「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      菅総理 老人福祉はそんなに手厚いか?

2011-02-09 07:42:35 | Weblog
昨日もテレビの国会中継で衆院予算委の模様をみたが、前から気になっている事が一つある。それは菅総理の老人福祉への認識である。菅総理は「子ども手当て」のマニフェスト違反の答弁に立つと、決まって、老人の福祉に対して子どもへのそれは薄すぎた、と発言する。だけど、わが国の老人福祉は、菅総理の思うほど手厚いだろうか。

何回も繰り返して恐縮だが、民主党は2009年の政権公約で「後期高齢者医療制度」の撤廃を約束した。しかし、政権発足後1年半たっても約束を果たしていない。代案の「新制度」も移行する「国民健康保険」の地方団体の反対にあって暗礁に乗り上げたまま。いつ「新制度」に移行するのかそのメドさえついていない。

昨日、質問に立った社民党の阿部知子議員によると、国民保険料を支払えない老人(前期高齢者?)が増えており、一方全国には特養老人ホームに入れない介護老人が42万人もいるとのこと。菅総理は、どんな観点から日本の老人福祉をとらえているのだろうか。後期高齢者の一人である僕は、いやおうなしに後期高齢者保険料を年金から差し引かれている。その額は年金額の約一割、そのほかに介護保険料と所得税まで支払っている。

僕の91歳(大正9年生まれ)になる友人は、厚生年金に軍人恩給を加算すると、現役なみの収入と認定され、医療費の窓口負担は3割である。友人はフィリピン、ジャワの上陸作戦に参加、3年間も東チモールに駐屯し、さらに戦後もジャカルタの外港で使役に従事した歴戦の勇士である。その90歳を越えた勇士をも"現役”とみなしておいて、老人福祉は手厚いという一国の指導者である。

      理解できない「大阪都」 「中京都」構想

2011-02-08 07:35:32 | Weblog
愛知の「トリプル投票」で河村たかし氏と大村秀章氏との作戦が見事決まり大勝した。二人の間には将来「中京都」構想があるらしい、橋下徹・大阪府知事も別に「大阪都」構想を持っており、一脈あい通じている。明治以来、中央集権の下で育ってきた、江戸っ子の僕には今一つこの「大阪都」「中京都}構想が解らない。

愛知の「トリプル投票」の勝利は、いろんな政治的波紋を投げている。その一つは有権者が中央の既存政党にソッポを向けたことだ。河村氏は、かっては民主党の国会議員だったが、今回は名古屋ローカルの「減税日本」の公認、大村氏は自民党だったが、これを捨てて無所属で立候補。二人とも既存政党の推薦を受けた候補者を破った。

「大阪都」構想の橋下氏も既存政党ではなく独自の「維新の会」の旗印を掲げている。4月の東京都知事選挙にも既存政党にあきたらない東国原・前宮崎県知事が立候補するらしい。中央の既存政党は一体どうなってしまったのだろうか。一昨年来の民主党の国民への公約違反、迷走ぶりで、すっかり国民は既存政党に愛想をつかしてしまったのだ。しかし、この新しい地方の動きを頭から信じてよいのだろうか。

「大阪都」「中京都」構想は、数年前から言われている「道州制」の一環なのだろうか。愛知県など中部5県の工業生産高はオランダより高いから、十分"独立”しても大丈夫だとの意見もある。先日、ある会合であった九州出身の若い人は、九州独立論をぶっていた。その論拠はシンガポールでさえ独立国ではないかということだった。

中央の政治がこんな調子だから、若い政治家は自分の政治力を試したいのだろうか。僕には困った流行にみえるが。

        鳩山一家のおかしな北方領土観

2011-02-07 07:23:23 | Weblog
鳩山由起夫前総理が北方領土問題について”四島返還のアプローチでは未来永劫、交渉は平行線だ”と根室で講演した、とテレビが伝えていた。今日7日は「北方領土の日」。10日からは前原外相が、膠着状態の日露関係の打開をめざして訪露するが、こんな時期に何故こんな"利敵"的な発言をするのか、僕には理解できない。

