「小児用板バネについての一考察」
前から悩んでいて、混乱していて一部の方々に大変なご迷惑をおかけしているわけなんですが。
ご意見をいただき、自分なりに考えたのですが、いまだに納得がいかないようなところがあるようなので、それがなんなのかを自問自答することにしました。
いろいろ整理してみました。
そして、やはり書き留めておきたいと思いました。
では、はじめます。
「小中学校の体育で板バネを使う」事は義務教育の範囲に含まれるため、福祉の対象になる可能性があるようです。
ですから、話し合いや環境設定の工夫を努力するつもりがあれば「特例補装具」を申請し交渉することができる。たぶん不可能ではない。ただ、自治体ごとの裁量範囲になるみたい。
ただし、高額な税金を使う判断なので
①親や学校の協力が必須で、給付後使い続ける保証があること。
②その板バネを付けて実際に走れること。
の二つは最低限クリアする必要があるというのが一般的な見解のよう。100万以上の税金を使って「やっぱり使いません」ではいけないというのがその理由です。
→
ここで、何点か。
我が自治体の義肢装具の交付判定の実質的な判断者の見解に近いですが、具体的にはもう少し言い方が厳しい。
①については、実際に部活動などで使わないと「定常的に」使用しているとはみなせないという。
②については、「実際に走れる」という判断をどこでするかという問題。誰がみても走れるようにみえればいいのか。それとも協議会参加標準記録を超えなきゃいけないのか。
役場としてはなにか数字をもとめるんでしょうね。
次、自費でフレックスランをレンタルして、3~6ヶ月、週3回程度家族で走る練習をすれば「板バネで走れる状態」になれるかも。
そうなれたら、その時点で申請に臨むことになる。
そうする選択肢があるから、無理に制度を変える必要はない。
→
これも、いうは易し なんですが。
今の娘の小学校には実は陸上部がない。つまりは前段の①がクリア不能。
だから、地元の担当者の言い方を素直に受け止めると、小学生の間は支給申請は無駄ということになります。
さらに続きます。
これは、陸上走行会を企画していただいている先生の見解なんですが(^^;;
レンタル費用が辛いのであれば、板バネメーカーさんが試用に付き合っていただける限りは走行会などで他の子とシェアしながら地道に練習すれば良い。こちらでも、いつかは走れるようになるかも。
つまりレンタルは「習得を早めるための方法」と考えるべき。
つまりは、
1:レンタル代と練習時間というコストを支払って早期に走れるようになる道を目指すか。
2:メーカーさんの今の姿勢を前提とすると、現状で月一回程度の練習を続けてマイペースにやって行くか。この二つを選べるのではないか。という意見も頂いています。
→
月に一度の遠方の走行会に、予定を調整して参加しても、バネ義足を借りれるのは一時間くらいが限度。月に一回、その短時間では思い出すだけで終わります。 また、娘にあったバネ義足のセッティングも難しい。膝の角度調整用の部品もないしね。
レンタルをしたって、日常用の義足の膝下を付け替えるだけでは、バネの機能を最大限発揮できず、そもそも跳ねるという感じをつかむのさえ困難な状況。それが現実。
聞けば、本当はレンタルするなら膝や金具も自費で購入して、セッティングしたほうがいいらしい。
そうなると別に一セットそれ専用の義足を前のとしに履いていたソケットを無理ばきするか、仮ソケットを使うかして組み立てて保有しないと、難しい。
そもそも膝を曲げたまま固定って、素人に出来ないし(^^;;
鉄道弘済会のヘルエンをいつもみてくださっている義肢装具士さんやPOさんの意見がそうだった。そのためにわざわざ聞きに行ったが、やはり無視出来ない。
果たして、本当にこれでも、「現行制度を変えなくても、先天性下肢欠損に伴う小児義足使用者へパラリンピックに挑戦するための門戸が開けている」と言えるのか。
実際には選べるように見えて、実は選べないのではないか。
そして、走行会を企画するほどの推進派の方々が、そのことに気がつきにくいくらい、小児義足特有の問題の根は深いのではないか。
そういうことを感じました。
こんなことも言われました。
共働きで忙しく娘の練習に付き合う時間がなく、娘も習い事が多くて走行練習の時間が取れないような我が家のような状態ならば、そこがクリアできるかどうかがカギ。
