「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

潘基文国連事務総長 シリア問題解決が最優先策です

2015-08-30 06:31:42 | 2012・1・1
わが家の購読紙では、ほとんど伝わってこないが、NHK.BSのワールド.ニュースは連日、シリアなど中東からの難民を大きく報道している。中でもショッキングなのは、オーストリア東部の高速道路上に停めてあった保冷車の荷台から、難民とみられる71の遺体が発見されたニュースだ。ほとんどはシリアから内乱を避け、船でギリシャに渡り、陸路、東欧諸国を経て、豊かな西欧へ移民したい人たちらしい。ワールド.ニュースの画面には、ハンガリー政府が難民対策として国境沿いに有刺鉄線を設けたが、それを潜って逃げる難民の姿が痛ましくが映っていた。

AFP=時事電にとると、4年半前、内戦勃発時2300万人あったシリアの人口のうち内戦で760万人が国外に逃れ、うち400万人が難民化しているという。実に人口の五分の一に近い人が祖国から脱出したわけで、さらにその数は増えそうだとのことだ。一体、シリアの現状はどうなっているのだろうか。これも日本の新聞では、トルコが有志連合に加わって、シリア国内のIS勢力の拠点の空爆を始めた程度で詳しい報道はないが、カタールのアルジャジーラTVを見ていると、依然激しい一進一退の戦闘が続いており、解決の道は見られない。

難民の流出で一番危機感を感じているのはドイツ、イタリアなどEU加盟の西欧諸国だ。しかし、彼らだけでは根本的な解決策は得られない。そのために国連に難民高等弁務官事務所(UNNCR)があるのだが、機能しているのであろうか。国連トップの潘基文事務総長はノコノコと北京で、一方の勢力に偏した軍事パレードを見ている場合であろうか。緊急安保理を招集して、難民問題を人道的見地から検討、解決策を図るべきである。