ユーロ危機については、毎日のように新聞・雑誌で報道されているので、当然、何となくはフォローしている。しかし、「ユーロ危機の背景や実像、そして将来の見込みについて教えて」と言われると、断片的なことしか知らない、分かっていない自分に直ぐ気づく。要するに、情報としては詰め込んでいるけども、自分の知識になっていないのである。
本書は、そんな私のためにあるような本だった。本書は、国際経済の専門家が書いた、極めて分かりやすいユーロ圏全体の特徴やリスクについての解説本である。
ユーロ圏に参加する諸国を「国家の債務返済能力(一般政府の債務残高の対GNP比)」と「(政府・民間を含む経済全体)純対外債務規模(経済全体の純対外資産残高の対GNP比)」をマトリックスにして、プロットする。そして、そのポジションから高リスク国(ギリシャ・アイルランド・ポルトガル・スペイン)、低リスク国(ドイツ・フランス・オーストリア・オランダ・フィンランド・ルクセンブルグ)、中リスク国(それ以外の国)に分類し、グループ毎にリスクや各国間あるいはグループ間の緊張関係について、解説してくれる。
分析の軸が明確なので理解しやすし、グループ化によって頭の整理ができ、その上で各国の特徴を個別に見ることができるので、極めて有益である。この本を読んでから、新聞・雑誌の記事が、立体的に読めるようになった。
あまりにも綺麗に整理されてあるだけに、重要であっても切り落とされている部分もあるのではないかと思うが、それは本書のフレームワークを頭に入れた上で、また他書を当たれば良いのだろう。
今のユーロ経済について興味・関心のあるかたには、お勧め。
本書は、そんな私のためにあるような本だった。本書は、国際経済の専門家が書いた、極めて分かりやすいユーロ圏全体の特徴やリスクについての解説本である。
ユーロ圏に参加する諸国を「国家の債務返済能力(一般政府の債務残高の対GNP比)」と「(政府・民間を含む経済全体)純対外債務規模(経済全体の純対外資産残高の対GNP比)」をマトリックスにして、プロットする。そして、そのポジションから高リスク国(ギリシャ・アイルランド・ポルトガル・スペイン)、低リスク国(ドイツ・フランス・オーストリア・オランダ・フィンランド・ルクセンブルグ)、中リスク国(それ以外の国)に分類し、グループ毎にリスクや各国間あるいはグループ間の緊張関係について、解説してくれる。
分析の軸が明確なので理解しやすし、グループ化によって頭の整理ができ、その上で各国の特徴を個別に見ることができるので、極めて有益である。この本を読んでから、新聞・雑誌の記事が、立体的に読めるようになった。
あまりにも綺麗に整理されてあるだけに、重要であっても切り落とされている部分もあるのではないかと思うが、それは本書のフレームワークを頭に入れた上で、また他書を当たれば良いのだろう。
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