ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

クライン孝子氏の「言いたい放談」、中西輝政京都大学名誉教授のエッセイ、【追加】あり。

2016年02月06日 | 政治

★ ドイツの現状をクライン孝子先生が語る。

【言いたい放談】ドイツも日本も、自らの善意によって国難を招く[桜H28/2/5]


ヨーロッパのマスコミは依然として日本の「性奴隷」「強制連行」・・・など手を緩めていない。

★ この動画とは別に隔月誌『歴史通』3月号で京都大学名誉教授の中西輝政氏が、同誌11月号の「安倍談話」批判に続いて≪気がかりな安倍政権の胆力≫として厳しく批判している。

世紀の失態外交・・・実はこうなることは昨年夏の「70年談話」以来、十分に予見できたことであった。・・・「安倍さん、これはいくら何でもやりすぎでは・・・」「さては、70年談話で≪味をしめた≫ということか」・・・その意味するところは昨夏の「70年談話」では、文飾の巧みさに幻惑されて、その主旨が村山談話の立場を鮮明にした内容だったに拘わらず、なぜか保守論壇の一部では逆に支持されて、期待以上に首尾よく乗り切れた。
それゆえ今回、河野談話を「ゆるぎなく継承していること」を全世界に示した日韓合意であっても、保守陣営の安倍応援団は前回と変わらずきっと支持してくれるに違いない、と「柳の下の二匹目のドジョウを」を期待してのもの、ということだ。

おざなりの自虐外交、・・・アメリカのいつもの「場当り外交」の犠牲にしてよい問題ではない。そもそも福沢諭吉の時代から「変転やむことのない」とされた朝鮮半島の一時的な外交ゲームに国家の基本問題を譲り渡してよいのか。韓国はいずれまたすぐ、中国にすり寄るに決まっているではないか。にも拘わらず「政治的・外交的には成功では・・・」と評する知識人もいるが、国家の基本問題と一時的な外交ゲームを混同してはならない。
百歩譲って、直後に、北朝鮮が核実験を「やってくれて」日韓合意への日本人の当初の衝撃は若干後景へ退いているかも知れないが、この慰安婦合意の内容は、何があろうと超えてはならない一線を明らかに超えている。・・・

しかしここでさらに少々視野を広げてみると、今やこうしたことが安倍政権ではひとつの流れとなっていることが見えてくる。

なぜ最後はいつも譲るのか・・・世界広しと言えども。この安倍政権ほど、国家としての建前や従来から発信してきた自らの歴史をめぐる言動と、最終的な結果として後世に残すことになる為政者として或は国として明確にコミットした歴史認識との間に、これほど大きな譲歩と前後を通じこれほど極端な落差がついて回るような選択をする指導者の事例は、古今東西、ほとんどないように思う。・・・そのような譲歩は、本人にとってだけでなく、国家と民族の未来にとって命取りになることを誰しもが知っているからである。
・・・そうした点での譲歩を繰り返して「世界の侮りを受ける」ことほど国として危ういことはないのである。・・・そして言うまでもなく国家指導者の場合、歴史問題で一旦、対外的に明確にしたことは、「結局、周囲の包囲網にはまったのであって、実はあれは総理の真意ではないのだ」などということは言い訳にならない。

これこそ、一部の保守論客による悪しき政治宣伝、良く言って贔屓の引き倒しにすぎない。
繰り返すが、目前の「政治」の都合で自らの真意が貫徹できないのであれば、始めから歴史の
問題には触れてはいけないのである。(以上、中西輝政氏の文から一部をピックアップしてご紹介)



★ その他、「左傾化する安倍政権」など書きだせば長くなるし、上記はほんの一部しかご紹介していないので、ぜひ隔月誌『歴史通』3月号の原文(全10ページにわたって書かれている)をお読みいただきたいと思います。

【追加】 Ichigoさまより早速この件で重要な補足コメントを頂きましたので、転載します。

「歴史通」の中西さんの記事を読みました。

想定していた慰安婦問題日韓合意はすでに実現済み。
「21世紀構想懇談会」座長代理 北岡伸一。 これが曲者ですね。

日韓合意の後はひょっとして次の事項も実行するつもりなのか?
・靖国神社の「A級戦犯分祀」の推進
・靖国神社に変わる国立の「代替慰霊施設」建設
・日本の歴史教科書、歴史教育に関すること

