日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

政権を獲るだけでは社会は変わらない。社会を変えるには血を流すことが不可欠

2018-01-09 10:30:47 | 歴史
バブル崩壊後の日本社会は何回かの政権交代を経験した。しかし、与党に厳しく批判を投げかけていた野党が政権をとっても世の中は一向に変わらない。

しかし、これは当然のことである。政権が代わっても大抵の場合社会に変革がおこることはない。社会を変革する為には政権を獲った後、今まで社会を構成してきた根本的な社会システムを変更することが必要である。

日本で最も大きな社会変革と言えば明治維新であるが、これは単に幕府から明治政府に政権が交代したということではない。

最近、明治維新を否定し、あたかも幕府が存続していても日本は近代化できたかのように主張する本が売れているようだが、これなどは歴史と政治というものを理解していない者の戯言にすぎない。

日本の近代化において最も重要なことは単に政権が交代したことではなく、廃藩置県で藩を廃止し領土を国の直轄としたこと、徴兵制で軍事権を武士から奪い、秩禄処分で武士の既得権である俸禄制度を廃止したこと、地租改正で税収の基盤を築くと共に土地の私的所有制度を確立した。

これらの改革は幕府制度の下ではどんなに有能な将軍が存在しても不可能である。理由は簡単で幕府政権そのものがこれらの制度に依存て成立しているからであり、これらを廃止することは自らの存立基盤破壊することになり、結果的に崩壊せざるをえない。

中東やインド、あるいは中国においてもその時期、日本と同様に西洋技術を導入し近代化をはかる試みが実施されたが、日本を除くすべての国でその試みは失敗している。西洋化による近代化と政権の存立基盤が両立できなかったからである。

天皇を担ぎ出し幕府を倒した薩摩や長州の一部藩士から構成される明治政府はこれらの基盤をもっておらず、むしろ権力基盤を確立する為に幕府や藩の存立基盤であるこれらの制度を廃止する必要があった。

明治維新はきれいごとではなく、人格者とされる西郷にしても政権奪取の過程で様々な非人道的な行為を行ってきたことは事実である。また、他の革命と比較すれば人的被害は少なかったとはいえ、俸禄を奪われた武士、小作に落とされた農民が困窮し、その娘が身を売るという例も多数存在した。

社会を変革するということは、その制度に依存して生活してきた多くの者の生活基盤を奪うということであり、そこには抵抗が発生し血が流れることは免れえない。

政権を獲るには血を流す必要はないかもしれないが、社会を変革しようとすれば血が流れることは避けられない。

きれいごとを並べ、話し合いで全てが解決できると思っているような野党では、社会を改革することは不可能である。

日本を本当に国民の手に取り戻すに明治以来の官僚制度を破壊し、政治を国民の手におさめる新たな制度の構築が不可欠だが、330万人に及ぶ公務員の生活に甚大な影響を与える公務員改革を実施しようとすれば、ある程度の流血は覚悟せざるをえない。

これは別に殺すという意味の流血ではなく、百万人単位の公務員が職を失うことによる流血である。

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他人への親切は時には身を滅ぼすことになる

2017-12-29 09:28:18 | 歴史
日本では他人に親切にすることが無条件に美徳とされている。隣国である中国や韓国に対し、戦前の反省と親切心に加え、目先の利益を求めて日本は多額の援助と経済協力を行ってきた。

その結果、日本は巨大な経済力と軍事力を持つ反日国家に囲まれることになった。これなどは歴史の教訓を学ばなかった結果である。

親切が民族を滅ぼした例がアメリカにある。
1606年にメイフラワー号に乗ってイギリス人がアメリカにやってきた。ボストン近郊のプリマスはただでさえ寒い所で、冬の途中で半分近くが死んでしまう。

そんな彼らを放っておけないと救いの手をさしだしたのが、地元にいた心やさしい先住民族である。彼らはトウモロコシ栽培や七面鳥の飼育等を教え、命の恩人となった。今に伝わる感謝祭はこの時の感謝の気持ちを表したものである。

しかし、子孫の時代になると白人達は自らの命の恩人を皆殺しにし、生き残った先住民族は奴隷として売り飛ばしてしまったのである。

感謝祭は残ったが、先住民は消されてしまったのである。

もし、この時先住民が白人を見殺しにしていれば、今の白人国家としてのアメリカやカナダは存在せず、先住民の国家として残っていたかもしれない。
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現在の価値観で歴史を断罪するという愚行

2017-08-24 09:53:05 | 歴史
歴史というものは常に現在の反映ではある。しかし。現在アメリカで発生している歴史的な銅像撤去は行き過ぎである。

マスコミの論調では銅像撤去に反対する白人至上主義者に対する批判が強いが、銅像撤去反対イコール白人至上主義の人種差別主義者というレッテル貼りが行われている。

しかし、歴史的な銅像撤去に反対することと人種差別主義とは何の関係もない。

そもそも、現時点の価値観をもって過去の歴史的事実を断罪しようという態度自体がおかしい。

歴史的な犯罪行為が許せないなら、白人や黒人は全てアメリカから去り、ネイティブアメリカンに譲るのが正しい選択である。彼らの存在自体が過去の歴史的犯罪の証拠である。

現在の価値観で歴史を裁けば、歴史上の英雄のほとんどは侵略者であり、殺人者であり、人種差別主義者である。

現在の価値観を振りかざし、歴史的銅像を破壊する行為などは愚行以外の何でもない。
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戦後日本の三つの大失敗、中国、バブル、年金改悪

