日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

テロ等準備罪はテロ対策ではなく司法官僚の裁量拡大が狙いである。

2017-06-15 11:06:11 | 司法
安倍自民党がテロ等共謀罪法案の強行採決を実施した。これは戦前の治安維持法と同様に、日本国民の権利が侵害されるリスクを大幅に拡大する危険な法律である。

安倍政権はテロに関する国際条約に加盟するにはこの法律が必要であったと主張しているが、これは大嘘である。

条約加盟が目的であれば、テロ等準備罪である必要はなくテロ準備罪でよかったのである。
この法律はテロ行為以外の犯罪に間口を広げすぎており、テロ対策だけが目的でないことは明白である。

今回の改正では、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団が犯罪準備をした段階で処罰できるようにすることを目的としているが、テロリズム集団その他の犯罪集団の定義がなんにでも適用できるものになっている。

対象団体は「団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表三に掲げる犯罪を実行することにあるもの」と定義されているが、対象犯罪があまりにも広範囲に及んでおり、実質2人以上で犯罪準備をすれば全てこの法律に該当することになる。

これでは、テロ対策という色合いより、従来犯罪行為実施後に処分することを目的とした刑法を計画準備した段階で処分するように変更する色合いの方が強い。

中でも問題なのは、対象犯罪に強制執行の妨害、威力業務妨害、現住建造物侵害、軍要物の損壊等の罪が含まれていることである。

家が競売されることが決定し、それを避ける為の方法を家族で考え準備したら逮捕されても不思議ではない。

また、ストライキを実施する場合、常に威力業務妨害や現住建造物侵害に問われる危険性がある。運用次第ではストライキを計画し準備しただけでも逮捕されかねない。

軍要物損壊の罪では、沖縄での基地反対運動などは計画しただけで逮捕されかねない。

テロ対策に限定するのであれば、もっと犯罪対象を減らすことは可能である。さらに対象団体の定義をテロ行為を実施することを目的としてという文言を加えるだけでもいいのだが、わざと警察や検察の裁量範囲を拡大できるようにテロに限定していない。

官僚が独断と独善で国民を逮捕できるようにするのは、戦前の例を見ても非常に危険である。

この法律は将来に禍根を残しそうである。
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痴漢冤罪が発生するのは警察が無能でやる気がないから

2017-05-30 10:05:57 | 司法
今日はたまたま、DIAMOND ONLINE(名門女子高生「痴漢冤罪詐欺」グループ、中年男を狙う巧妙な手口)、東洋経済オンライン(「痴漢冤罪」は鉄道会社と弁護士が組めば減る)という記事を見た。

痴漢を疑われ、線路に飛び降りて逃走する例が多発している。

濡れ衣であっても駅長室につれて行かれれば警察を呼ばれ、無罪を主張するとそのまま警察に何日間も(下手すれば何ヵ月も)拘留されてしまう。ということが常識として語られ、むしろ冤罪でも罪を認めてしまった方が被害が少ないとまで言われている。

さらに、これを利用して痴漢の濡れ衣をきせ金をとろうとする女まで存在すると言われている。

冤罪が多発する最大の責任は満員電車をそのまま放置する鉄道会社だが、その次に責任を問われるべきは無能でやる気のない警察である。

日本警察の得意な捜査方法は犯人と目星をつけた者を拘束し、徹底的に締め上げ自白を迫る前近代的な方法である。

この方法を痴漢のような微罪にも実施するところに日本の警察の傲慢さと無能、やる気のなさがある。有罪でも実刑にならない電車内の痴漢犯罪に対し、認めるまで何カ月も拘留するなど本来あってはならない。

痴漢冤罪などその気になれば皆無にすることも可能である。さわられた部分の衣服を徹底的に調べれば指紋であれDNAであれ、さわった者の痕跡を見つけることは可能である。

このような手間と費用を惜しみ、強引な拘禁捜査で冤罪を作り続ける警察の無能さとやる気のなさはもっと批判されるべきである。



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高樹沙耶の手記に見る、逮捕されただけで有罪が確定していないのに、当然のごとく人権無視する日本の司法

2017-05-18 10:06:21 | 司法
疑わしきは罰せずとか、というのが刑事裁判における原則であり、何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される、という、近代法の基本原則である。

しかし、日本ではこのような原則は全く無視されている。

冤罪可能性があっても逮捕されただけでマスコミは大騒ぎし、被告人の人権は全く顧みられず無視されるというのは良く見る光景である。

逮捕された段階では、当然推定無罪という基本原則に準拠すべきだが、日本ではそのような原則は当局により一顧だにされない。

高樹沙耶の手記で逮捕されればどうなるかを見てみると次のような人権を全く無視した扱いを受ける。

「夜の8時ごろ、取り調べが終わると、乗用車で沖縄署に向かい、留置場に入れられました。まず、着ていたTシャツ、短パン、下着も全部脱ぎ、全裸になって前かがみにさせられた。お尻になにかを隠してないかを調べる検査です。屈辱的なものでした。

