新聞の映画紹介で映画をみることはないが、こんな記事をみつけた。映画愛(毎日新聞10月29日日曜版6面)がそれだ。映画「ゲット・アウト」を例に、今なお残るアメリカ社会の人種差別について書かれた映画紹介である。
ならば映画をみてみよう。でっ、みた結果この映画は、映画紹介にあるように特段人種差別と白人優位について主張しているわけでもなかった。黒人監督ジョーダン・ピールが差別と支配をホラー仕立てで暗示させていることがアメリカでヒットしている理由だとする紹介記事の拡大解釈なのだが、説得力を感じないなぁー。
そんな紹介記事の拡大解釈よりは、脇役のケイレブ・ランドリー・ジョーンズのトゲをさすような癖のある不良ぶりが光ってたし、彼は現在公開中の「バリー・シール」という映画でも、不良っぽい役を好演していたということの方に眼がいった。
そんな映画の話は別としても、文化系の特徴として、いくつかの示唆的な現象から社会問題へひっぱってゆきメタファーで語るという論法に、私はあまり論拠や魅力を感じない。ひっぱった分だけ執筆者の解釈であり、それは地球上の人間の数だけあり、従って一般性をもたない特殊解に近い。そんな文化系の手法ばかりがちらつくから、私が新聞を読まない理由でもあるのだろう。
新聞も例えば宇宙ステーションがなぜ継続的に維持されるかという数値と図や科学イラストなどを用いた工学的解説をするとか、オスプレイはなぜ操縦が難しいのかとするコンピュータ・シミュレーションをしてみるといった具合に、そんなのが4面ぐらいにわたって記述されれば関心を持つのだけど、それは科学誌の世界だといわんばかりに無視されている。だから結果として容易に執筆できる文化系記事ばかりになり、つまり退屈なのだ。科学技術というのは、専門誌だけの知見ではないと思うけどな。反対にすくなくてよいのは三面記事やスポーツ欄。あれこそ駅のスタンドで週刊フジとかスポーツ紙でも読んだ方が面白い。
といって文化系には、好意的な人種も多いのであまりむげにはできない話だが、工学系の立場からみるとお人好し集団。ことあるごとに意見が違えば議論しましょうとくる。こちらは議論ではなく提案をしているのですが。反論があるならさらによい提案をしてちょ、というと文化系は沈黙する。つまりメタファーなロジック思考だから提案や方策が苦手な世界なんだ。
文化系は科研などの研究費がつく機会が圧倒的に少なく、従ってまとまった研究成果をあげなくても飯が食べられるあたりが、どこか浮き世離れしている。それだけに、人口減少時代に向けて存続が問われている分野だ。経済は金融工学など工学化しているので残るのは法学ぐらいか。その他の社会学や教育学などは、やがて消えてゆくのであろうか。
さて台風通過後の近畿圏は西高東低の冬型気圧配置で木枯らし1号が昨年より1日早く吹いたという報道だが、私の記憶では一ヶ月早かったのではないか。マスメディアを信用していないので過去を調べてみた。近畿圏で統計を取り始めた1987年以降一番早いのが、10月25日(2015年)、逆に遅いのが12月19日(2003年)となる。1987〜2005年までは大体11月末が多く、私の記憶を裏付けている。だが2010年以降から毎年10月末の年が続く。それは気候変動が背後要因としてあるのだろうか。つまり私の記憶は合っていた。ただし10年前の記憶だが・・・。
沖縄県慶良間諸島野崎
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