日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

TPPの裏で密かに行われる老後生活のビジョン無き年金改悪

2016-10-18 10:29:58 | 年金
今国会ではTPP法案が注目を集めている。しかし、その裏で高齢者だけではなく、将来必然的に高齢者にならざるを得ない、現役世代の老後生活にも深刻な影響を与える年金改悪法案が密かに決議されようとしている。

マクロ経済スライドは物価上昇時にその上昇額を物価上昇率より低く抑えるもので、インフレが続けばその分実質的な年金額を減らすことを目的としている。

しかし、日銀のインフレ目標はほぼ失敗が確実であり、インフレは見込めず年金額を減らすことができない。

そこで、今回①マクロ経済スライドについて、賃金・物価上昇の範囲内で前年度までの未調整分を含めて調整(2018 年4月施行)、②賃金変動率が物価変動率を下回る場合、賃金変動率に合わせて年金額を改定する考え方を徹底(2021 年4月施行)――の2つの改悪が実施される。

これにより年金生活者は、マクロ経済スライドだけでも物価上昇分を年金上昇でカバーできず年々貧困化を余儀なくされてきたが、今後は低賃金の非正規労働者や主婦パートが増え実質賃金が低迷又は下落すれば、それにつれ年金額は物価上昇してもかえって下落することになる。

その結果、このまま10年もたてば多くの年金生活者や新規に65歳に年金生活になる現役世代にとって、年金は生活を支える命綱としての役割を果たせなくなる。

しかし、政府は年金の改悪には熱心だが、高齢者にそれに代わる生活の糧を与えることには無策である。

ムダの温床で役にも立たないハローワークは働きたい高齢者にとっては何の役にもたたない。

定年制という時代遅れの制度で働く意欲も能力もある人材から職を奪い、長年生活を切り詰め負担しつづけてきた年金収入を何の過失もないのに勝手に削減し老後生活の要を奪いながら、働こうとしてもハローワークでは過去のノウハウや能力を全く活かせない清掃や保安、その他の仕事程度しか見つからない。

長年日本の発展に貢献してきた高齢者に対する政府の処遇がこれでは、日本政府など全く信頼できず自己防衛に動かざるを得ない。

日本の資産の最大保有者である高齢者が金を使わないのは、政府に対する信頼がなく将来に不安を抱いているからである。

どんなに厳しい政策をとり、高齢者から金を引きはがそうとしても、北風と太陽の寓話にもある通り、高齢者に金を使わすことはできない。

高齢者に金を使わせ経済を活性化する唯一の方法は将来不安をなくし、老後生活に安心感を持たせることである。

その為には例え財政的に問題があっても年金に対する不安を増幅させるべきではない。一方で定年制度を廃止し、能力ある限り現職で働けるようにし、さらに高齢者の転職・就職あっせん機関を整備し、高齢者が過去のノウハウや知識を活かせる職場につけるようにすべきである。

このまま、国民の老後不安、政府不信を解消できない限り個人消費は増加せず日本経済の活性化は起こらない。
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日本にとって最も有効な経済対策は老後の不安を解消すること、安倍の年金改悪はこれに逆行する

2016-10-13 10:42:10 | 年金
アベノミクスで金利を下げ、円高を解消し、復興需要
やオリンピック需要で土木建設業界は活況で人手不
足が常態化している。

しかし、日本の景気は活況化するどころか、むしろ低
迷している。

その原因は内需不足にある。企業は多くの内部留保

を抱えているが、日本経済の先行きに期待が持てな
い為積極的な投資には踏み切れない。

内需不足の原因については人口減が語られることが
多いがこれは事実ではない。まだ内需全体に悪影響
を及ぼすほど人口減は深刻ではなく、本当の原因は
個々の消費者が消費を抑制していることにある。

現在、65歳以上の高齢者は人口の3割に達し、彼ら
の平均貯蓄額は22百万円を超える。

最大の資産保有者である彼らが消費に動かなければ
日本の内需は回復しない。

それに対し政府は高齢者に金を使わせる為の様々な
政策を検討しているが、それらは全て北風政策であり、
どんなに厳しく高齢者に圧力を加えても彼らはさらに
貯蓄しっかりと握りしめるだけである。

北風ではなく太陽政策をとらないと彼らのサイフの紐を
緩めることはできない。

彼らが貯蓄を手放さないのは老後の不安である。笑い
話のようだが、100歳近い高齢者でも老後の不安を口
にするのである。

収入に不安があり、他に頼れる家族もなく、年をとり体
が弱くなり、何時病気で見込むかもしれない、という不
安に怯える高齢者にとり頼れるものはお金しかない。

彼らに消費意欲を持たす為には老後の安心が不可欠
である。しかし、政府が過去にしてきたことは老後生活
の安心の源泉である年金制度を改悪し将来の収入に
不安を持たせることだけである。

