鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

耕作放棄地と芋、バイオ燃料②

2012年10月01日 14時15分47秒 | Weblog
前回に引き続き、鈴鹿ブレインヴィレッジの話題です。

耕作放棄地を開墾して生産されたサツマイモを活用して、食用だけでなく、エネルギー源としても活用しようという今回のプロジェクトです。

(写真は6月2日時の説明ボードです)

例として、食用に適しにくいイモについて、スライスしてチップ化し、それを燃料にするということで、そこから熱を電気に変換することが提示されています。そうすれば、理論上カーボンフリーの燃料になるので、地球温暖化に対しては問題はすくないということで考えられます。
現在は、どのくらいのチップの量で、どのくらいの熱量を出すことができるのかなどを調べていくということでしたので、それが進めば多様な活用法が検討されるのではないかと思います。

(当日展示されていた芋チップを燃やす窯です)

また、今回のイモ生産では、焼酎の生産も考えられているとのことで、それを考えると大人の燃料としてだけではなくて、燃料用エタノールとして活用することや、醸造段階の残渣を燃料や家畜の餌などに活用することはできないかなどの広がりもあるかもしれません。ただこの場合は、醸造と蒸留をするための施設が、鈴鹿市内にあることが必要なのではないかと考えますが。。。初期段階では、委託ということでいいのでしょう。
大切なのは、関心を持ち、どう活用するのか、みんなで知恵や意見を出しあっていく過程だと思います。


バイオ燃料つながりではBDF(バイオディーゼル燃料)について、三重バイオ燃料普及協議会さんが数年前からてんぷら油(植物油)の回収とBDF生産に取り組まれています。
三重バイオ燃料普及協議会 = http://www.earth-friendly-mie.jp/

BDFは軽油とほぼ同じように使える燃料で、ドイツをはじめとしたヨーロッパでの活用が広まっています。ただ、今のところ国内では法律の関係上、自己責任で使う以外は軽油に最大20%混合する形でしか販売することができず、協議会さんのほうでも出口の活用に困られていると聞きます。新型のエンジンなどでは利用しにくいと聞きますが、農作業用の機械などではどうなのかと考えるところです。
ちなみに、6月2日の際は大型の発電機を持ってこられていましたが、いわゆるディーゼル排ガス臭さを感じることはありませんでした。

BDFについては京都の市バスでの実証実験や、菜の花プロジェクトhttp://www.nanohana.gr.jp/
のような取り組みが全国に広がっていますから、こちらも耕作放棄地との関連などから参考になる事例だと思います。


一見すると、別々の取り組みのようですが、バイオマスというくくりで考えれば、どちらも同じ流れの中にあるものですから、自治体として考えるときは、やはり、どのような形でそれぞれをつなぐことができるのかということを、現場の方々も含めて考え、議論し、本格事業としてだけではなく、どんどん実験的に検討すればいいのではないかと思います。

他の件で市職員の方と話していた時に、「失敗をすると議会さんのほうから追及される」というようなこと聞きましたが、真剣にまちのことを思い、議会も含めてですが、いろいろな人たちと議論して考えられた企画について、少しの失敗で責める考えは私にはありません。逆に、そのような企画であれば、失敗も含めてシェアする気持ちになります。
しかし、失敗やリスクを恐れるばかり萎縮した政策になってしまい、議論して改善するよりも、殻にこもるようなことになることはするべきではないと思います。萎縮した結果、まちが活気づかないほうが、市民にとって大きなマイナスになるのではないでしょうか。その場合、いくら失敗は小さく見えても、本質的には大きな問題と思います。

話はそれましたが、ごみ焼却からも発電し実際のところは売電しているということから考えても、バイオ燃料の取り組みについて、そのような観点から考えられないかということがありますし、ハウス栽培での燃料として、農業全般での活用を考えて、自治体として支援するということがあってもよいのではないかと思います。
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耕作放棄地と芋、バイオ燃料①

2012年10月01日 13時15分11秒 | Weblog
先だって9月29日、耕作放棄地を開墾しそこにサツマイモを植え、それを食料、燃料など多方面に活用しようという鈴鹿ブレインヴィレッジの収穫祭にお伺いしていました。実はこの日、子供の運動会とダブルブッキングしてしまっていたので、子どもの運動会の開会式を見てから、会場の石薬師まで行き、また運動会に戻るという形でバタバタでしたが、行って正解でした。


