ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

ヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」~和解(カップッチッリ、ギャウロフ)

2010年12月27日 | オペラ
Cappuccilli, Ghiaurov- S. Boccanegra- Piango perche mi parla


「いぶし銀」のカップッチッリと「雷鳴の声」のギャウロフ、第一人者が声の饗宴だけでなく、ドラマとしての深さと情で聴衆を泣かせた。
一生忘れられない名演である。

海賊出身でジェノバの総督シモンは、仇敵の名門貴族(今は没落)のフィエスコと再会する。
フィエスコはシモンの前に突如現れ、強い非難の言葉を投げつけるが、シモンは売国奴に毒を盛られ、苦しい息で娘がフィエスコの孫であることを告げる。
昔、誇り高い貴族のフィエスコは海賊出身のシモンを娘の相手として拒否し、娘は子供を産んで亡くなった。
それも恨みのひとつであった。しかし子供は行方不明、シモンはふとしたことから実の娘と再会していたが。
(フィエスコはシモンの総督としての善政を、憎みながらも認めていた。
全くシモンを憎んでいたわけではない・・・)

それをきいて泣くフィエスコ、tu piangi?「貴方は泣いているのか?」とシモンは問う。フィエスコは「泣いているとも、君の声は神の声だからだ」と涙を流す。
フィエスコとシモンの長い憎悪と争いが、美しいメロディーで溶けていくが、すでにシモンには毒が回っていた・・・。


☆シモンとフィエスコ、どちらも実在の人物である。
世界最高峰のバス歌手ニコライ・ギャウロフのフィエスコ、バリトンのピエロ・カップッチッリのシモンは、もはや望み得ない名演。
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カップッチッリが歌うヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」~平民よ、貴族よ!

2010年12月27日 | オペラ
P. Cappuccilli as Simon Boccanegra "Plebe, patrizi, popolo!"


カップッチッリが最も得意とした「シモン・ボッカネグラ」、ジェノバの総督シモンは、海賊だったが、選挙で総督に選ばれ、民衆の支持も高かった。
しかし、売国奴により、ジェノバは平民・貴族のふたつに分かれて争う。総督シモンは「平民よ、貴族よ!」と呼びかけ、アベルとカインのように兄弟殺しをするのか、と戒め、人々はシモンの演説に感動する。合唱もすばらしい。
1975年、スカラ座での名演。
シモンの娘にソプラノのフレーニ、他にバスのギャウロフ、テノールのルケッティなど豪華メンバーだった。
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プロッティの歌う「祖国の敵」~「アンドレア・シェニエ」日本初演

2010年12月26日 | オペラ
Aldo Protti - "Nemico della Patria" - Andrea Ch醇Pnier 1961


モナコ命さまがいつもプロッティを激賞なさっているので、なつかしい東京公演で、「アンドレア・シェ二エ」日本初演の動画を載せた。
プロッティは性格俳優とも絶賛されていたし声も立派、でも私としてはやはりカップッチッリが・・・。
歩き回って歌うのは集中力を欠くように思うけれど、それは「迷い」のあったジェラールの表現かも?それともプロッティが歌いやすいためか???
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ヴェルディ「仮面舞踏会」~往年の名ソプラノ、ステッラの名唱(東京公演の思い出)

2010年12月26日 | オペラ
Antonietta Stella "Gitf Scene" Ballo in Maschera


これぞヴェルディを歌う最高のソプラノ、アントニエッタ・ステッラの日本公演です。
先のゲオルギューは、やはり小粒でした。
ぐらっぱ亭様は、ステッラとも親しく通訳でご活躍なさり、お二人のツーショットのお写真も拝見しましたが、この動画でステッラの芸術の大きさを感じました。

スケールの大きなリリコ・スピント(ヴェルディの中期・後期のオペラを歌う声の質、叙情さを兼ね備えたドラマティックな強さを持つ声)として、素晴らしいソプラノでした。さすがのぐらっぱ亭さまもこれなら文句なし、ですね。
ミー先生も夢中のステッラです。

私はカラスの実演をみて、ガックリし、このステッラを想いました。もし、カラスを見ていなかったら・・・今も「カラスが最高」なんて。
これにはカラス・ファンから異論もありましょうが、私も昔は徹底したカラス・ファンでしたのでお見逃しを♪
オーケストラはNHK交響楽団が担当、それにしてもマイクなしの声、凄いですね。


☆ステッラは今81歳、今は演出も取り組んでいるとか。
この場面は愛する人をあきらめるための薬草があるときき、それをを摘みに行くアメーリア、その場所は夜中の処刑台・・・わあ~こわい!!
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アンジェラ・ゲオルギューが歌う- Non ti scordar di me - 「わすれな草」

2010年12月26日 | 歌曲
Angela GHEORGHIU - Non ti scordar di me - Ernesto de Curtis


楚々としたソプラノ、アンジェラ・ゲオルギューが歌う「わすれな草」
ノン ティスコルダール ディ メ(私を忘れないで)と何度も繰り返される、往年の名歌手はこの曲をアンコールで歌った。

ベルゴンツイ、カップッチッリなど、ほとんどが男性歌手だった。ゲオルギューは往年のテバルディ、ステッラ、カラスのような「偉大な声」ではないが、チャーミングである。ルーマニア出身、ソプラノ・リリコだが、低音も豊かに響く。
今が全盛期でもある。
コメント (2)
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