日々是好日

　昨夜の夢の名残りが、記憶の岸辺から潮が引くように遠ざかっていく朝。
　思考の砂浜に残された夢の欠片を、拾い集めて作り上げたジグソーパズルは、夢で見た風景には遠く及ばない。
　記憶に記されない夢たちは、どこへ行ってしまうのだろう。

　そんなとりとめもないことが頭に浮かぶ一日の始まりは、昨日やそれ以前の過ぎ去った日々と何ら変わりなく、静かに訪れ、私を現実に戻していく。

　曇り空の雲の隙間から弱々しく太陽が覗いては隠れ、そのまま厚い雲に覆われ、曇りの天気が確定する。
　午後からは雨の予報だ。

　気がつけば一日が、一週間が、早送りのビデオのように確実に流れ去ってゆく。
　引きこもり生活は、それ自体の非生産性や焦燥感を深く考えなければ、ストレスが発生しない分、それなりに快適だ。

　自身のやれる範囲でやるべきことは、定年退職の日までにほとんどやりつくした感がある。
　やり残したことは、考えられる範囲で、ないと言える。
　今はやりたいことがあればやり、やりたくないことはやらない、そんな気分で過ごしている。

　コロナ禍による巷の自粛ムードは、私にとってはこれ幸いの感がある。
　家でゴロゴロしていても文句のひとつも出ない。
　精神衛生の面では今が一番充実しているように思われる。

　今度の日曜日のダービーに向けての、ネットでの情報収集が目下のささやかな課題だ。

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