練習時間を取れないならば、そもそも給付されても板バネを使えない。
→
これも、なんというか。
走ることに容易にチャレンジできる環境があり、娘がチャレンジするうちに「本格的にやりたい」と言い出してはじめて、普通は競技への練習体制をつくるのではないかと私は考えている。走るということが未だに掴みきれず、楽しいとも思いきれず。興味を持った程度でそんなに真剣に取り組んだら、逆にそれは親の押しつけであろうし、そんな状態では、もし仮に中学になり陸上部があったとしても自分から陸上部などに入るはずもない。
だから、「走れるようになり、定常的に使う状態がないと支給はできない。」という現行制度自体が問題だと思うのだ。
はぁ。
難しい。こんなこと。本当は提案し続けたくないし、あきらめた方が楽です。
今更たぶん、我が娘は間に合わない可能性も高いし、娘のためにならないかもしれない。
小学四年前後くらいまでにバランス感覚は出来上がるらしいです。つまりはその前にいかにバネ義足に馴染み慣れておくかが、小児からバネ義足を使いこなすことの優位性を高める最善の方法だろうに。そうなるとすでにわが娘は少し遅いんでしょうね。
でも敢えて提案しようと思います。やはり、わかって欲しいから。
完全にではなくてもいいけれど、患者家族の立場や声をわかって欲しいから。
とくにパラリンピックを熱心に推進している方々にはわかって欲しいなと思うのです。だって他にいいそうな患者家族、みあたらないもの。たしかにこんな思いまでして、どうしても陸上やりたいって先天性下肢欠損のこどもは言い出さないもの。
すこしでも関係者の皆様に伝わるところがあればうれしく思います。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。
追伸
我が娘はまぁ。
いまは陸上競技への関心は薄い。
たぶんそれよりよほど、音楽、美術だろうし、運動にしても合気道への関心が勝るかもしれない。
だからして、もしかしたら娘さんには今更の話かもしれませんけどね。
…>_<…
前から悩んでいて、混乱していて一部の方々に大変なご迷惑をおかけしているわけなんですが。
ご意見をいただき、自分なりに考えたのですが、いまだに納得がいかないようなところがあるようなので、それがなんなのかを自問自答することにしました。
いろいろ整理してみました。
そして、やはり書き留めておきたいと思いました。
では、はじめます。
「小中学校の体育で板バネを使う」事は義務教育の範囲に含まれるため、福祉の対象になる可能性があるようです。
ですから、話し合いや環境設定の工夫を努力するつもりがあれば「特例補装具」を申請し交渉することができる。たぶん不可能ではない。ただ、自治体ごとの裁量範囲になるみたい。
ただし、高額な税金を使う判断なので
①親や学校の協力が必須で、給付後使い続ける保証があること。
②その板バネを付けて実際に走れること。
の二つは最低限クリアする必要があるというのが一般的な見解のよう。100万以上の税金を使って「やっぱり使いません」ではいけないというのがその理由です。
→
ここで、何点か。
我が自治体の義肢装具の交付判定の実質的な判断者の見解に近いですが、具体的にはもう少し言い方が厳しい。
①については、実際に部活動などで使わないと「定常的に」使用しているとはみなせないという。
②については、「実際に走れる」という判断をどこでするかという問題。誰がみても走れるようにみえればいいのか。それとも協議会参加標準記録を超えなきゃいけないのか。
役場としてはなにか数字をもとめるんでしょうね。
次、自費でフレックスランをレンタルして、3~6ヶ月、週3回程度家族で走る練習をすれば「板バネで走れる状態」になれるかも。
そうなれたら、その時点で申請に臨むことになる。
そうする選択肢があるから、無理に制度を変える必要はない。
→
これも、いうは易し なんですが。
今の娘の小学校には実は陸上部がない。つまりは前段の①がクリア不能。
だから、地元の担当者の言い方を素直に受け止めると、小学生の間は支給申請は無駄ということになります。
さらに続きます。
これは、陸上走行会を企画していただいている先生の見解なんですが(^^;;
