さ、寒い……。
気温自体は、ついこの間のことを思えばさ程下がっているわけではないのですが、ここ数日の高温に身体がすっかり慣れてしまったようで、僅かな気温低下が真冬の厳寒期のようにこたえます。明日以降更に気温が低下、雨風も増して体感気温は更に急降下する予定だそうですから、本当に風邪などひかぬように注意しなければなりません。と言いつつ、既に昨日から喉の調子がおかしく、いがらっぽくて難儀しているのですが。もうすぐ春がやってくるというのに、ここまで来て寝込んだりしては情けない限りです。なんとしても持ち直してつつがなく春を迎えないと!
こんな寒い日は、暖かい布団にもぐりこんで、本でも読んでいるのが幸せというものです。この間衝動買いした本のうち、1冊、というか1シリーズの感想を書いておきましょう。
本は、ハヤカワSF文庫「彷徨える艦隊」シリーズです。全6巻の予定で、現在5巻まで発刊されており、うち4巻を読み終えました。お話は、かなり未来の話。銀河を二分する2つの国家が、100年かけて宇宙戦争に明け暮れる日々、その戦争勃発当時、相手の奇襲攻撃を犠牲的精神で単身食い止めた1軍人が、脱出時の救命ポッドの故障で冷凍睡眠から目覚めること無く宇宙を漂い、たまたま通りかかった味方艦隊に回収・覚醒させられたところから話が始まります。軍人の名は、ジョン・ギアリー。100年前の英雄的行為から、ブラックジャック・ギアリーの令名をもつ伝説的偉人として、敵地深く侵攻した末窮地に陥った味方艦隊を救うため、獅子奮迅の活躍をする、というお話です。銀英伝とスタートレックを混ぜたようなお話、と私には感じましたが、色々と細かい設定が妙にリアルに作りこまれて、他の作品とは一線を画しています。たとえば、宇宙戦艦などの船は、光速の20%程度が最高速度で、通信や観測は光速を超える事がありません。敵が2光時離れていると、今、見えている敵の陣容や動きは2時間前の出来事で、現時点で敵が何をしているかは、2時間後でないと分からない、という話になっています。また、2光時離れていると、互いに全速力で接近したとして、会敵は5時間後になる、という具合です。通信も光速が限度なので、艦隊が広がってしまうと端の船に連絡をとるのに数分かかるタイムラグが生じたりします。では、どうやって銀河を渡っていくのかと言うと二つの方法があり、一つは、昔ながらの星系間を超空間移動するジャンプ航法、もうひとつは新しい技術ハイパーゲートを使う超長距離移動です。ハイパーゲートはワープよろしくかなり短時間に遠大な距離を移動出来ますが、ジャンプ航法は光よりは早いものの、星系間移動は数日がかりになる、という違いがあります。
まあそんなこんなで、英雄視されるのを嫌いつつも、艦隊を遥かかなたの味方の元まで無事帰りつかせるべく、100年前の今は失われた戦闘術で敵を翻弄しながら艦隊決戦を戦い抜く、というお話には、中々血沸き肉踊るモノがあります。
銀英伝との違いは、艦隊規模が2桁ほど小さいことと、戦闘艦の艦長にやたら女性が多いこと。また、戦闘機に該当する小型のものは存在せず、あくまで駆逐艦以上の艦艇で戦うところでしょうか。他にも色々あると思いますが、女性士官や旗艦に同乗する女性政治家との恋の鞘当てなどはいかにもアメリカドラマ的な要素に満ちておりますし、敵側が、特に前半はあまり詳細に描かれておらず、とにかく残虐で単純で稚拙な戦術で好敵手と言えるような者が出てこない事など、銀英伝の宇宙戦闘に慣れきっていると、ちょっと味気なさを覚えないでもないです。それに結構重要人物が簡単に戦死しますし、船も次々沈んでいきます。
まあ、後2冊、いよいよ本拠地が近づきクライマックスを迎えようというところです。ここでひとひねり、ふたひねりあれば屈指の宇宙戦争小説になりそうな気がするので、大いに期待しているところです。
気温自体は、ついこの間のことを思えばさ程下がっているわけではないのですが、ここ数日の高温に身体がすっかり慣れてしまったようで、僅かな気温低下が真冬の厳寒期のようにこたえます。明日以降更に気温が低下、雨風も増して体感気温は更に急降下する予定だそうですから、本当に風邪などひかぬように注意しなければなりません。と言いつつ、既に昨日から喉の調子がおかしく、いがらっぽくて難儀しているのですが。もうすぐ春がやってくるというのに、ここまで来て寝込んだりしては情けない限りです。なんとしても持ち直してつつがなく春を迎えないと!
