先日横浜出張の折、見つけた古本屋さんで手に入れた富士古文書資料「神皇紀」、現在少しずつ読んでおりますが、なかなかの難物です。本自体は昭和59年の出版なのですが、中身は大正10年の復刻版で、仮名遣いや漢字が旧いままなうえ、ややこしい神様の名前にルビがふってなかったりするもので、いちいちそれを調べたりしているので、遅々として先に進めないのです。とはいえ、まださわりではありますが、中身はまあまあ面白く、先々読みこんでいけば、あるいはネタになりそうな何かが見つかるかもしれませんので、それを楽しみに今しばらくがんばってみようと思っています。
ところで、もう一冊、暇つぶしに軽く読んでみようと同じ店で買った文庫本があります。ちょっと都市伝説というものに興味があったこともあり、手にしたのが『渋谷伝説』(福谷 修著 竹書房文庫)という本です。裏表紙の紹介に曰く、『童謡「サッちゃん」に隠された真の意味を始め、さまざまな”都市伝説”を紡いで繰り広げられる〈心霊都市伝説恐怖譚〉。』とまあなかなか振るった文句で、興味を引かれたのでした。ただ、買ってから気づいたのが、これが映画先行の小説本だったこと。ホラー映画のノベライズは前に大変つまらない思いをしたことがあったので不安が募りましたが、どうもその不安は的中したみたいでした。
ぜんぜん怖くない。
内容が滑稽ですらあり、何が面白いのかさっぱり判らない。
あとがきまで読みますと、作者の方は小説の出来にまずまずの感触を持っておられるようで、「映画と同じでも、より小説として想像することで恐怖度がアップするように工夫を凝らしたエピソードもある」とか、「単体としても一風変わったテイストのホラー小説に仕上がったのではないかと思う」とか書いておられます。映像を見てないので余計そう思うのでしょうが、どこを読めば恐怖度がアップしているのかよくわかりませんし、変わったテイストのホラー小説、というのは、怖くないホラーという意味なのか、と疑問符が浮かんでしまうくらい、私には理解の難しい話でした。結局裏表紙の煽りも大した意味は無かったみたいですし、都市伝説の何たるかも、期待したほどの内容もありませんでした。古本屋さんで半額セールで買ってなかったら、きっとかなり後悔していたでしょう。
ただちょっとだけ気になるのは、ひょっとして私の感性がどこかずれていて、いまどきの若者の感性では、この本は十分怖いものだったりするのではないか、という疑問です。私は小野不由美や貴志祐介の小説では、行間から底知れぬ闇があふれ出てくるのが見えるようで、ページを繰るたびとてつもなく怖い思いをしたものですので、ホラー小説において恐怖に麻痺している、ということは無いはずなのですが、そもそもの感性がずれているとすれば、楽しめないのもやむをえないことなのかもしれません。
まあ、他の方はどうあれ、私にとってはあまり娯楽の対象にもならなかった小説ということになります。作者の方には申し訳ないですが、早々に処分させてもらうことにいたしましょう。
ところで、もう一冊、暇つぶしに軽く読んでみようと同じ店で買った文庫本があります。ちょっと都市伝説というものに興味があったこともあり、手にしたのが『渋谷伝説』(福谷 修著 竹書房文庫)という本です。裏表紙の紹介に曰く、『童謡「サッちゃん」に隠された真の意味を始め、さまざまな”都市伝説”を紡いで繰り広げられる〈心霊都市伝説恐怖譚〉。』とまあなかなか振るった文句で、興味を引かれたのでした。ただ、買ってから気づいたのが、これが映画先行の小説本だったこと。ホラー映画のノベライズは前に大変つまらない思いをしたことがあったので不安が募りましたが、どうもその不安は的中したみたいでした。
ぜんぜん怖くない。
内容が滑稽ですらあり、何が面白いのかさっぱり判らない。
あとがきまで読みますと、作者の方は小説の出来にまずまずの感触を持っておられるようで、「映画と同じでも、より小説として想像することで恐怖度がアップするように工夫を凝らしたエピソードもある」とか、「単体としても一風変わったテイストのホラー小説に仕上がったのではないかと思う」とか書いておられます。映像を見てないので余計そう思うのでしょうが、どこを読めば恐怖度がアップしているのかよくわかりませんし、変わったテイストのホラー小説、というのは、怖くないホラーという意味なのか、と疑問符が浮かんでしまうくらい、私には理解の難しい話でした。結局裏表紙の煽りも大した意味は無かったみたいですし、都市伝説の何たるかも、期待したほどの内容もありませんでした。古本屋さんで半額セールで買ってなかったら、きっとかなり後悔していたでしょう。
ただちょっとだけ気になるのは、ひょっとして私の感性がどこかずれていて、いまどきの若者の感性では、この本は十分怖いものだったりするのではないか、という疑問です。私は小野不由美や貴志祐介の小説では、行間から底知れぬ闇があふれ出てくるのが見えるようで、ページを繰るたびとてつもなく怖い思いをしたものですので、ホラー小説において恐怖に麻痺している、ということは無いはずなのですが、そもそもの感性がずれているとすれば、楽しめないのもやむをえないことなのかもしれません。
まあ、他の方はどうあれ、私にとってはあまり娯楽の対象にもならなかった小説ということになります。作者の方には申し訳ないですが、早々に処分させてもらうことにいたしましょう。