かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

誤解というなら作品規制は止めて、販売方法などにこそ目を光らせるべきなんじゃないでしょうか?

2010-03-18 22:25:04 | Weblog
 巷を騒がす東京都の『青少年健全育成条例改正案』、漫画家の方々が反対声明を出したり、幾つか見た評論でも大抵批判内容だったりと日々悪評ばかり高まっているような感が有りますが、議会ではどうやら可決されるらしいという話も聞こえてきて、果たしてどうなることか、と気を揉んでいます。そんな中、産経新聞のネット版で、『「表現の弾圧ではない」 東京都が青少年健全育成条例改正案を説明
なるインタビュー記事が掲載されておりました。インタビュー相手は東京都青少年・治安対策本部青少年課という、この条例案の担当部署です。聞いた相手が部署であって個人ではないのですが、それなりに責任もって話をしたのでしょうから、多分課長なのでしょうか。
 内容は、その表題のとおり、巷にあふれる表現の自由を弾圧する天下の悪法だ、という評判に対し、それは誤解だ、と訴えているものです。
 冒頭に、規制の範囲を問われて、『非実在青少年の性描写をするのは駄目、それを成人が見るのは駄目といっているわけではない。』ということなのですが、これだけ読むと、今までの大騒ぎは何だったの? という気になります。しかしながら、その一方で、『通常のストーリーで必要な表現として描かれた性行為ではなく、強姦や近親者との性行為を肯定的に描くなど青少年の感性がゆがむような表現が規制対象となる。』とも言っており、血縁の無い和姦ならOKだけどそれ以外は駄目、と規制をかけてくる、という話です。古今東西、神話や伝説にも東京都が規制をかけたがっているような話はごまんとありますが、我らが祖先達の青少年時代は、感性がゆがんでいたのでしょうか? また、小説の場合は、漫画やアニメのように容易に視覚的認識が無く、知識の無い子供の影響は受けにくいからフリーパス、という話も、『青少年』の想像力の逞しさを過小評価していますし、「知識が無い」から影響が受けにくいなどと随分な物言いをなさっておいでです。このヒトは、自分が中高生だったころのキモチをすっかり忘れ果てているのかもしれません。
 一応、コミケに対して規制強化に乗り出すことは無い、と明言している点は多少は評価できるのかもしれませんが、条例案自体が解釈のしようで匙加減が可能という、実に恣意的運用に適した形になっているようなので、単に今、担当者がそう言ったからと言って言質を取ったとはいえないような気がします。
 私個人としては、ああいう隠微な世界が余りに表社会にあけっぴろげになりすぎているという気がしますので、それを再び闇の世界に回帰させ、一定レベルの知識と経験無しにはたどり着けないようにするというのは基本的に賛成です。その方が子供達の好奇心をより煽り立てることができますし、その好奇心によって醸成された感性こそが、次世代にブレイクスルーをもたらす原動力になりうると思うのです。でも、匙加減を誤れば全てがおじゃんになりかねないようなこんな条例には賛成できかねます。そもそも今までのその手の法律でしっかり取り締まれば目的は達成できるはずなのに、どうしてこんな上屋上を重ねる無駄をやりたがるのか、それが一番不思議です。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする