統計と確率、そして勘と運

　引きこもり年金生活における不安定ながらも唯一の収入源、競馬が当たらない。

　予想の方法は長年変わらない。
　統計論と確率論をベースに、自身の勘を隠し味に加えて、買い目を決定する。
　統計や確率のデータはネットからわりと簡単に抽出できる。

　自身の勘は、長年の競馬における学習から導き出される。
　その学習のもとになるのが、後悔と反省だ。

　人間誰しも数えたらきりがないくらい後悔し反省する。
　あれを買わず、こっちを買ったらよかった、あの予想は間違いだった、あれは自分が馬鹿だった、と落ち込み、それを後々まで引きずることもしばしばだ。

　後悔は無駄、反省は無意味と割り切り、学習という形で記憶するのが一番だ。
　統計と確率、そこに学習という記憶が合わされば天下無敵だ。

　しかしこの記憶というのがなかなか難しい。歳を取ればなおさらだ。
　覚えたはいいが、取り出す段になって、どの記憶のファイルにしまったか忘れているのか常だ。
　そしてレース結果が出たと同時に思い出すものだ。

　それを予想の段階で思い出せていたら、今まで涙をのんだ惜敗が快勝に変わっていたことだろう。
　そこには運という、自分ではコントロールできない要素が存在する。
　
　

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