「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

冬至にアロエ(鰐の舌)湯

2017-12-22 05:27:53 | 2012・1・1
今日12月22日は二十四節気の冬至である。この日が1年中で最も日照時間が短く、明日から転じて長くなる、つまり陽気と共に運勢の好転も願って「一陽来福」という言葉もある。また、その運にあやかって”ウン”のつく食材を食べる習慣があり、わが家でも昔から”なんきん”(カボチャ)を食べてきた。一方、この季節は厳寒期で風邪をひきやすいことから柚子を風呂に入れて温まる習慣もあった。

老妻二人だけの生活だと、こうした昔からの四季折々の習慣が疎かになってくる。今年も冬至と聞いて、カボチャは安いので、スーパーから四分の一切れのメキシコ産を買ってきて昨日から食べたが、柚子は1個百数十円もするので、老妻は買ってこなかった。その代りに僕の提案で、家の周囲にあるアロエをを風呂に入れて温まってみた。

アロエは南アフリカ、アラビア半島が原産地だそうだが、僕が50回以上訪れたことがあるインドネシアでは、その形状から”Lidah buaya"(鰐の舌)と呼ばれ、庶民の間でシャンプとして、スーパーでも入手できる。わが家ではポットにも植えているし、庭にも生えている。ネット情報ではアロエはクレオパトラも使った美顔剤とか”医者いらず”とかよいことづくめである。発想の転換である。一陽来復を願って僕は冬至にアロエ湯に収まった。

貴乃花にかきまわされている相撲協会

2017-12-21 06:07:00 | 2012・1・1
横綱日馬富士の暴行事件に端を発した相撲協会の混乱は昨日の横綱審議会と臨時理事会でどんな結論がでるか注目していたが、理事会の”最終結論”は日馬富士の親方、伊勢ガ浜の理事降格と白鵬、鶴竜両横綱の減給などお座なりの処分で終った。僕からみれば、混乱の目玉といえる貴乃花の一連の言動についての処分は、次回の理事会まで先送りとなり、見事貴乃花の作戦にはまった形だ。

冬枯れの民放テレビにとっては格好の話題だけに各局ともこの話題のオンパレードだったが、相撲に素人が多く、見当違いの意見が多く、協会の諮問機関の横綱審議会ですら”諮問”を超越して横綱ではない貴乃花の言動に口を出し、貴乃花の言動は”非難に値する”とおかしな発言をしている。

相撲協会はその非難に値する貴乃花にままたもやかき回された。理事会の前夜になって、被害者貴ノ岩が協会の聴き取りに応じてきたのだ。明らかに貴乃花が、理事会での処分を意識しての行動だ。結局、理事会は”最終結論”としながらも、貴乃花については処分先送りとなった。

貴乃花の作戦は何か。僕からみれば、来年1月予定の理事選挙、さらにその先の理事長選挙をにらんでの行動ではないだろうか。結論を先送りして世論が自分に有利にな方向にゆくまで待つ作戦である。理事会は年内の28日に開かれるそうだが、また何か理由がつかされ、結論は先送りになるのでは。世論は”水者”である。今朝の新聞を見たら、これまで沈黙を守っていた力士出身の評論家が”おごる白鵬の悲劇”という一文を書いていた。おそらく、今の協会の執行部に見切りをつけ、”貴乃花理事長”に駒を乗り換えたのかもしれない。こんな騒ぎの最中なのに貴乃花部屋忘年会で、貴乃花支持の若手年寄りがカラオケを歌って気勢をあげていたのが気になった。

老妻へ孫から贈られてきた85歳の誕生日ケーキ

2017-12-20 10:26:52 | 2012・1・1
85歳の誕生日のお祝いに妻へ孫たちからケーキが贈られてきた。名前入りのケーキは生まれて初めてのこと。昭和1ケタ生まれは、戦中戦後の混乱期に育ってきただけに、子供時代、ろくに誕生日など祝って貰ったことがない。すでに、結婚60年、ダイヤモンド婚を過ぎた夫婦だが、テレテレ世代の僕から妻へ誕生日へのお祝いに、名前入りのケーキを贈るという発想はない。しかし、とにもかくにも、EIKOさん85歳誕生日おめでとう。

