次に紹介したいのは、グラフですが、人間国宝シリーズの「氷見晃堂」と日本の美術6の「正倉院の木工芸」

指物をする人が必ずと言って良いほど一度は通る道なのかもしれません。
毎年秋に開催される正倉院展に通うようになったのも1982~3年から。
実際に見た物か、本の写真で見た物か記憶は定かではありませんが、近くの材木屋で見つけた緑がかった黄蘗の縮杢の板と正倉院にある床脚付きの箱のイメージが重なり、床脚付きの小箱を作り京都府主催の「工芸美術展」に何もわからないままに出品したのが1985年だったと記憶しています。

もう一つのグラフの氷見晃堂は、独学の指物師と言われていたこともあって大変憧れ、学び取れるものはすべて学び取ろうと関係する書籍から新聞の切り抜きまで集めまくりました。

作品の図録は「いつかは自分もこのような作品を作って見たい」と折に触れ眺めていました。
中でも、桑の八足の平卓が気に入り、これも近くの黒田材木展で見つけた神代欅の板と重なり、見よう見まねで作ってみました。
2006年、日本伝統工芸近畿展に挑戦を始めた時、最初に制作して出品したのはこの神代欅平卓でした。

第35回日本伝統工芸近畿展図録より。