ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

ローマ法王、「トランプ氏はキリスト教徒ではない」発言

2016年02月23日 | 政治

2016.2.20 11:10更新
【米大統領選】
ローマ法王が批判 トランプ氏は「キリスト教徒ではない」

 【ワシントン=加納宏幸】ローマ法王フランシスコは、米大統領選の共和党候補指名争いで首位の不動産王、トランプ氏が不法移民の入国を防ぐためメキシコとの国境に「万里の長城」を築くと主張していることを「橋をかけるのではなく壁を築くことだけを考る人物は、キリスト教徒ではない」と述べた。

 訪問先のメキシコからローマに戻る機中で17日に答えた内容が18日、報じられた。

 これに対し、トランプ氏は18日に発表した声明で「宗教指導者が個人の信仰に疑問をはさむのは恥ずべきことだ」と法王を批判した。法王がメキシコ訪問で一方の話だけを聞き、不法移民の犯罪や麻薬の密輸入について考えていないと主張。法王は「手駒」として使われていると指摘した。

 トランプ氏はまた、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)がバチカンを攻撃した場合、「法王はISの攻撃を起こさせない私に大統領になってほしかったと願うことになるだろう」とした。

 20日に共和党候補指名争いの第3戦が行われるサウスカロライナ州など候補の信仰が重視される州での予備選・党員集会を控えており、今回のやり取りは投票行動に影響を与えそうだ。(産経)


★ ヨーロッパの歴史は日本では想像もできない侵略の戦いの歴史がある、しかしイタリアはローマカトリックを実際のところどう見ているのか。芸術作品から考えてみることにしよう。(教会に背をむけながらも圧倒的に支持されたミケランジェロとヴェルディ。)

ローマカトリックは、かつて東ローマ帝国を狙うフン族の覇王アッティラに対し、教皇がアッティラに「説教」をして退却させたという絵がバチカンにある。それを書いたのは有名な画家のラファエロである。
ラファエロは30代で亡くなったが、パトロンがローマカトリックであったという。

しかしイタリア人だったらみんなローマカトリックに心から帰依しているかというと案外そうではないように思う。
例えばミケランジェロ、そしてオペラ作曲家のヴェルディ。ヴェルディのオペラはローマカトリックという巨大な権力に対し批判が底流にある。

ヴェルディのオペラ『アッティラ』・・・20年以上ローマ帝国を護った英雄エツイオを退けるのは暗愚な皇帝、
そして嫉妬からエツイオを退け、簡単にローマを侵略され、蛮族にローマの財宝を与えてなだめたという歴史。
決して「教皇が説教」したものではない。「教皇がローマの財宝を渡した」のである。

これ以上は書かない。
ヴェルディの『アッティラ』では教皇の「説教」の場はあるが、次の場面でアッティラを滅ぼすのはエツイオの策略である。
まだ若かったヴェルディはうまく乗り越えて作品を完成したと思う。

「キリスト教徒ではない」というローマ法王の言葉に対しトランプ氏も言い返しているが世間は思ったよりも冷静である。
またローマカトリックはロシア正教と仲直りをし、歩み寄ったというが、その結果ははたしてどう出るだろうか。


ブログのティールーム



★ 父をアッティラ軍に殺されたローマの女戦士オダベッラがアッティラと対峙、
オダベッラを歌うのはイタリアの名ソプラノ、マリア・キアーラ。
女戦士オダベッラは婚約者の青年フォレストに思いを寄せながらも「聖なる祖国」のためエツイオを助け、アッティラとの政略結婚を承知し結婚式でアッティラを殺害する。


オダベッラのアリア「聖なる祖国」・・・オダベッラはアッティラに「剣を与えよ」と迫る。女と思って油断か?アッティラは剣を渡してしまう。

Maria Chiara "Santo di patria" Attila 女戦士オダベッラが歌う「聖なる祖国」のアリア、何度も出てくる「パートリア」とは「祖国」


・・・弁髪のフン族の覇王アッティラとローマの女戦士オダベッラ、オダベッラはアッティラに「お前の国の女はただ泣いてばかりだが
イタリアの女は戦う」と歌う。オダベッラの背後に控えるのはローマの女軍団。


コメント
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