レンタル費用が辛いのであれば、板バネメーカーさんが試用に付き合っていただける限りは走行会などで他の子とシェアしながら地道に練習すれば良い。こちらでも、いつかは走れるようになるかも。
つまりレンタルは「習得を早めるための方法」と考えるべき。
つまりは、
1:レンタル代と練習時間というコストを支払って早期に走れるようになる道を目指すか。
2:メーカーさんの今の姿勢を前提とすると、現状で月一回程度の練習を続けてマイペースにやって行くか。この二つを選べるのではないか。という意見も頂いています。
→
月に一度の遠方の走行会に、予定を調整して参加しても、バネ義足を借りれるのは一時間くらいが限度。月に一回、その短時間では思い出すだけで終わります。 また、娘にあったバネ義足のセッティングも難しい。膝の角度調整用の部品もないしね。
レンタルをしたって、日常用の義足の膝下を付け替えるだけでは、バネの機能を最大限発揮できず、そもそも跳ねるという感じをつかむのさえ困難な状況。それが現実。
聞けば、本当はレンタルするなら膝や金具も自費で購入して、セッティングしたほうがいいらしい。
そうなると別に一セットそれ専用の義足を前のとしに履いていたソケットを無理ばきするか、仮ソケットを使うかして組み立てて保有しないと、難しい。
そもそも膝を曲げたまま固定って、素人に出来ないし(^^;;
鉄道弘済会のヘルエンをいつもみてくださっている義肢装具士さんやPOさんの意見がそうだった。そのためにわざわざ聞きに行ったが、やはり無視出来ない。
果たして、本当にこれでも、「現行制度を変えなくても、先天性下肢欠損に伴う小児義足使用者へパラリンピックに挑戦するための門戸が開けている」と言えるのか。
実際には選べるように見えて、実は選べないのではないか。
そして、走行会を企画するほどの推進派の方々が、そのことに気がつきにくいくらい、小児義足特有の問題の根は深いのではないか。
そういうことを感じました。
こんなことも言われました。
共働きで忙しく娘の練習に付き合う時間がなく、娘も習い事が多くて走行練習の時間が取れないような我が家のような状態ならば、そこがクリアできるかどうかがカギ。
練習時間を取れないならば、そもそも給付されても板バネを使えない。
→
これも、なんというか。
走ることに容易にチャレンジできる環境があり、娘がチャレンジするうちに「本格的にやりたい」と言い出してはじめて、普通は競技への練習体制をつくるのではないかと私は考えている。走るということが未だに掴みきれず、楽しいとも思いきれず。興味を持った程度でそんなに真剣に取り組んだら、逆にそれは親の押しつけであろうし、そんな状態では、もし仮に中学になり陸上部があったとしても自分から陸上部などに入るはずもない。
だから、「走れるようになり、定常的に使う状態がないと支給はできない。」という現行制度自体が問題だと思うのだ。
はぁ。
難しい。こんなこと。本当は提案し続けたくないし、あきらめた方が楽です。
今更たぶん、我が娘は間に合わない可能性も高いし、娘のためにならないかもしれない。
小学四年前後くらいまでにバランス感覚は出来上がるらしいです。つまりはその前にいかにバネ義足に馴染み慣れておくかが、小児からバネ義足を使いこなすことの優位性を高める最善の方法だろうに。そうなるとすでにわが娘は少し遅いんでしょうね。
でも敢えて提案しようと思います。やはり、わかって欲しいから。
完全にではなくてもいいけれど、患者家族の立場や声をわかって欲しいから。
とくにパラリンピックを熱心に推進している方々にはわかって欲しいなと思うのです。だって他にいいそうな患者家族、みあたらないもの。たしかにこんな思いまでして、どうしても陸上やりたいって先天性下肢欠損のこどもは言い出さないもの。
すこしでも関係者の皆様に伝わるところがあればうれしく思います。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。
追伸
我が娘はまぁ。
いまは陸上競技への関心は薄い。
たぶんそれよりよほど、音楽、美術だろうし、運動にしても合気道への関心が勝るかもしれない。
だからして、もしかしたら娘さんには今更の話かもしれませんけどね。
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