木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

テーブルメンテナンス

2013-08-13 00:18:35 | 木工
5年前に制作したテーブルが、メンテナンスのため帰ってきました。
依頼主のIさんのご主人の海外転勤に伴い引っ越しされるのでそれを機会に一度メンテナンスして欲しいとの事。
主な問題点は、固定のネジが入らないと言うことでした。


漆が透け、だいぶ明るくなっていましたが、大変きれいに使って頂いているのがわかりとてもうれしく思いました。

ネジを確認する前に、大きな問題点を発見。

蟻桟が痩せ、手でも外せる状態になっていました。
蟻桟は天板の反りを止めるために入れるので、蟻桟が多少痩せても天板に食い込むのですが、
このテーブルは天板の反りが全くなく、そのために桟の痩せがそのまま緩みになってしましました。


蟻部に0.5mm厚のタモの突き板を貼りました。
糊が乾いてから嵌めてみましたがそのままでは入らず、蟻作理で削って調整し、叩いて固めに嵌めました。
どのくらいの痩せか計算してみました。
削った後の突き板の厚みを0.3mmとすると、桟の幅が60mmほどありますから、
痩せは0.3/60で、1/200、つまり0.5%の痩せということになります。
蟻桟の緩みにはビックリしましたが、この値を見れば乾燥した材であってもあり得ることです。
なにか別の対策を考えないといけませんね。

蟻残を修理したところで脚の確認。

こちらは座卓用の畳摺りをはめたところ。OKです。


テーブル用の板脚。
このつなぎが制作時に反りや痩せを一番心配した箇所です。


特に問題なくネジも固定できました。
Iさんがネジが入らなかったのは、おそらく左右の脚を逆に嵌めたためではないかと思われます。
ねじ穴の間隔が左右で微妙に異なり、逆に嵌めてみると、一方の穴の位置がずれていました。
どちらに嵌めたら良いか、マーキングをしておきました。

Iさん、ありがとうございます。後日京都のご実家の方にお届けします。

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工房の片付け

2013-08-10 22:10:01 | 工房
この機会に久しぶりに工房の片付けをしました。


片付け前はこんな状態。
いわば端材の中に機械が埋もれていて、機械を使う度に、端材をあっちへ移動、こっちへ移動・・・。



入り口をふさいでいた横切盤の向きも変えてみました。



それに伴い、棚の位置も移動。更に上に棚を付け加えました。



埋もれていた機械が姿を現し、どこかよその工房に行ったような気分です。
これで能率良く、気持ちよく仕事ができそうです。

それにしても今日の暑さは格別。工房内の温度も35℃。今年一番の暑さでした。
昼までに汗で全身ずぶ濡れ状態。2回着替えをしました。
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座卓脚延長

2013-08-08 21:43:57 | 木工

座卓の延長用の脚の真塗りが仕上がり、接続をしました。
底面にはあらかじめフェルトを張っておきます。


天板の表面に蒔絵のある座卓。これの脚を継ぎます。


あまり違和感なく継ぐことができました。
一昨日納品し、大変喜んでいただき、ホッとしました。



こちらは三線の拭漆。思ったより時間がかかってしまいましたがようやく完成。


Iさん大変お待たせしました。明日発送させていただきます。



仕事が一段落したところで、工房内の整理に取りかかりました。
いろいろな材の端材が増え、それが工房内の場所をとっていたので作業がとてもしにくくなっていました。
本当は倉庫を建て直したいのですが、時間がないので、スチール物置を使うことにしました。
ちょうど近所のホームセンターで半額セールをやっていたので早速購入。
構造用合板で中に細かく仕切りを作り、材ごとにある程度分類して入れました。
どんな材があるか一目でわかり、取り出しもしやすくなりました。


