Chun日記~両足脛骨欠損症の娘をもった父親の育児&子育て奮闘日記

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my.place「我が家について」

2016-05-23 00:09:19 | 家つくり
「MY PLACE」我が家について

隔月刊誌「RAT」23号に寄稿するために、並行して三つエッセイを書いていて。
今回は二つを寄稿することに決めた。
もう一つは、ブログに掲載しよう。


my.place「我が家について」
悩み抜いた形がここにはある。
それでは、読んでください。
お願いしまーす。(^O^)


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今の自宅を建てるため、実に様々なことを考えた。遺しておこう、将来のために。

娘が両膝離断をしたあと、どのレベルまで歩けるようになるか未知数だった。家の中では義足を履くのか履かないのかも未知数。女の子なので妊娠したら車椅子になることも想定した。そうなると必要なのは何かを考えた。

玄関を入ったら段差がない家。
廊下が広く全て引き戸の家。
二階にはエレベーターで上がれる家。
車椅子でも義足を履いていなくても、両方に対応できるお風呂や洗面、キッチン。
階段には三段階の高さの手すり。
お風呂には義足を脱いだ娘が移動しやすいように特別に設計された手すりと浴槽、小階段があるようにした。
お風呂や洗面の床は、断端が痛くないようにコルクタイルにした。
スイッチやトイレの手すりは義足を脱いだ状態や車椅子の状態、立った状態の3パターンを考えた。
ベランダは広くして車椅子でも洗濯物が干せるようにした。
道路から玄関までの段差は、必要があれば屋外用の段差解消昇降機が設置できる余地を遺した。

そんなことを考えながら。
さらにそこに様々な要望を詰め込んで設計。要求水準が高すぎて、ハウスメーカーには断られ。建築についての勉強会に参加したことから知り合った建築士さんに出会い、運命を託した。

設計に入るまでに半年以上。
設計に入り1年くらいは話をしたでだろうか。あまりの要求の多さに温和な性格の建築士さんにも呆れられた。自らいろんなことを主体的に決めていくわがままを、現実化するお手伝い。最後までつきあっていただいた建築士さんには頭が上がらない。

施工を担当した現場監督さんにも、ご迷惑をおかけした。契約してから一つづつ、工程ごとに材料を比較してはコストカットができないかを毎回検討していただいたおかげさま。最後にはなんとか当初想定の予算内になり、みんなで驚いたのを覚えている。

そして施工。
基礎工事や大工の階段工事のやり直しを含め、毎日のように現場を見ながらいろいろ教わった。住処ができていく過程を、あんなに身近に感じ、あんなに親身に考えていただけたこと。忘れない。
現場作業責任者の方々の活躍により、念願の自宅ができたときには涙が溢れて止まらなかった。自宅竣工から六年。改めて素敵な家を建てていただいたことに、本当に頭がさがる。

実は結果的にはこれらの工夫。
かなりの部分は取り越し苦労で終わりつつある。想像していた遥か上を、娘は楽々とクリアしてしまう。嬉しい誤算である。
しかしながら、我が家ができるまで。考え尽くした様々なアイディア。いつか他の誰かに役立つ日がくればと思うから。いつか形に出来るかな。我が家の工夫まとめてみたい。

お姉ちゃんも小学六年生。
もう少ししたら、いろんな意味で時間が出来るのかな。

コメント
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