その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

さすが世界のクロサワ: 映画「蜘蛛巣城」(監督:黒沢明、1957)

2017-01-12 07:30:00 | 映画


 黒沢明が「マクベス」を下敷きに撮った映画があると聞き、DVDを借りて視た。魔女が三人でなく一人など、細かいところで違うところはあるが、ストーリーはほぼ同じと言ってよい。

 さすが黒沢。マクベスの世界が、戦国時代の日本に代えて再現してある。霧に覆われた謎めいた山城、騎上の武士の爆走、ラストの戦闘シーン、黒沢さわしい映像美が白黒画像の迫力と掛け合わされ、重厚で神秘的な世界が表現されている。

 鷲津武時(マクベス)を演じる三船敏郎と妻(マクベス夫人)の山田五十鈴の演技も特筆に値。野心が狂気に至る夫婦を熱演している。

 マクベスに興味がある人にも、無い人にもおすすめできる映画だ。

蜘蛛巣城

監督:黒澤明
脚本:小国英雄,橋本忍,菊島隆三,黒澤明
製作:黒澤明,本木荘二郎

出演者
三船敏郎
山田五十鈴
千秋実

音楽:佐藤勝
撮影:中井朝一
編集:黒澤明

製作会社:東宝
配給:東宝
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