日本の外務省が中心となり、多国間の「歴史研究」を通し日本人の歴史認識の「再教育」と「正常化」を推し進める

冗談ではない、こんなことが実現したら、日本は日本で無くなる。
中西先生のこの記事の内容はもっと、拡散されるべきですね。歴史認識を左巻きの学者と外務省に丸投げをすれば、売国案が出るのは当たり前。戦後レジームからの脱却とは一体何なのか。 安倍総理の歴史認識とは一体何なのか。

(以上、Ichigoさま)



政治家ではじめてこのことをきちっとした形で毅然と公に語られたのは、1月の年明けにチャンネルAJIERに録画し1月15日に全国に放映された「三宅博」前衆議院議員であった。
『新年を迎えて①』三宅博 AJER2016.1.15(9)国家の名誉と国防は一体のものである。




次回は、最初は「安倍外交の勝利」と絶賛しながら先日、それを『外務省に任されぬ』と産経新聞に寄稿した櫻井よしこ氏の論に対して厳しい論調で書かれた三宅博氏のエッセイ『日本の外交の責任者は誰か』について、南木倶楽部の南木隆治氏がそれを高く支持・賛同された文を掲載したい。



コメント (8)
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西村眞悟氏の「時事通信」・中山恭子氏と西岡力氏の対談

2016年02月06日 | 政治

★ 忙しい年末に第2第3の河野洋平が現れた・・・って? もう恥ずかしいですよ。
でも思わず太字にしちゃった。(西村先生の文の後半です。)

━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━
西村眞悟の時事通信
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情報統合の必要性

平成28年2月5日(金)

 昨日の時事通信の最後に、スパイ防止法と統合情報機関の必要性を記した。

 それで、切実な問題としての統合情報機関の必要性について述べることにする。

 天皇皇后両陛下は、一月二十六日から三十日までフィリピンに慰霊の行幸啓をされた。
 それで、いつも七十一年前から七十年前にかけて行われた
 フィリピン戦線での戦いのことが頭から離れず、
 これと現在の拉致被害者救出交渉や日韓交渉が錯綜して絡んでくるのだ。

 まず、フィリピン戦線について、
 この戦いにおける大敗北の原因は、
 架空の情報に基づいて戦闘配備をしたことにあった。
 具体的には、海軍航空隊の台湾沖航空戦における戦果報告を、
 そのまま真実の巨大な戦果であると信じて、
 フィリピン戦線の決戦場をルソンからレイテに転換したことに戦歿者五十余万人という敗因がある。
 
 この航空戦の戦果報告の虚偽は、フィリピン戦線だけではなく、
 赤道下のギルバート・ブーゲンビル沖航空戦の偽戦果を信じてタロキナ大反撃を開始した第八方面軍の失敗以来続いてきていた。

 航空戦においては戦場は、パイロットしか見ることはできない。
 そして、その報告に基づいて陸海軍部隊五十万の将兵の運命が決まってゆく。
 
 まず昭和十九年十月十日から十四日にかけて行われた台湾沖航空戦の大本営海軍部発表の「戦果」は次の通りである。
 十六日十五時発表 台湾沖航空戦の戦果累計次の如し
 轟撃沈 空母十、戦艦二、巡洋艦三、駆逐艦一
 撃破  空母三、戦艦一、巡洋艦四、艦種不詳十一

 では、この戦果はどこで誰から報告されていたのか。
 それは鹿屋の海軍飛行場である。
 鹿屋飛行場脇の大型ピストに司令官が陣取って戦場から戻ってきたパイロットから戦果の報告を受ける。丁度その時、十三日午後一時、
 鹿屋に着いた陸軍大本営情報将校である堀栄三少佐は、
 ピストから戦果報告を終えて出てきた海軍パイロットを片っ端から捕まえて聞き質した。
 