写真は芋ほりの状況です。鈴鹿高専からきた親子の方々が、芋ほりをされています。僕も掘ったのですが、下手なのか、途中で‘パキッ’と折れること多数でした。このように折れた芋や、虫に食われた芋などを選別して、それを食用以外に活用するというのが、今回の事業の要点です。
この写真の状況を少し覚えていてください。
ちなみに、この企画に取り組まれている近畿大生物理工学部の鈴木高広教授が、来週のテレビ番組「夢の扉」で紹介されるようです。


さて、この畑について開墾後の芋の植え付けと、9月22日には草刈りにと参加させていただきました。


まず、6月2日の開墾時の芋の植え付けに際して、耕作放棄地についての取り組みや課題などを、現場でいろいろ意見交換をさせて頂きました(写真は、ビニール袋を活用した芋栽培の事例紹介です)。その時の農業員会事務局長との話では、鈴鹿市での耕作放棄地の取り組みについての課題を感じました。それを踏まえながら、今議会で常任委員会の調査事項にも取り上げたのですが、全国の取り組み事例を調べたり鈴鹿市での実情を聴いていると、耕作放棄地の取り組みは簡単な課題ではないこと、市内での課題の整理と対策の検討だけでもかなり大変なことがわかりました。

例えば、鈴鹿市の西部地域、とくに山麓部での大きな課題は獣害対策で、耕作しても獣害対策をする労力を考えると割に合わない実情があり、なかなか取り組みにくいということがあります。この課題が、鈴鹿川より東側の地域の耕作放棄地にあてはまるかといえばそうではありません。ということは、画一的な対策は非常に難しいということが考えられます。


次の写真は9月22日の状況です。ここで、もう一つ耕作放棄地の課題を目の当たりにしました。


これ、実は一番初めの写真と同じ場所です。
畝などまったく見えない状況です。はじめは鎌だけでいけるのじゃないかという話でしたが、トラクターを入れて、なおかつ草刈り機も活躍していました。畑の中でオナモミ(くっつきむし)が木のようになっていたりしている状況は、一度耕作放棄地となったところを、同じように畑に戻すにしても、非常に手間がかかるということを感じさせました。

このような状況を見てから、はじめの収穫祭の現場になるのですが、いろいろ話をさせて頂いていている中で、耕作放棄地への取り組みのためには、当たり前かもしれませんが、出口政策、そこでの生産物はもちろんですが、市内で生産される農産物全般について、単純に市場だけに任せるのではなく、自治体としての取り組みと連動させて、安定した収入を得られるような政策作りの必要を実感しました。

例えば、鈴鹿市では第2給食センターの計画が進んでいますが、このような学校給食への農林水産業品の活用は、安定した収入と連動させることに非常になじむものだと思います。また、地産地消や食育といった教育政策にもよいものであると考えれば、鈴鹿市は既存の農地だけでなく、耕作放棄地を開墾し、それらを整理し集約する形で、給食用の野菜の生産と連動させることが不可能ではないはずです。
給食のメニューありきではなく、市内でどのような野菜がどのような時期に生産・収穫が可能かを把握し、それを参考に生産量なども含めて給食食材の発注をする。生産物の価格については、市場価格ではなく定額の契約とすることが考えられると思います。逆に言えばそのようにしなければ、耕作放棄地を開墾し、そこを維持管理しながら野菜の生産を行うことは非常に難しいのではないかと思います。
残念ながら、以前地産地消推進委員会に出席した際、行政側がその点についての取り組みに積極的でない姿勢を感じました。

そのような視点からも、鈴鹿ブレインビレッジのみなさんの取り組みは参考になりますし、鈴鹿市としても耕作放棄地について検討していく中で、実証実験をしているということで、農業をはじめとした産業だけでなく、教育も含め横断的に考える素材として示唆に富んでいると思います。
耕作放棄地の話は農業従事の方だけの話ではなく、自分たちのまちの話なんだということを、子どもたちに伝えることはやはり大切だと思います。そこから、自分たちのまちの産業、自分の身の回りの環境を考えることが、次の時代を担う子どもたちに大切です。

②につづく
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