★ 夏の夜、ワーグナーにひたる。昨夜に続きワーグナー「ローエングリン」
昨夜のエントリ http://blog.goo.ne.jp/bellavoce3594/e/a88159bee17713d36fa980835f998f0f
ワーグナー「ローエングリン」~エルザの夢、ソプラノはレナータ・テバルディ(イタリア語歌唱)
Renata Tebaldi "Elsa's dream" Lohengrin 1947
ワーグナー「ローエングリン」~はるかな国に、テノーレはマリオ・デル・モナコ(ドイツ語歌唱)
Mario Del Monaco Wagner Lohengrin "In fernem Land"
★ 今夜もワーグナーを。
ただしイタリアの名歌手のワーグナーである。
戦後まもなく、マリア・カラスと並ぶ名ソプラノ、レナータ・テバルディが頭角を現した。
今では考えられないスケールの大きな歌唱を聴かせる名歌手が、綺羅星のように並んだオペラの「黄金時代」、
その中でも一段と輝いたプリマドンナがテバルディであり、トスカニーニは「天使の声」と絶賛した。
しかし、このプリマドンナは美しい声と劇的な強い表現力を兼ね備えていた。
その声の質は単なる美声のソプラノでなく、「樫の木のように」ゆるぎのない堂々たるものであった。
このアリアの後半では確信に満ちた素晴らしいエルザを歌っている。ただしイタリア語歌唱。
そしてテノーレの分野では、あまりにも輝かしい声に「黄金のトランペット」と称賛されたマリオ・デル・モナコ。
ドイツ語も得意で、イタリアのベルカント唱法でワーグナーを歌った。
その声は大編成のオーケストラをも圧倒し、舞台姿は眉目秀麗であった。
しかし、その偉大な声を保持するために、生活のすべてを声のコントロールとコンディションになげうった。
敗戦後のイタリアに、デル・モナコのパセティックな舞台姿と並びなき雄々しい声と表現は、時代が求めるものだった。
ワーグナーに酔う「第二夜」・・・古い貴重な録音で音楽に浸りたい。