 「どうして撃沈だと分かった」
 「どうしてアリゾナだと分かった」
 「雲量は」
 皆、返事が曖昧だった。
 その時、飛行服を着た陸軍航空隊の少佐がピストから少し離れた処に腰を下ろしていた。
 そして、堀少佐に言った。
 「参謀!買い被ったらいけないぜ、俺の部下は誰も帰ってきてないよ。あの凄い防空弾幕だ、帰ってこなければ戦果の報告もできないんだぜ」
 「参謀、あの弾幕は見た者でないと分からんよ、あれを潜り抜けるのは十機に一機もないはずだ」
 
 しかし、堀少佐がピストに戻ると、
 戦果は更にふくらんで「轟沈」、「轟沈」の大合唱だった。
 そこで堀少佐は、大本営当てに次の緊急電報を打った。
 「この成果は信用できない」

 直ちに、堀少佐はマニラに飛び、十六日の大本営海軍部の「戦果累計発表」を知った。
 その時、この数字が真実ならば、三十九年前の東郷元帥の日本海海戦以上の大戦果である、
 そんな馬鹿な、と思う。
 そして、マニラの各司令部で発表された戦果は信用できないと話すが、
 陸軍の各司令部も大本営海軍部発表を信じて浮かれていて一顧だにされなかった。
 
 そこで、堀少佐は、マニラから八キロ離れたマッキンレーの第十四方面軍司令部に走り、
 司令官の山下奉文大将に海軍の報告した戦果は事実に反することを懇切に説明した。
 聞き終わった山下大将は、同席させていた参謀副長に言った。
 
 「現に今、この上を艦載機が飛んでいるではないか」

 大本営海軍部発表の敵空母十三隻沈没が真実ならば、
 もはや敵に空母はなく敵艦載機がルソンの上を飛ぶはずはない。
 この単純明快な事実によって、
 山下奉文大将は、堀少佐の報告が正しいと判断した。
 実際、敵空母は一隻も沈んでいなかった!
 
 しかし、この山下奉文大将と武藤章参謀長の、従来通りの「ルソン決戦」方針は、
 海軍の空前の大戦果発表に基づく大本営の命令によって、
 「レイテ決戦」に変更させられるのである。
               (以上、堀栄三著「大本営参謀の情報戦記」より)

 では、何故、架空戦果発表が信じられて、それに疑念を挟めなくなり、
 その架空を前提にした作戦が実施されたのか。
 その理由は、次の三つであろうか。
 〓航空戦では、戦場の現場は、パイロットしか見ることはできないということ。
 〓戦場の報告をするパイロットは好い報告をしたい、
  司令部は好い報告を受けたい、と念じている、
  これが相乗すれば「万歳、万歳」に繋がってゆく。
 ミッドウェー海戦の敗北を帝国海軍は終戦まで隠していたように、
 海軍は敗北を認めない強迫観念に駆られていた。
 〓大本営海軍部が一旦発表したことは断じて変更しないという権威主義に縛られている。

 そこで、このような架空の戦果に基づく暴走を防ぐ体制を如何にして築けばいいのか。
 パイロットの心構えだとか無敗信仰を排するとかのメンタルな問題よりも組織論として考えれば、
 
やはり、情報の統合ではないか。

 このフィリピン戦線の戦果誤認の暴走は、
 海軍の情報と陸軍の情報が「統合」されて判断されなかったことから生まれている。
 それが「統合」されていれば防げた、のではないか。
 
 例えば、鹿屋の海軍飛行場で、海軍司令部は、
 陸軍航空隊の一人も部下が帰ってこなかった将校のもたらした情報を聴いたのであろうか。
 彼が言う、弾幕の凄まじさを聞き質し、戦場海域の雲量をきいたのであろうか。
 堀少佐は聴いたが、海軍司令部は聴いていないのではないか。
 また、ルソン島やレイテ島の地上に配備された陸軍から
 「敵の艦載機が飛んどるよ」との情報が、
 情報の「統合部」に伝わるだけで、
 敵空母十三隻沈没などの発表はできない。

 
 さて、フィリピン戦線の錯誤を長く書いてきた訳は、
 極めて私の思いなのであるが、
 この陸海軍大本営と司令部の
 「あり得ないことを、自分が思い込みたいように思い込んでしまう」という錯誤を、
 現在も、北朝鮮との拉致被害者救出交渉においても、
 韓国との従軍慰安婦問題においても、
 我が国は、常に繰り返してきているのではないか、と思うからである。