鳩山由起夫氏は2009年、総理に就任した際、自分の在任中に北方領土問題を解決すると大見得を切っていたが、あえなく辞任した。その後も事あるごとに四島返還を否定する発言をしている。どうも彼がこんな発言するのは、昭和31年(1956年)11月、彼の祖父、一郎氏がソ連(当時)との間に「日ソ共同宣言」に調印した因縁によるもののようだ。

昭和31年11月は「ハンガリー動乱」「スエズ戦争」など歴史的な出来事が多発した。個人的には僕はこの月、新聞社の社会部から外信部に移ったので、とくにこの時の記憶が鮮明なのだが「日ソ共同宣言」の条文をみて、なぜ平和条約調印後の返還が歯舞、色丹の二島だけなのか疑問に思ったのを覚えている。

歴史的にみれば、北方領土は歯舞、色丹だけでなく、国後、択捉を含めた四島が固有の領土であるのは明らかだ。敗戦のドサクサにまぎれてソ連が不法に占拠しているのが現状だ。「不法占拠」という前原外相の発言は正しい。前原外相の訪露を前に、セルジュコフ国防相などが強圧的な発言をしている。外交とはそんなものだ。最初から鳩山前総理のような"負け犬”的な発言は"敵”を利するだけだ。"普天間”問題で外交オンチをさらけだした人物だ。黙っていたほうがよい。

     世界の食糧価格の高騰 日本は大丈夫なのか?

2011-02-06 07:18:37 | Weblog
"二度あることは三度"と俗にいわれるが、先月スペイン協会の会でエルサルバドルのコーヒーを頂戴したが、その前後続けてインドネシア・パプア産のコーヒーとアフリカ・カメルーン産のコ-ヒーを知人から頂戴した。いずれも日本では、なかなか手に入りにくい逸品だ。折からコーヒー豆の価格が高騰しており、日本のメーカーでも今月から市販の袋の容量を小さくしたり、値段をアップするとのこと、大助かりだ。

値上がりといえば、今世界的に食糧価格が高騰しており,これがチュニジアに端を発したエジプトなど中東諸国の政治不安の引き金になっているという。FAO(国連食糧農業機関)発表の1月の世界主要食糧価格指数は、統計を取り始めた1990年以来最高で221(2002年ー04年 100)と上昇している。原因は異常気象による昨夏のロシアの旱魃、今年に入ってからのアメリカの豪雪、オーストラリアの大雨などによるものだ。

日本でもここへ来て砂糖の値段が急騰、ケーキ屋さんが泣いているそうだが、今のところ円高のお陰でまだ直接、一般消費者には影響は出ていない。しかし、中東の政治騒ぎで原油価格が急騰してきており、ガソリンの値段も全国平均1㍑140円近くに上昇してきている。これが、いつ食糧価格に影響してくるかもしれない。

政府は6月までにTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)加盟を決定するとしているが、加盟すると、日本の食糧自給率は13%に落ち込むという試算もある。大丈夫なのかな。今の政府の舵取りがあまりにも頼りないだけに心配だ。

       立春 陽気に誘われ懐かしの駒沢球場へ

2011-02-05 07:17:47 | Weblog
立春、昨日の東京は暦どおりの春がやってきた。気温は3月下旬なみの13・7℃。このところ”ひき篭り病”にかかっていた僕もやっと外出する気になり、自転車で駒沢公園まで”遠出”した。公園へ行く道の呑川跡の暗渠に植えられた白梅は、すでに満開で、一部は散り始めていた。

昭和39年(1964年)の東京五輪の会場だった駒沢公園だが、戦前はここに9ホールのゴルフコースがあり、自由が丘からキャデイ・バスも出ていた。地価の高騰で昭和8年廃止になり、戦争中は畑として開墾されていた。昭和24年、ここで第4回の国民体育大会が開催されたが、その当時だったと思うが、まだクラブハウスが残っていて海外からの引揚者住宅に使われていた。