2016-12-01 10:59:49 | 歴史
第二次世界大戦での敗北により廃墟となった日本は、国民の血と汗のにじむ努力により復興し世界第二の経済大国まで発展した。

しかし、その後の三つの大きな失敗により再び廃墟への没落の道を歩み始めた。

戦後日本の最大の失敗は中国政策である。日本は官民をあげて、資本、人、技術を提供し、反日教育を行い日本と日本人に対する憎しみを育て続ける隣国中国を世界第二の軍事・経済大国に育てあげた。

愚かにも日本人は、目先の利益につられ、将来自らの国を滅ぼすかもしれない敵を、自らの手で育て上げたのである。

これを失敗と言わずして何を失敗と言えるだろうか。

次に、世界第二の大国となり、アメリカを抜いて世界一の経済大国になるかもしれないと恐れられた日本経済を完全に破壊したのがバブルの発生とその崩壊である。

愚かな日本の政治家がアメリカの圧力に屈し、よく考えずプラザ合意を飲んだことが日本の没落の始まりである。誰の目にもバブルが明らかになっていたにもかかわらす、日本の政策当局はアメリカの意向を気にして引締政策をとることができず、バブル経済を制御不能なまでに拡大させてしまった。

現在に至るまで、日本の政治家は例え国益に反することでも、アメリカの意向には逆らえない。

バブルの発生よりもっと最悪なのはバブルの崩壊過程である。世界各国からのバブル経済に対する危険性指摘や国内での不動産の急上昇を受け、大蔵省、日銀はバブル潰しを決定したが、その方法は稚拙でありあまりにも極端なものであった。その結果企業や日本経済は致命的なダメージを受け、以後20年以上もの日本経済の停滞を招くこととなった。

現在の日本が様々な問題を抱え苦しんでいるのは、このバブルの発生とその解消の失敗に起因する。

これから将来にわたって日本社会を崩壊させかねない失敗が今度の年金改悪である。バブル崩壊後の停滞経済の下で日本人の働き方は大きく変わった。

非正義社員の増加である。現在労働者人口5385万人の内2025万人が非正規労働者である。彼らの多くは老後生活に必要な資金を現役時代に蓄えることが困難であり、退職金も十分な年金も期待できない。

今回の年金改悪は正社員をも彼らと同じ境遇に落とすものである。毎年確実に1%以上減額されつづける年金は生活資金としては不十分であり、現在の40代が老後に達する20年後には3000万円以上の蓄えが無いと老後普通のつつましい生活もできなくなる。

正規社員3360万人の内65歳までに3000万円以上の金融資産を残せるのは1割程度であり、今回の年金改悪は国内に多数の生活困難の高齢者を抱えることになる。

非正規社員に加え、正規社員でさえ、老後には破綻するしかない社会では、国中にスラム街ができることになり、もはや現在の日本社会は維持できなくなる。

美しい国日本を目指した安倍政権は結果的にホームレスの国日本を築くことになる。



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今日本人が学ぶべきは西郷ではなく大久保利通(2018年の大河が西郷隆盛らしい)

2016-08-31 09:58:17 | 歴史
「2018年の大河は『西郷隆盛』に内定した」という情
報が駆け巡っている。

西郷については過去に何度もドラマ等でとりあげられ
ているが、今の日本を取り巻く世界や社会情勢を考え
る時、明治維新を題材として取り上げるべき人物は西
郷ではなく大久保である。

過去のドラマでは西郷の魅力については様々語られる
が、それは具体的な行動によって裏付けられたものと
いうよりは、西郷伝説に沿った一種神がかった西郷の
魅力に帰されることが多く、現在日本人の参考にはな
らない。

また、明治維新後の鹿児島への帰国、征韓論争での敗
北と鹿児島への下野、西南戦争への参加と敗北等、ど
れをとっても戦略的には大失敗であり、あまりにレベル
が低く反面教師としても学ぶべき点はない。

どうしても西郷をドラマ化するなら、伝説的な君子として
の西郷ではなく、相楽総三を利用し江戸焼打をし、後に
相楽をニセ官軍として処刑した、権謀術策家としての実
際の西郷について描くべきである。

実際のところ明治維新を描くなら西郷ではなく大久保を
主人公にすべきである。

大久保は何もないところから、自らの力で権力者久光を
改革運動に巻き込み、藩を動かし、西郷や小松と協力し
討幕を実現しただけでなく、明治政府を指導し日本をア
ジアで唯一の工業国となる礎を築いた。

大久保の人を動かす説得力・行動・謀略、新しい改革を
実施する為の組織構築力・決断力・行動力、危機的外
交側面での胆力・決断・行動はどれ一つをとっても今の
日本の政治家に欠けているものであり、今の時代が必
要としているものは明らかに西郷ではなく、大久保であ
る。

西郷は過大評価されてきたが、大久保はその功績の割
には大衆的には過小評価されてきた。

NHKが今回幕末・明治をドラマ化するのであれば、西郷
ではなく大久保であるべきだ。
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