老人をめぐる小さな二つの社会面記事に思う

2017-12-20 05:50:15 | 2012・1・1
その昔、テレビの創生期の頃、NHKの「事件記者」が人気だった。その頃僕は駆け出しでサツまわり(警察担当)をしていた。年末の書庫整理をしていたら、その当時のスクラップ帖が出てきた。ネット時代、今はスクラップ帖など過去の遺物化してしっまったと思うが、その時代の社会が反映されていて興味深い。

”雀百まで”の譬えではないが、僕は今でも新聞の社会面のベタ(一段の小さな記事)にも目を通す。昨日も首都圏の二つの記事が気になった。一つは、東京足立区のマンションで93歳の女性が,電気毛布の失火で焼死した。女性は70歳代の息子と二人暮らしであった。もう一つは武蔵野市のマンションの敷地で、80歳代と”おもえる”男性と70歳代と”おもえる”女性がが倒れて死亡していた。二人は夫婦らしく10階の自分の部屋から、とび降り自殺したらしい。二つの事件は、老人が共通点だけで関連はない。

同じ新聞の東京版のコラムに「東京五輪まで〇〇〇日」という第一線記者のエッセー欄があるが、たまたま老人問題について”介護をめぐる悲劇”という見出しで、自分の体験を紹介しながら”介護をめぐる夫婦や親子の殺人や無理心中は、今日、決して珍しくない。高齢化の中、こうした悲劇が増えていく恐れは強い。それぞれの事件を個別ケースとせず、社会保障に関する議論を高める契機としなければならない”と結んでいた。まったく同感である。ちなみに、半世紀前の僕のスクラップ帖にはこんな事件はなかった。日本人の平均寿命は昭和35年(1960年)には、男性65.37歳、女性70.19歳であった。
                                                                                                                                                                             

厄払い 深川の八幡さまで大祓いの土俵入りを!

2017-12-19 05:43:16 | 2012・1・1
東京深川の富岡八幡宮で女性宮司ら三人が死傷された事件は痛ましいが、この暮にきて来年正月元旦の初詣が事件によって3割方激減するのではないかと、地元商店街や神社関係者は頭を痛めているそうだ。富岡八幡宮は江戸時代から”深川の八幡さん”という名で江戸っ子に親しまれており、新年には20万人もの初詣客で賑わう。

僕の家は三代続いた江戸っ子だが、下町だけの”純血”ではない。従って”深川の八幡さん”に親しみはないが、8月の江戸三大祭りにはお神輿を見に出かけたことがる。その八幡さんが、事もあろうに元神職の手で穢され”怨霊によって永遠に呪われる”と暴言まではかれている。これでは、とてもわざわざ、初詣に行こうという、げん担ぎ好きな江戸っ子は少ない

そこで僕は提案したい。年は迫ってしまったが、大晦日の31日の大祓いの儀に厄祓いに大相撲の横綱による土俵入りを披露したらどうだろうか。深川の八幡さんは、江戸勧進相撲発祥の地であり、境内には歴代横綱の碑や、大相撲ゆかりの記念碑が建っている。新横綱誕生の際には土俵入りが披露されている。おりしも大相撲も”日馬富士”事件の不祥事でもめている。逝く年の厄払いである。大相撲も新規一転、三横綱そろっての土俵入りを提案したい。

相撲は神事から出発したという説もある。神社庁も大祓いを期に富岡神宮の復帰を許可した方がよい。初詣客の多い方が”お賽銭”の額にも響いてくるように下司の僕には思えるのだが。

「相撲争議史」 今に始まったのではない相撲協会の内紛

2017-12-18 05:07:06 | 2012・1・1
横綱日馬富士の同じモンゴル出身の力士、貴ノ岩に対する暴行事件に端を発した相撲協会の内紛は20日臨時理事会でも解決されず、年を越しそうである。一体全体、公益財団法人のガバナンスはどうなっているのかー。貴ノ岩の親方の貴乃花親方は、協会の理事でありながら協会へ協力姿勢を見せず、肝心の被害者である貴ノ岩は雲隠れしたまま。一方の協会側といえば、電子内容証明のサービスがあるこの世の中なのに大の親方衆二人がパーフォーマンスなのか車でなんども貴乃花部屋を訪れ、会う気のない親方の不誠意だけをマスコミにアッピールだけしている。