昭和30年頃、新婚の僕ら夫婦は休みの日、当時駒沢のゴルフ場跡の一角にあった東映フライヤーズ(現在の日本ハム・ファイターズの前身)のフランチャイズ球場へ二人して試合を見に行った。まだ球場の周辺は畑ばかりで、僕らは”あぜ道”を通って近道した記憶がある。

その駒沢球場が昔どこにあったのかは、東京五輪ですっかり開発されて特定できない。いまある都営の駒沢球場ではない。多分、五輪の記念塔あたりとは思うのだがー。春のような陽気に誘われて、昨日の公園はウイークデイにもかかわらず、ジョギングする人、サイクリングする人、車イスでお年寄りを散歩させる人などさまざま。昔ゴルフ・コースだった面影を残す、コースを隔てた並木のかたわらには、わんちゃん用の「ドッグ・ラン」まであった(写真)。平和な幸せである。

          中井洽衆院予算委員長の品位

2011-02-04 08:18:48 | Weblog
自民党が衆院予算委員会の中井洽委員長の解任決議案を提出する準備をしているという。その理由は質疑者が指名もしない閣僚を自分の差配で度々指名し、公平、公正でないこと。また委員長席でケータイ電話を使用したり、時には質疑者を揶揄する発言をしたり、品位に欠けているということだ。

予算委員会の模様はテレビの国会中継を通じて国民もみている。僕もその一人だが、前から中井氏の委員長ぶりに疑念を持っていた。確かに質疑者が答弁の閣僚を指名しているのに、これを無視して自分で勝手に他の閣僚を指名したり、余計なコメントが多すぎる。自民党の塩崎議員の質問の最後に、ふざけて塩崎教授の講義が終りました”といっていたが、なんのためなのだろうかー。

中井氏と言えば昨年11月の議会開設120年記念の式場で、来賓の秋篠宮ご夫妻に対して"早く座れよ”とヤジをとばした(本人は否定)ことで物議をかもした人物だ。国家公安委員長在任中にも女性関係で週刊誌に変な噂を書かれたりしていた。今国の予算委開会に当たっても野党に相談なく、委員長権限で開会し開会が遅れた。テレビ画面から見る印象では、とかく目立ちたがり屋のように拝見する。

国家の予算が審議している重要な委員会のトップである。しかも今国会は”ねじり国会”で予算が通っても関連法案が否決され、事実上政策がストップしてしまう危機にある。こんなおかしな委員長で大丈夫なのか。民主党には、こんな心もとない人物以外にもっとしっかりした政治家はいないのだろうか。

          ”こんちわ相撲”(八百長)の伝統

2011-02-03 07:10:52 | Weblog
野球賭博の捜査の"副産物”から大相撲力士の八百長疑惑が表面化してきた。警視庁が押収したケータイ電話に八百長の具体的な手口を示すメールが残されていて、一部力士はその八百長を認めているという。もともと"八百長”という言葉は、明治の初め八百屋の長兵衛がお得意の親方との囲碁で手加減した意だといわれているが、長年、相撲界の隠語には”こんちわ相撲”というのがあった。

戦前、大相撲が一月と五月と年二場所だった頃だ。まだケータイのメールはおろか電話もなかった。その時代にも八百長相撲はあったらしく、力士は星勘定で八百長をする時、相手方の相撲部屋を訪れ”こんちわ"と挨拶したことから、八百長相撲を"こんちわ相撲”と呼んでいた。僕は、このことを双葉山時代、相撲記者をしていた亡父から聞いたことがある。

小ブログ(2009年5月31日)は「八百長相撲か無気力相撲か」で友綱親方が注意した五月場所千秋楽の千代大海と把瑠都との取組に言及した。千代大海は、この相撲に負ければ大関陥落、把瑠都の負け方は、誰が見ても無気力だった。相撲協会は過去にも何番か無気力相撲を指摘し注意しているが正直いって証拠がなければ、無気力なのか八百長なのか本人たち以外には判らなかった。

プロレスなど格闘競技には八百長はつきもので、かえってそれが面白い場合もある。大相撲も生活がかかっているから昔から八百長相撲はあったに違いない。僕はずっとそれを折込ずみで見てきたが、考えれば、相撲協会は文科省監督下の公益法人で、日本の国技ともいわれている。やはり、”こんちわ相撲”はまずい。現在、今回の八百長事件について調査が進んでいるが、協会が自ら進んで公益法人を返上するのが解決への第一歩であろう。


        政治家も”高齢者マーク”の着用を!