財源不安を協調し、将来年金制度は破綻するかもしれ
ないと不安を煽り、それを口実に年金額を削減し、高齢
者の年金に対する不信を確信にさせている。

これでは、高齢者は絶対にサイフの紐を緩めず、最大の
資産保有総が消費に動かなければ日本の需要は拡大
しない。

需要の伸びが期待できなければ企業は投資せず、せっ
かくの多額の貯蓄は有効利用されず、国債等に投資さ
れ、経済成長に寄与しない。

悪循環である。

政府がすべきことは、年金制度の改悪を止め、老後の
不安をなくすことである。

老後不安は高齢者だけではない。既に30代の若者が
老後不安を語り行動を始めている。

今の生活に追われる余裕のない層は老後不安に目を
瞑っているが、少し余裕のある、本来消費の主体とな
るべき層が老後の準備として消費を抑制しているので
ある。

経済停滞と政府への不信感を増大する年金改悪は
止めるべきである。

年金財源の不足は1世紀債を発行して先延ばし、
その間に人口構造を変更することで、解消できる。


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年金給付を抑える年金改革は経済を悪化させ結果的に財政悪化を招くだけ

2016-10-12 21:26:29 | 年金
政府は11日、将来世代の年金水準を確保するため、
高齢者への給付抑制を強化することを柱とした年金
制度改革関連法案を閣議決定した。

物価や賃金の伸びよりも年金給付を低く抑える「マク
ロ経済スライド」はデフレ下で適用されないが、30年
度からデフレ下で見送った分を翌年度以降に繰り越
し、景気が回復した局面でまとめて給付抑制する。

将来世代の年金水準を確保するという名目だが、こ
れを継続すると、将来世代にとっては年金は老後の
生活を維持するという本来の役割を果たせない程低
額になってしまう。

正に本末転倒である。

そもそも年金財源の不足は人口構造の歪みに起因す
るものであり、このような小手先の対策で解消できるも
のではない。

また、このような政策で老後の年金を不安定にする
ことは高齢者だけでなく、中年や若年層にも老後の
不安を煽り消費支出を抑えることになる。

アベノミクスが賃上げに成功したにもかかわらず、個
人消費の増加に繋がらず、景気浮上や物価上昇に成
功しなかったのは、一つは現代日本では賃上げとは無
縁な年金生活者や非正規労働者の消費比率が高いか
らであり、もう一つは老後不安に備え消費が抑えられて
いるからである。

今回の改正が実施されれば、将来の年金減少は確実
なものになり、将来に対する不安がますます助長され、
より多くを老後資金として貯蓄することになり必然的に
個人消費は減少する。

その結果、ますます景気は悪化し税収は伸び悩み、む
しろ年金財政も悪化することになる。


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GPIFの株式比率拡大は否定しないが、この体制では損は免れえない。

2016-10-05 11:10:40 | 年金
アベノミクスの一環としてGPIFは運用資産に占める
株式の割合の上限をそれまでの2倍にあたる約50%
に拡大したが2015年度には5.3兆円の赤字になり、
2016年度にはそれをはるかに上回る損失が見込ま
れている。

この事実を受け民進党をはじめ年金資産の株式運用
に批判が集中している。

しかし、私は株式運用を増やしたことは正しい選択であ
ると考えている。年金制度を維持する為には3%程度
の運用利回りが必要なことは厚生労働省の試算でも
明らかであり、現在の金利情勢で債券運用のみでこの
利回りを得ることは不可能だからである。

それでは、現行の運用体制にもろ手を挙げて賛成かと
いうとそうではない。

人材面と運用面の両方でGRIFの株式運用には問題が
ある。

今、多額の赤字をだしながら理事長が3000万円を超え
る高額報酬を受けていることに対する批判がある。

同感である。株式運用の能力ある人材がGRIFのトップ
につき、それなりの成果を上げていれば3000万円どこ
ろか1億円の報酬でも決して高くはない。

しかし、無能な人間が飾りとしてトップに座っているの
に、3000万円を超える報酬を与えるのは浪費としかい
いようがない。

2015年度に5.4兆円の赤字をだし、批判を受けてあわ
てて逃げ出した三谷隆博理事長は日銀出身者であり、
株式投資には全くの素人であった。

さらにその後を受けた髙橋則広理事長は一応世界的
投資機関と自称する農林中金の元専務理事である。

しかし、農林中金自体債券運用がほとんどであり、株
式での運用比率は数%と低く、とても株式運用にノウ
ハウがあるとは言えない。さらに高橋氏は昭和55年
の入社以来平成16年まで企画畑で働いており、運用
分野では平成18年から1年間債券投資部長を務めた
にすぎず、株式運用面では三谷氏と同様に素人である。

このような素人を3000万円超もの役員報酬を支払って
雇う意味はほとんどない。もっと株式運用の実務経験が
豊富なファンド等の経験者から理事長を抜擢すべきであ
る。

その結果、せっかく株式比率を増やしても株式投資の
50%を日本株で運用するというような致命的なミスを
犯している。

世界株式に占める日本株の時価比率は8月時点で
8.5%にすぎず、株式運用の約半分を日本株で運用
するのはリスク管理面で不適切である。

アベノミクスの株価浮揚策に利用されていると考えざ
るを得ない。しかしGRIFの株式運用目的はリスクを
少なくしながら試算を増やすことである。

だとすれば、日本株の比率を適正な水準まで落とし、
合理的な運用をすべきである。

東京直下型地震で家だけでなく年金も失うというのは
高齢者だけでなく年金を掛け続けている日本国民に
とって悲劇である。


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