Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

番外編36. オールドニッコール

2008年09月02日 | Yokohama city

 撮影機材の話題を続ける。今日は古いニッコール・レンズとデジカメについて。ここにあげたカットは、Nikkor -P・C Auto F2.5/105mmという40年程前に製造されたガウスタイプ構造を持つレンズである。これをFuji FinepixS5proにつけて撮影した。撮影結果は、シットリと落ち着いた素晴らしい描写である。新しいレンズもよいが、こうしたデジタル化以前のレンズの中には、現在でも優れた製品がみられる。そんな様々な古いレンズの描写力を、デジタルで楽しむという点でも、マウントの変わらないニコンのレンズは興味深い。
 オールインワン・パッケージの家電は別として、システムで販売されたプロダクトで、何十年も使い続けられるという商品は、意外に少ないのではないかと思われる。私の場合、ニコンFの時代に始まり、ニコンのワンナンバー・ボディを使い続けてきたが、システムのいくつかは、デジタル化の今でも利用できる。それだけ機材の工学特性は、あまり変わらないのだろう。流れゆく風景を1枚の映像に記録するという撮影行為自体が、昔から変わらないので、工学的特性もあまり変化してゆく必然性が少ないのだろうと考えている。
 今朝の日経新聞では、機材メーカー各社の利益率低下が報じられていた。デジタルカメラも世界で一巡したのではないかと、思われる。媒体が変わったことで、短い時間の中でデジタルデバイドは達成されたが、機材構造そのものが大きく変わったわけではない。一体ここ何年かの騒ぎはなんだったか。
 これからは、少し丹念に、これまでの遺産の味を楽しみたいという気分になる。尚ここでとりあげたレンズの評価は以下にある。
http://www.naturfotograf.com/index2.html

Fuji FinepixS5pro,Nikkor -P・C Auto F2.5/105mm

コメント
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