Chun日記~両足脛骨欠損症の娘をもった父親の育児&子育て奮闘日記

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「消せる色鉛筆」--- 我が戦友

2014-10-16 00:01:41 | お気に入りの「その他」
今年初めからお世話になっている 雑誌RATの編集長である、北野玲さんが色鉛筆についてのエッセイを書いているとのこと。
なんでも本を出すんだとか。

Facebookで製作過程を読ませていただいているうちに、ふと思い出したので、私も書いてみたいなと思いました。
私の色鉛筆談。

まぁ REIさんほどには興味を引く内容ではないけれど。懐かしく思い出したので。(^^;;
乱文失礼(^^;;

では、書いてみますね。




「消せる色鉛筆の衝撃」



「消せる色鉛筆」 - 我が戦友


私は土木が専門である。
今はもう電子化が進んで久しく、図面を手書きすることは少ないけれど、私が職場に配属された当初は、図面はほとんどみんな手書きだった。
工事や業務委託の内容変更につけられている図面。それらの説明図面には、赤色と黄色が多用される。
変更する部分は赤色、変更する前や廃止する部分は黄色で塗ると決まっていて、配属された当時、何十枚もある図面に色ぬりばかりしていた。複雑なものをシンプルに説明する資料を作る時には、もっとたくさんの色分けをする。間違えてしまうと、元図面から新しく印刷をし直す手間をかけなくてはならない。当時、娘が生まれたばかりで残業が出来ず、ただでさえ周りに迷惑をかけていた私にとって、その作業はきつかった。残業は出来ない、ミスは許されない。ものすごいプレッシャーの中、それこそ冷や汗をかきながら作業したものだ。


その作業が、ある文房具の出現で一変する。「消せる色鉛筆」の登場である。まずは朱色だったろうか。町の文房具屋さんで初めて見つけた時には驚いた。
早速買ってみて仕事に使ってみた。
初めはなにも変わらないように思えた。でも、少し使っているうちに気がついた。間違えても綺麗に消せるということの、凄さを知った。作業のストレスが減り、思い切った作業が出来るようになる。すると効率が良くなりスピードも早くなった。結果としてミスも減ったように記憶している。やはり人間はストレスに弱い生き物なんだなと思ったものだ。
あのころの私にとって、天の助けとも言える衝撃だった。大げさではなくて、貴重な家族の時間を作るために奮闘していた私を助けてくれた道具なのである。


次の休み、黄色も是非手に入れたいと、大きな文房具店に行った。探して見ると、12色セットだけが売っていた。
当時、おそらくはあまり一般的でなく、私が店を知らなかったせいもあるかもしれない。探してみてもバラ売りは朱色だけ。その色鉛筆の黄色を手に入れようと思ったら、セットを買うしかなかった。当時、小遣いから捻出したなけなしの小遣いには、少し高かった。悩んだ末に購入。手にしてみたら、なんだかちょっと嬉しかった。「これで大丈夫」と目の前が明るくなった。


次の年度、私は異動でそうした作業をする仕事から離れてしまい、せっかく買った色鉛筆を使わなくなってしまった。そしてその頃から一気に電子化が進み、あっという間に図面はほとんどがCADの時代。いつのまにか、「消せる色鉛筆」の出番もなくなってしまった。


埃をかぶった色鉛筆は物置にしまいこまれ、忘れ去られた。心の片隅でもったいないなと思っていたら、引越しの時、偶然娘と見つけた。ちょうど娘は保育園、お絵描きが大好きだったころ。はたして「消せる色鉛筆」は娘のお絵描き用に使われることになった。少し水を含ませたティシュで伸ばすと綺麗に伸びる。そんな特性を生かして遊んだりもした。
いつだったか、夜中に娘の勉強の丸付けをしていて、丸だったのを勘違い。ばつをうってしまった。冷や汗。その時、使っていたのは偶然にも「消せる色鉛筆」。あぁ良かった。何食わぬ顔で綺麗に消して書き直す。そんなこともあった。


「消せる色鉛筆」。
私にとっては、娘が産まれてから数年。人生でたぶん一番、仕事できつい思いをした時期に私を助けてくれた戦友のような。思い入れのとても大きい一品であり、文房具の進化を感じた商品なのである。(2014/10/16 一部校正)





コメント (2)
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