2011-02-02 07:03:10 | Weblog
昨日の衆院予算委院会で二人の高齢者政治家が追及された。一人は菅総理から"三顧の礼”で経済担当大臣に迎えられた与謝野薫氏(72歳)。もう一人は財政担当大臣から官房副長官に"格下げ”された藤井裕久氏(78歳)。テレビの国会中継で、追及される二人の姿を見て高齢者政治家にも車の運転のような"高齢者マーク”が必要なのではないか、と僕は感じた。

与謝野薫氏は、閣僚席で大きなマスクを取ったりはずしたり、答弁にたつ声はかすれていて弱々しい。昨年の今ごろは、野党席から舌鋒鋭く民主党の鳩山由起夫総理(当時)を"平成の脱税王”と迫っていたのに、今はその"脱税王”が率いていた党の閣僚である。どんな理由か動機があったのかは知らないが、国民には理解できない。やはり自民党の比例代表選で当選したのだから、そのバッジは返すのが政治家の道である。

藤井裕久副官房長官は、自民党の柴山昌美議員から、藤井氏がかって属していた旧自由党時代の政党助成金疑惑について追及された。柴山氏が議場に持ち込んだ旧自由党時代の藤井氏サインの領収書を聞かれても、すべて知らぬ存ぜぬの返事。78歳の後期高齢者にしては声は若いが、僅か数年前の自筆のサインが解らないのは"認知症”的症状といわれても仕方がない。

昨日から70歳以上のドライバーの高齢者マークが不評だった「紅葉マーク」からシニアのSの文字をあしらった「クローバ・マーク」にかわった。僕の周辺の後期高齢者は、ほとんど免許を返上している。昨日の国会中継を見ていて、僭越ながらお二人とも議員バッジを返上するか「クローバ・マーク」を着用されたほうがよいのではないかと感じた。

       「太平洋戦争」では英霊は浮かばれない

2011-02-01 07:37:12 | Weblog
昨日朝刊に挟まれて「太平洋戦争」と大書したDVDの新聞4ページ広告が入ってきた。戦争を知らない世代が大半になった日本人に対して過去の戦争を、こうした記録として残すことは意義あることだ。が、正しく伝えるならば、何故、標題を「太平洋戦争」ではなく「大東亜戦争」にしなかったのだろうか?

DVD総合監修の半藤一利氏は、僕と同年齢同学年で同じような昭和の激動に時代を生きてきた。当然お解りだが「太平洋戦争」という呼称は、戦後GHQ(連合軍司令部)の命令によって押し付けられたものだ。広告によると、このDVDに収められている記録は昭和6年の「満州事変」から終戦の「玉音放送」までである。内容からいえば、標題は「大東亜戦争」のほうが正しい。

半藤氏も先刻ご存じだが、昭和16年12月12日,米英に宣戦を布告した直後の当時の東條内閣は閣議で”この戦争を「大東亜戦争」と呼び、重ねて「支那事変」まで含む”と決定している。

「太平洋戦争」とは米国からみた呼び方だが、実際の戦争は中国大陸でもあったし、遠くインド洋上のベンガル海戦もあった。さらにコロンボ(現在のスリランカの首都)空襲もあった。また豪州のシドニーまで攻撃している。

多少”重箱のスミ”的にもなるが、広告の記載にも誤りがある。「太平洋戦争は12月8日真珠湾攻撃で開始された”とあるが時間的経過から行けば、マレー半島のコタバル敵前上陸のほうが30分以上も早い。この敵前上陸では第18師団の将兵320名が戦死されている。英霊は「太平洋戦争」のために戦ったのではなく、東洋平和のための「大東亜戦争」のために散華されている。