男は黙って豚肉

　その昔、狂牛病が流行り、牛丼の吉野家から牛丼がなくなった時期があった。
　その代替品として豚丼が登場し、今もしぶとく併存している。
　しかしそのオーダー比率は微々たるものだろう。
　牛丼屋としても、また万が一にも狂牛病が発生した時の保険程度の認識だろう。

　牛丼には圧倒的優位を許している豚肉だが、カツや生姜焼き、角煮などは豚肉の天下だ。
　スペアリブやチャーシュー、ㇵム、ベーコン、餃子や焼売もそうだ。
　ビフカツはまだしも、牛肉の生姜焼きや角煮など、定食屋や居酒屋のメニューで見かけることはない。
　中華料理で使われるのもほとんど豚肉だ。

　肉にも適材適所、向き不向きがあるようで、その点から見ると豚肉のほうが使い勝手がいいようだ。
　ちなみに牛肉の代表的な料理といえば、牛丼以外では、ステーキ、ローストビーフ、すき焼きなどが思い浮かぶ。

　そう見ると、牛肉はチョイと高級、豚肉はリーズナブルといえそうだ。
　天邪鬼の私としては、牛肉の生姜焼きや角煮など食べてみたいものだ。
　結構、旨いと思うけどね。
　
　

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We must change !

　信念を貫き通す、何事にもブレない考え、などが美徳のように言われるが、果たしてそうだろうか。
　女心と秋の空、というのはコロコロと変わりやすい女心の揶揄だが、それは女に限らず人間一般に言えることだ。
　心変わりや、朝令暮改は悪いことなのだろうか。
　臨機応変、当意即妙という言葉があるように、状況によって考えを変えることも必要だ。

　夫婦関係も長く続けると、以前はこうだったのに、ああだったのに、そんなことは言わなかったのに、しなかったのに、などとお互いに言い合うことも珍しくない。
　新婚当時のまま、何も変わらず仲睦まじい夫婦がいったいどれほど存在するだろう。

　人間の考えなど、状況や影響によって、日々変化して当然だ。
　良かれ悪しかれ、それを成長というのだ。
　へんこな信念など遺棄して、ブレにブレまくったらいいのだ。
　お互いにその変化を認めてこそ、夫婦関係は成り立つのだ。

　心に秘めた優しさ、柔軟な対応を、断つことなく持ち続けることが大切だ。
　それを私は優柔不断と言おう。
　

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あなたの秋はどこから？

　彼岸の今日この頃、やっと秋めいた感がある。
　人それぞれに秋を感じる瞬間というのがあると思う。

　たとえば、頬を撫でる涼風や日蔭の思わぬ肌寒さ、朝の洗顔時の水のひんやり感、風呂上がりの発汗の減少、もっと鈍感なら、ひらひら舞う落葉、秋の長雨などなど…。

　私が秋を感じる瞬間は、朝のトイレの便座の冷たさに、ふと腰を浮かしかけた時だ。
　それまで心地よかった夏の便座の冷たさが、ある日キュンと小さな寒気を催すほど冷たく感じた時だ。

　昔、あなたの風邪はどこから？という風邪薬のCMがあった。　
　それになぞらえると、あなたの秋はどこから？
　私の秋は頬から。私の秋は手から。いいえ、私の秋はお尻から、となりそうだ。

　奇しくもCMの風邪薬はベンザブロック、便座に通じているではないか。
　

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