だいぶ片付きましたが、もう一台欲しいところです。
暑い中ですが、しばらく片付けが続きそうです。

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東京へ

2013-08-06 22:20:02 | その他
追分を出発し、途中かなりの渋滞に遭いながらも、夕方東京着。

翌日は、まず青山の「伝統工芸青山スクエア」へ

ここで開催中の、「和くらし大好き ~輝け若手女性職人展~」をのぞいて見ました。


今年の近畿展で知り合った、飯山さんも参加されていました。
良い作品から売れてしまったようですが、素朴な味わいの作品には心惹かれるものがあります。


この日は江戸指物の方が実演をされていました。
抽斗の側板に溝を鑿と毛引きで突いている様子を興味深く拝見しました。
もう一人女性で江戸指物に携わっているOさんに、江戸指物についていろいろお話しをうかがうこともできました。


次に行ったのは、パナソニック汐留ミュージアムで開かれている、「幸之助と伝統工芸」
松下幸之助が集めた茶道具と、近畿を中心とする人間国宝の作品が多数展示され、大変見応えがありました。
これだけの作品を一度に見られる機会はあまりないと思います。
特に印象に残ったのは、楽宋入の黒茶碗「毛衣」。
茶道具がわかるわけではありませんが、ゆったりとしたその雰囲気と美しさにとても感動しました。

木工芸の作品はあまり数はありませんでしたが、黒田辰秋作の「欅拭漆飾棚」は、制作過程の映像も放映されていました。
若き黒田乾吉先生も登場し、懐かしく拝見しました。
当日は、「世界で一つだけの竹の花かごを作ろう!」というワークショップも開催され、近畿支部でお世話になっている田辺小竹さんが講師をされていました。
子ども達対称のワークショップでしたが、無理を言って会場に入れていただき、子ども達の竹かご制作の様子を見せていただきました。
田辺さん、おじゃま致しました。


翌日は、今回の東京行きのメインの仕事。

この板の切断です。
この板、大きさが幅1.5m、長さ2.5mというとてつもない大きさの楠の板。もちろん一枚板です。
板の上に乗っている定規は2mの長さです。
柳橋の料亭の大広間の床の間に使われていた板です。
ここで育ったYさんから、懐かしいこの板でテレビラックを作って欲しいと注文をいただきました。
こんな板を切ってしまうのは忍びないのですが、Yさんのお気持ちを汲みお引き受けしました。
この大きさでは運ぶこともできないので、今回木取りをすることになったというわけです。
とても一人で扱える重さではないので、6月の二人展でも手伝ってもらったM君に埼玉から助っ人に来てもらいました。
M君、暑い中お世話になりました。



持参した丸鋸で、幅50cm、3枚に切りました。
車に乗せて帰るにはちょっと無理があるので、梱包して後日送ってもらうことにしました。
駆け足の5日間でしたが、これで予定もすべて終了し、4日の夜京都へ戻ってきました

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信州へ

2013-08-05 23:04:27 | 故郷信州にて
7月31日、信州へ向けて出発。
第1の目的は、納品


書道用の文机と椅子は、中学校時代の同級生、Oさん宅に納品させていただきました。
気に入っていただきとてもうれしく思いました。


机の前に掛かっているのは、Oさんの書道の先生が書かれた般若心経。
Oさん、すっかりお世話になり、ありがとうございました。
その他、Sさんに真塗りのお膳、Kさんに以前お納めした書道用文机への抽斗の追加取り付けなど、
無事済ませることができました、

翌日は、実家の庭の草刈り、誰も住んでいない実家は庭の草も伸び放題。
朝から昼までかかって草はきれいになりましたが、庭の松や高野槙、樅なども伸び、
今年の秋には木を切りに、また帰らなければならなくなりそうです。
午後はお墓の掃除。


終わる頃は夕日がとてもきれいでした。


翌日は、追分の宿へ。

目的はこの旧油屋旅館。あの堀辰雄が良く使っていた旅館です。


ここに、ルーサイトギャラリーが夏中出店しているのです。
昨年に続き2回目の訪問です。


今回は「ちょっと古い器展」 


素敵な器が並べられていました。
片隅に小生の、栃赤漆ぐい呑みも置かせていただきました。
オーナーのYさんからいろいろお話しをうかがい、楽しい時を過ごすことができました。
その後、次の目的地、東京へ向かいました。

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