携行したことだ。公私混同にとらえられても仕方がない。今度は4月には、なんと3000人もの旅行団を組んで訪中する計画もあるという。韓国といい中国といい、今、首脳会談開催をめぐって微妙な時期にある。かりに安倍総理が二階氏を”露払い”役として派遣しているとならば軽率すぎる。