待ちに待ったパーヴォ・ヤルヴィさんの首席指揮者就任記念公演に行ってきました。チケット完売のホールは、あふれんばかりに期待の熱気で一杯。
そしてその期待通りの素晴らしい演奏でした。何よりも指揮者、奏者の緊張感と気合がステージに溢れていました。その姿を見ていると、聴く自分自身も自然と背筋が伸びて、音楽にぐっと集中していきます。
パーヴォさんは丁寧にかつ大胆に濃淡、強弱をつけて、立体感豊かに音楽を創っていました。第2楽章以降はアタッカで続けたのは驚きましたが、圧巻はやはり第5楽章。弦、木管、金管、打楽器、各々の音がぶつかる中で、オケ全体が一つの楽器としてNHKホールの大きさを全く感じさせずに、一杯に鳴り響き小宇宙を作ります。部分、部分で気になったところが無かったわけではありませんが、全体の熱演の中では大した話ではありません。
アルトのリリ・パーシキヴィは存在感ある貫禄の歌声。ソプラノのエリン・ウォールさんは、前半はやや弱いかなと思わせましたが、後半は納得の美声。やや残念に思われたのは合唱陣。私が座った3階席には、オケに比べて弱く聴こえ、バランスがもう一つだったのと、ちょっと一本調子に聴こえました。ただ、ここでも全体の熱演を壊すものではなく、あえて言えばというレベルです。
終演後は割れんばかりの大拍手。最後は一般参賀つき。このコンビ、これからN響に大きな変化をもたらしてくれること間違いことを、皆が確信した拍手でありました。
《これからお世話になりまっせ!》
第1817回 定期公演 Aプログラム
2015年10月4日(日) 開場 2:00pm 開演 3:00pm
NHKホール
~パーヴォ・ヤルヴィ首席指揮者就任記念~
マーラー/交響曲 第2番 ハ短調「復活」
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ソプラノ:エリン・ウォール
アルト:リリ・パーシキヴィ
合唱:東京音楽大学
No.1817 Subscription (Program A)
Sunday, October 4, 2015 3:00p.m. (doors open at 2:00p.m.)
NHK Hall
Chief Conductor Paavo Järvi Inauguration Concert
Mahler / Symphony No.2 c minor “Auferstehung”
Paavo Järvi, conductor
Erin Wall, soprano
Lilli Paasikivi, alto
Tokyo College of Music, chorus