その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ニューヨーク フィルハーモニック/ アラン・ギルバート指揮 ロンドン公演

2012-02-25 21:39:18 | コンサート (in 欧州)
 ロンドンの多くのブロガーの方が既に紹介済ですが、先々週、ニューヨークフィルのロンドン公演が3公演ありました。私は、その土曜日の最終回を聞きに行きました。とても感じの良いコンサートで、帰りの足が軽くなるようなコンサートでした。

 このオケの音楽監督の座について間もない2年前にもロンドン公演がありましたが、私は体調不良で無念の当日キャンセル。今回がこのコンビの演奏を聞くのも観るのも初めてでしたが、この日のギルバートはとっても自信あふれる指揮ぶりで、楽員との息もとってもあっている印象です。日本人とのハーフであるギルバートは何年か前にN響を
振った際に聴いているし、NYフィルは大学生の時に初めて海外旅行に出て初めて外オケを聴いた記念すべきオケなので、このコンビが良い関係にあるようなのは、個人的にもとって嬉しいです(とかくNYフィルは指揮者にうるさい伝統があるとの話も聴きますし)。

 この日持った感想は、クリアで大きなアンサンブルが管弦のバランス良く、とても美しく響く演奏だなあというものでした。演奏されたマグヌス・リンドベルイ、バルトーク、プロコフィエフの曲はいずれも私にはあまりなじみがない曲なのですが、オーケストレーションの面白さとギルバートのスケールが大きく、明確な指揮ぶりで、とっても楽しませてもらいました。あえて言うと、プロコフィエフはちょっと全体に表面的な印象を受けました。ロンドンでは馴染みのゲルギエフとかユロフスキーが振るともって毒のある音楽になるのかなあなどと思ったのですが、これは、ロシア音楽はロシア人が振ると違う、という私の単なる思い込みのせいかもしれません。

 あと、この日は私にとっても初ランラン。ロンドンでは良く出演しているランランですが、何故かこれまで縁がありませんでした。初ランランの印象は、これは人気があるのも分かるわ~という高い納得感です。日本の若手アイドルのような颯爽とした優男で、演奏姿は私には嫌味に見えるほど、軽快で格好いい。そして、そこから発せられる音は、優しく、色彩豊かで、ただただ美しい。人気が出ないわけありませんね。アンコールのラ・カンパネッラなんぞは、これを聴いただけでも、今夜は十分と思わせてくれる程でした。

(大拍手に応えるラン・ラン)


 ラストのプロコフィエフの交響曲第5番の後には、アンコールでキャンディード序曲をやってくれました。もう、この曲をこのこのオケで聴けるなんて、何と言う幸せ。嬉しさ一杯です。

 生まれて初めて行った海外の街、ニューヨーク。今は無い、ワールドトレードセンタで他の観光客に撮ってもらった、8月の真っ青な広い空をバックに摩天楼を見下ろす自身の写真が、私の海外原体験。無性にニューヨークに行きたくなりました。

(ギルバート)



New York Philharmonic / Gilbert
Lang Lang performs Bartok Piano Concerto No 2
18 February 2012 / 19:30
Barbican Hall

Magnus Lindberg Feria
Bartok Piano Concerto No 2
Prokofiev Symphony No 5

New York Philharmonic
Alan Gilbert conductor
Lang Lang piano

コメント
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