こんな寒い日は、暖かい布団にもぐりこんで、本でも読んでいるのが幸せというものです。この間衝動買いした本のうち、1冊、というか1シリーズの感想を書いておきましょう。
本は、ハヤカワSF文庫「彷徨える艦隊」シリーズです。全6巻の予定で、現在5巻まで発刊されており、うち4巻を読み終えました。お話は、かなり未来の話。銀河を二分する2つの国家が、100年かけて宇宙戦争に明け暮れる日々、その戦争勃発当時、相手の奇襲攻撃を犠牲的精神で単身食い止めた1軍人が、脱出時の救命ポッドの故障で冷凍睡眠から目覚めること無く宇宙を漂い、たまたま通りかかった味方艦隊に回収・覚醒させられたところから話が始まります。軍人の名は、ジョン・ギアリー。100年前の英雄的行為から、ブラックジャック・ギアリーの令名をもつ伝説的偉人として、敵地深く侵攻した末窮地に陥った味方艦隊を救うため、獅子奮迅の活躍をする、というお話です。銀英伝とスタートレックを混ぜたようなお話、と私には感じましたが、色々と細かい設定が妙にリアルに作りこまれて、他の作品とは一線を画しています。たとえば、宇宙戦艦などの船は、光速の20%程度が最高速度で、通信や観測は光速を超える事がありません。敵が2光時離れていると、今、見えている敵の陣容や動きは2時間前の出来事で、現時点で敵が何をしているかは、2時間後でないと分からない、という話になっています。また、2光時離れていると、互いに全速力で接近したとして、会敵は5時間後になる、という具合です。通信も光速が限度なので、艦隊が広がってしまうと端の船に連絡をとるのに数分かかるタイムラグが生じたりします。では、どうやって銀河を渡っていくのかと言うと二つの方法があり、一つは、昔ながらの星系間を超空間移動するジャンプ航法、もうひとつは新しい技術ハイパーゲートを使う超長距離移動です。ハイパーゲートはワープよろしくかなり短時間に遠大な距離を移動出来ますが、ジャンプ航法は光よりは早いものの、星系間移動は数日がかりになる、という違いがあります。
まあそんなこんなで、英雄視されるのを嫌いつつも、艦隊を遥かかなたの味方の元まで無事帰りつかせるべく、100年前の今は失われた戦闘術で敵を翻弄しながら艦隊決戦を戦い抜く、というお話には、中々血沸き肉踊るモノがあります。
銀英伝との違いは、艦隊規模が2桁ほど小さいことと、戦闘艦の艦長にやたら女性が多いこと。また、戦闘機に該当する小型のものは存在せず、あくまで駆逐艦以上の艦艇で戦うところでしょうか。他にも色々あると思いますが、女性士官や旗艦に同乗する女性政治家との恋の鞘当てなどはいかにもアメリカドラマ的な要素に満ちておりますし、敵側が、特に前半はあまり詳細に描かれておらず、とにかく残虐で単純で稚拙な戦術で好敵手と言えるような者が出てこない事など、銀英伝の宇宙戦闘に慣れきっていると、ちょっと味気なさを覚えないでもないです。それに結構重要人物が簡単に戦死しますし、船も次々沈んでいきます。
まあ、後2冊、いよいよ本拠地が近づきクライマックスを迎えようというところです。ここでひとひねり、ふたひねりあれば屈指の宇宙戦争小説になりそうな気がするので、大いに期待しているところです。