そのあと、作業服のようなものに着替えさせられ、留置係の警察官に「あなたは今日から、8番と呼ばれます」と告げられた。」


「逮捕から3日後、裁判所が勾留決定をし、私は沖縄刑務所那覇拘置支所に移ることになりました。 ここでも、最初に全裸になって身体検査を受けた。」

留置所であれ拘置所であれ、まだ裁判で有罪が確定していないのだから当然無罪と推定すべきである。高木沙耶の場合は有罪だが、この段階ではまだ多くの無罪の人間も含まれている。

何の罪を犯していなくても、警察や検察に犯罪を犯していると見做されただけで、意思に反し全裸にされ尻の穴を覘かれるというような屈辱的な人権無視の扱いを受けるのである。

このような当局の野蛮な人権無視の行動が問題視されていないこと自体が不思議であり、日本という国の人権意識の低さを象徴している。

本来、まだ犯罪者と確定していない人間を拘束すること自体問題だが、百歩譲って逃走を防ぐ為だとしても、有罪判決がでるまでは移動の自由が無い以外はホテル程度の居住環境とすべきである。

本人の意思を無視し全裸で検査したり、名前でなく番号で呼ぶなどという人権無視は被告人の段階では許されるべきではない。

この留置所や拘置所の劣悪な環境と人権無視も自白強制による冤罪の温床となっていることは間違いない。
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安倍政権はテロ等準備罪の対象犯罪にテロの実行以外の犯罪を加える理由を国民に説明する必要がある。

2017-04-20 10:46:51 | 司法
テロ等準備罪をめぐり与野党の対立が激化している。世界的なテロの広がりを勘案すればテロ対策の法律整備は必要と考えられるが、審議中の法律には疑問がある。


テロ等準備罪の対象犯罪として安倍政権は277の犯罪を閣議決定したが、その中にはこの法律の対象にする必要がないと思われるものが多く含まれている。


対象犯罪は

組織的殺人やハイジャック、放火や流通食品への薬物混入等、国民がテロ行為といって頭に浮かべる犯罪に関する110種の犯罪だけでなく、


覚せい剤やヘロイン等の薬物犯罪29種


人身売買や不法入国、臓器売買等の人身に関する搾取犯罪28種


組織的詐欺・恐喝、通過偽造、マネーロンダリング等資金源に関する犯罪101種


偽証、組織的犯罪の証拠隠滅、逃走援助等の司法妨害に関する犯罪9種


が含まれている。


政府の言うように条約を締結することが目的であれば、対象犯罪はテロに関する110種で充分である。


テロ等準備罪のミソは犯罪を実行しなくても準備行為をしただけで摘発できることである。麻薬や詐欺、偽証等まで対象とするのは、司法当局の捜査の利便性を増すだけのものである。


テロの根幹をなす犯罪はともかく、それ以外の犯罪にテロ等準備罪のような司法当局が使いやすい武器を与えることは冤罪リスクを増加させるだけである。
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一旦起訴すれば、冤罪とわかっても有罪にする検察や警察の体質ではテロ等準備罪は危険すぎる。

2017-04-07 10:50:16 | 司法
共謀罪の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案が、衆議院本会議で審議入りした。安倍総理は「国際組織犯罪防止条約を締結していないのは世界で11か国、G7では日本だけで、日本が国際社会における法の抜け穴となるわけにはいかない。とテロ等準備罪の必要性を強調している。


日弁連はこれに対し、テロ等準備罪が無くても条約には加盟できると主張している。しかし、国際組織犯罪防止条約は2003年に発効されており、既に14年の間締結されていない事実を勘案すれば、何らかの法律の整備が必要とする政府の主張に理があるように思える。


一方で、人権が侵害され冤罪逮捕が増えるという反対派の主張にも説得力がある。特に日本の警察や検察には真相究明よりも有罪率に拘り、一旦基礎すればその後無実の証拠を発券してもそれを隠し有罪にし冤罪をきせるという事例が少なからず存在する。


この現状を放置したまま、警察や検察が自由に解釈できるような武器を与えることは危険極まりない。日本の現状ではまだテロの危険より権力乱用の危険の方が大きいことから、現状の司法体質を放置したままでは、この法律制定を急ぐ必要はない。


冤罪の温床が無くならない日本では、逮捕後の取り調べに対し、法律通りの取り調べがされているか否か立ち合いチェックする機関が必要である、今は警察官の中にその役割を果たす者がおかれているが、同じ警察官では機能しない。


弁護士の中から捜査立ち合い担当者を選任し、被告弁護士と別に、取り調べに立ち合い、警察や検察の取り調べが合法的に行われているか、公平な立場でチェックする機関を設立すべきである。
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