明治の末から双葉山時代まで40年、相撲記者をしていた亡父が書いた「相撲争議史」(未刊)の原稿が手元にあるので読み返して見た。その書き出しの文章が今にも通じるので紹介してみる。「相撲の中枢体である相撲協会なるものは、各自利害関係が異なる年寄り力士等の集団で、しかも何より対抗意識の燃える關係上、ともあれば色々と紛争が生ずる」。原稿は400ページ用紙にして53枚。協会の内紛だけでなく、江戸時代の「めぐみの喧嘩」から昭和の初めの春秋園事件まで9項目を書いている。

全文紹介したいところだが、明治44年の烏森事件と昭和8年の春秋園事件が面白い。烏森事件は、力士の待遇改善を要求して一部の力士が新橋の烏森神社境内の建物にたて籠った事件だが、協会側とのやり取りの中で”関取衆は大関横綱にもっと敬意を表すべき”だとか”協会役員は平年寄りを優遇すべきだ”といった要求が出ている。春秋園事件は、同じように力士の待遇と協会の体質改善を要求して出羽の海部屋を中心とした西側(当時は東西制)の関取が協会から分離独立した事件だったが、結局分離した側が経営が成り立たず失敗している。

相撲協会が20日の臨時理事会で、今回の事件に関連した親方、力士に対して、懲罰を含むどのような結論出すのか注目されるが、単なる”ケンカ両成敗”なら将来に同じような禍根を残すことになる。横綱白鵬が千秋楽の土俵で叫んでいたが、”ウミを全部だしきれるか、どうか”だが。

皇紀二千六百〇一年の年賀葉書

2017-12-17 06:38:36 | 2012・1・1
来年の年賀葉書の郵便局での受け付けが始まった。もう、そんな時期かと先月割引印刷で購入していた葉書を取り出し、少しずつ書き始めた。郵便局のお年玉付き年賀葉書の発行枚数は平成15年(2003年)の44億5千枚ををピークに減りはじめ、今年はその約6割の25億2千枚だという。その減少カーブはIT革命が本格化してきたのと似ている。わが家もご多聞に漏れず、減ってきているが、これはIT革命ではなく加齢によるものだが。

お年玉葉書が郵便局から売りに出されたのは、戦後間もなくの昭和24年だが、発行部数は僅かに1億4千枚だった。物のない時代を反映して特等賞品がミシン、1等洋服生地、2等子供の野球ミットであったと、僕の「学生日記」(旺文社)に記載があるが、亡父の日記には,年賀葉書、数年ぶりに復活と書いている。これは父の誤解によるものと思うが、賞品にはあまり魅力がなかったのだと思う。

戦中戦前の年賀葉書はどうだったのであろうか。たまたま書箱の隅に、亡父の書き損じた昭和16年の年賀葉書があった。「皇紀二千六百0一年の初頭に方り皆々様の御健康を祈り、併而平素の御無沙汰を深く御詫び申し上げます」(ママ)印刷された書面だが、70余年の歴史を感じる文体である。

今年わが家で夫婦併せて出す、年賀状は僅か百枚、現役時の半分である、それも出来合いの印刷された葉書に住所宛名を書き、一言近況を添えて出すだけ、しかも時間は余るほどある。昔とちがって”なまけもの”になってきたのか。それともIT革命によるライフスタイルの変化によるものであろうか。

11年ぶりの景気感高水準と野菜の高値

2017-12-16 06:57:29 | 2012・1・1
昨日発表になった日銀の短観によると、景気観測の指標の一つとされる企業の景気認識が5期連続で改善され、11年前の2006年(平成18年)12月以来11年ぶりの高水準だという。高い事はよいことだ。ご同慶の至りだが、毎度のことながら庶民にはその実感がない。

師走も半ばを過ぎて歳末商戦が始まった。わが家の新聞折込にも昨日4軒、今日も3軒と近所のスーパーの広告が入ってきた。どれもにぎにぎしく、クリスマス、歳末商戦を煽っているが、今年は一つ異変が起きている。どの店も例年なら、野菜果物が安売りの目玉になっているのだが、今年は扱いが小さく少ない。

