その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロンドン とある結婚式

2010-07-19 22:06:36 | ロンドン日記 (日常)
 同僚のインド系イギリス人の結婚式に招待いただき、日曜日に朝から出かけてきた。招待状には、朝9時半のモーニングティから始まり、式典、そしてランチディナーと夕方6時までの予定が書き込まれており、一日がかりのお祝いのようである。

 今日の新郎はインド系イギリス人、新婦もインド人で社内結婚である。そのためか、今日の式典には社員からも10名ぐらい、その家族等も含めると20名近くがご招待頂いていた。

 会場はロンドン北部の結婚式場。ロンドンともなると、インド人専用の結婚式場があるのには驚いた。会場に足を踏み入れると同時にカレーの匂いがする。会場の感じは、日本の結婚式場と似て、一種の大規模パーティー会場のようだ。

 午前中の式典は、とても興味深いものだった。ヒンズー教に従った式典。ゲスト用の各椅子には、儀式の手順を示す解説ペーパーが置かれていたが、花嫁の誓い等、全部で20近くの儀式がある。全てを終了するのに1時間半以上もかかった。導師さんを除いては、誰も、この儀式には詳しくないようで、一つ一つ確かめながら前に進んでいくのも微笑ましかった。

(新郎の入場後、ベールに隠された新婦が入場)


(火の儀式に臨む新郎新婦)


(お供え物)


 式典は12時近くに終わったが、次の披露宴は予定の時間を1時間以上も遅れ、2時前に始まった。途中、待合室のようなホールで、いろんな招待客の方と歓談をしていたのだが、正直1時間半以上も立ち話をしているのも少々疲れる。インド式の結婚式はこれで3度目だというイギリス人の同僚は、式典が終わるとサッサと近くのパブに飲みに行き、丁度、披露宴の始まる前に、顔を赤くして戻ってきた。「インド式の式典で時間通りのものが進むわけないでしょう」としたり顔で言っていたが、それなら「俺も誘え」と思うのと「お前らイギリス人が人のことと言えるか」と思ったが、祝いの場なので、”I see.”で誤魔化した。

 披露宴は凄い人数だった。10人まで座れる円卓が25個置いてあったから、250名近くが招待されていた計算になる。こんな結婚式に出たのは、日本ではファミリービジネスを営む高校時代の友達の披露宴以来だ。もっとも、インド出身の同僚によると、「インドでは参加者1000名を超える披露宴も珍しくない」らしいので、これでも少ないぐらいなのかもしれない。

(凄い数の招待客です)


 披露宴の形式は日本と似ていると言えば似ている。親や本人たち、そして友達のスピーチがあって、それに芸が加わる。ウエディングケーこのカットもある。違うのは、招待客も交えたダンスタイムがあることぐらいか?ヒンズー?(インドの)モダン音楽に合わせて、私も踊らせてもらった。とっても楽しいである。

(インドの音楽に合わせて老若男女踊らなソンソン!)


 デザートも含め一通りインド料理(もちらんカレー中心)の食事が終わった段階で5時半ぐらい。招待状には6時に終わるようなことが書いてあったが、6時半になってもとても終わりそうな雰囲気はない。むしろ、踊りの方がますます白熱する一方で、これからどうなるのだろうかと思った。しかし、廻りを見渡すと、三々五々に皆さん失礼している人もいて、踊り狂っている同僚を除いては、会社の同僚はいつの間にか、ほぼ引き上げていることが判明した。「こういうものか」と合点が行き、しばらく踊った後、新郎新婦に別れを告げ、帰途に着いた。(今日、その踊り狂っていた同僚に「何時までいたのか」と聞いたら、「9時までは居たがその後は良く覚えていない」とのことだった。帰って正解だった。)

 まあ、いろいろ興味深い結婚式、披露宴であったが、なにはともあれ職場の誰もから愛されているベストカップルとも言える新郎・新婦らしい、素晴らしい式だった。心から祝泊するとともに、「結婚式には新郎新婦のこれまでの人生全てが現れる」という私のつたない持論が、イギリスでもまったくもって当てはまることを確認した結婚式だった。

 ※余談だが、招待状は夫婦、カップル等の単位で配られているらしく、社内の私が今まで気づかないカップルが数組もいることに気づかされたのは、えらく衝撃的だった。「ええ、この人にこの人だったのか~」ってなかんじで。

 2010年7月18日
コメント
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