知人のSNS投稿に引かれて、府中市の東郷寺なるお寺を訪ねた。東郷平八郎元帥を開基として、身延山久遠寺を総本山とする日蓮宗の寺院である。(東郷元帥って神様になって東郷神社で祀られているはずなのだが、神様を開基とするお寺というのも、いかにも日本人らしい大らかさ)お目当ては、投稿写真にあった枝垂桜である。
京王線の多磨霊園駅から徒歩5分ほどですぐ着いた。住宅街の中に突如として現れた、見事な桜と剛毅な門を持つお寺にびっくり仰天。門前には高さ3メートルはあると思われるお寺の名前を彫った石板がそびえる。映画「2001年宇宙の旅」の冒頭に現れる黒い石板(モノリス)を思い起こさせ、猿になって周りを飛び跳ねてまわりたくなるほど。
<お寺の名前を彫った石板>
府中崖線と呼ばれる崖の上に建っているので、まるでお城のような石垣があり、その上に立派な御門が構えている。なんと黒澤明の映画「羅生門」のモデルになった門という。そして、その門を引き立てるというよりも、覆い隠すように見事な枝垂桜が咲き誇っていた。豪華なこと、この上ない。
<立派な門と豪華な枝垂桜>
石段は30段程度であるが、上から見下ろす桜も素晴らしい。なかなか桜を身近に上から見下ろす機会というのはあまりないのかも。
<石段の上から桜を見下ろす>
見ろした後は、お寺の敷地に入って、逆方向から門を枠にして桜鑑賞。
<門を枠に見る桜も良し>
入れ替わり、立ち替わり、花見客が訪れる。丁度、春のお彼岸とも重なり、墓参りの檀家さんも多く大した賑わいだった。ちょっとした観光地と言っても良いほど。知る人ぞ知る名所らしいので、近くの方は一度桜の時期にいかれることをお勧めします。
2020年3月22日訪問