ランダムに紹介してみると▽グリーンアスパラ300G458円、ブロコリ―一株358円、アボガド1個198円(H店)▽トマト1個大型138円、キウリ2本178円、白菜4分の1切れ125円(T店)▽長ネギ198円、豆苗88円(S店)▽スナップ.えんどう128円、ぶなシメジ98円(I店)=15日▽ピーマンⅠパック98円、キャベツ1個198円、緑豆もやし25円(O店)▽キウリ1本58円、キャベツ1個178円、大根1本198円、カボチャのブリックカット100Gあたり58円、ニンジン1袋178円(I店)▽白菜4分の1切れ128円、キウリ3本168円=16日

野菜は庶民にとって毎日の必需品である。高くても買わざるを得ない。景気の回復感がっても、僕らのような年金生活者世帯にとっては関係ない。核家族の関係もあるが、野菜のカット切り販売が増えてきた。今に白菜の6分の1切れ、8分の切れなどが店頭に並ぶのではないだろうか。景気感とは、うらはらにセコイ時代になってきたものだ。

平均寿命 人口減少率 東北の気になる共通点

2017-12-15 06:50:56 | 2012・1・1
厚労省から平成27年度の都道府県別の平均寿命が発表となった。加齢とともに”寿命”が色々と気になるものだが、僕が今住む生まれ故郷の東京は81.07歳(男性)で、ランキング11位”まあまあ”でほっとした。もっとも僕はすでに87歳に近く、平均はとっくにクリアしているのだが。

新聞の平均寿命番付を見て気がついた一つは、男性の最低46位から45位、44位ワースト3が青森、秋田、岩手の東北3県だったことだ。どこかで同じような番付を見たことがあると思い、調べてみたら、同じ厚労省の2040年時の都道府県別人口減少率がやはり最下位秋田、次いで青森、一つとんで43位が岩手県であった。

同じ東北でも宮城県は平均寿命は上位11位にランクされているが、人口減少率は高く2060年には34%減少するという推測もある。それを予測するかのように新聞に宮城県七ケ宿町稲子がついに一世帯一人になってしまった。1960年位には127人の人口があった集落である。

人口減少問題を検討している日本創生会議の予測によると、30年先には国内の896自治体が人口減少で消滅の可能性があるという。何とか食い止めないと、国全体の存続にも関係してくる。昔、僕が現役であった頃、東京から厳寒地に転勤する場合には暖房代として「石炭手当」が支給された。地方の人口減対策には、こういった手当の支給があってもよいのではないか。平均寿命率をあげるのにも効果があるのではないだろうか。

サンゴ、ジュゴンより人命 普天間から辺野古への移転作業を急げ

2017-12-14 06:11:43 | 2012・1・1
沖縄の普天間基地に隣接する普天間第二小学校の校庭に海兵隊大型ヘリコプターの窓枠が落下、体育授業中の小学生がケガをした。幸いけがは軽くてすんだが、つい最近も近くの緑ヶ丘保育園の屋根にもヘリコプターの部品が落ちてきたばかりである。いったい米軍の軍律はどうなっているのか怒りを感ずるが、現況下では起るベくして起る事故である。辺野古への移転作業をスピ―ドアップすべきである。サンゴやジュゴンより人命第一である。

世界一危険な基地といわれる普天間基地の移転が日米間で問題になってから20年になるが、まだ解決をみていない。2009年、民主党政権の鳩山由紀夫首相が”(普天間移転先は)最低でも圏外”と発言、問題をこじらせてからでも8年になる。ようやく移転への沖縄県知事の認可がおり、移転作業が開始されたのに、2014年、翁長雄志氏が知事になると認可を撤回、一転して辺野古への移転反対運動を始めた。

在日米軍基地の74%は沖縄に集中している。普天間基地はその象徴で同情する。2004年、普天間基地に隣接する沖縄国際大学のキャンパスに今回と同じ型のヘリコプターが墜落炎上した事故があった。当時、僕は仕事で沖縄に長期出張中だったが、県民の怒りを知っている。今回事故のあった小学校を移転せよという運動もあった。しかし、移転すれば、基地の固定化に通ずとして取りやめになった。

翁長い知事は基地問題を”沖縄の国難”と言っているそうだが、沖縄県だけの問題ではない。わが国全体の問題である。政府は数重なる事故に対して米国に対して強硬に抗議するとともに、翁長知事にも辺野古への早期移転に協力するよう説得すべきである。