 例えば、平成十四年九月十七日の平壌における日朝会談
 
 外務省局長は、ミスターXという人物と接触し、
 それを外交のプロを自任する証かのように信頼する。
 これ、台湾沖から帰還したパイロットの戦果報告と同じだった。
 
 次ぎに、外務省は、平壌宣言を出した首脳会談は大成果であると信じたいので未だ信じている。
 その証拠に、十年経った平成二十四年にもストックホルム宣言でも
 「平壌宣言に則り」などと謳う。
 それ故、その十年間に、北朝鮮が平壌宣言で約束したことは、
 全て破っている(核実験、ミサイル発射)ことは見てみない振りをしている。
 
 また、平壌宣言自身が、拉致被害者救出の宣言ではなく、
 日朝国交正常化を急いで日本が北朝鮮にカネを出す宣言であるのに、
 外務省は未だに拉致被害者の為の宣言だと強弁している。
 日本がカネを出す宣言だから、
 北朝鮮は喜んでトラック二台分の松茸を小泉さん一行にお土産にくれたのだろうが。

 この経緯は、架空の戦果の上に乗って、
 軌道修正せずにレイテに行ってしまったフィリピン戦線とよく似ていると思う。

 次ぎに、韓国との従軍慰安婦問題交渉
 
 河野洋平官房長官は、平成四年、
 韓国側から、慰安婦連行の強制性を示す文言をちょっとだけ入れてもらえば、
 これで納まるからと頼まれて、その通りの談話を発表する。
 多分、そうすれば、「最終的かつ不可逆的」に解決する、
 と信じたいから信じたのだろう。
 
 信じたいからという理由で信じることができる相手ではない、
 という情報が入る余地はなかったのか。

 その結果は、ご覧の通りである。
 ソウルの日本大使館前やアメリカの西海岸と東海岸に
「日本は二十万人の韓国人女性を強制連行して性奴隷にした」
 というプレートが貼られた慰安婦にされた少女の像が建てられている。

 平成二十七年十二月の末、
 落語にでてくる大晦日の借金取りに追われる長屋の住民のように、
 安倍総理はソウルの韓国大統領に電話をかけて「反省し謝罪」した。
 外務大臣は忙しい年末にソウルに行って韓国の外務大臣に「反省し謝罪」した。
 
 何故か、「最終的かつ不可逆的」に解決するからである。
 その結末は、もうじき分かる。
 
 総理も外務大臣も「最終的かつ不可逆的」に合意できたからではなく、
 そのように合意したいから
 慰安婦像撤去の約束は全くないのに、
 「反省し謝罪」したのである。
 我が国に急ぐ理由は何もないのに。
 慰安婦像を置いたまま反省し謝罪したら、あの像が付けているプレートに書かれていることが、
 国際社会で真実になるではないか。
 慌ただしい年末に、第二第三の河野洋平が現れた。

 しかも、外務省は、
 日本は朝鮮人女性を強制的に連行して慰安婦にした事実はないと国連で説明することを躊躇っていた。
 その躊躇う理由は、韓国の外務大臣の韓国内での立場を弱めるからだそうだ。
 アホかと思うよ。
 世界遺産問題で我が国に平気でウソをついた人物ではないか。
 必ず、日本側のせいにして立ち回るよ。


 以上の、対北朝鮮でも対韓国でも、
 己の願望に合致した一つの情報に真偽を確かめずに飛びついて、
 「解決した」と思い込みたいから思い込む点は、
 大本営と陸海軍司令部のフィリピン戦線の失敗とそっくり同じである。

 我が国の、
 この根強い脆弱性を是正する為に、
 歴史の教訓と現在の反省のうえに立って
 外務省の情報、警察の情報そして自衛隊の情報また経済産業省の情報を等々を
 統合しまた自ら情報を収集する
 国家統合情報機関の創設が必要だと確信する。

★ 西村眞悟氏に続いて、下記の動画で中山恭子・西岡力氏の対談をどうぞ。

【日いづる国より】西岡力、慰安婦問題における謝罪外交の罪業[桜H28/2/5]





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