Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング431. 小説:小樽の翆360. タイカンルーのオフィス

2021年04月30日 | Sensual novel

 

 ベーヤンのオフィスにくると、上海のタイカンルー(秦康路)のロンワンのオフィスを思い出す。まだ中国の経済成長が日本以下だった頃、タイカンルーにはデザイン関係のスタジオが古いビルを改装して点在していた。

オフィスは、お洒落に設えてあって家具なども見栄えは良いが、中国製だから触るとポロッと備品が落ちたりして。水道も細々としか出ない時代だった。

「日本人と中国人とが、半々で働いていた小さなデザインオフィスね。東京でいえば竹下通りの裏通りあたりかな。でね、仕事で訪れたロンワンのオフィスに、ケイという30代前ぐらいの日本人女性が働いていてさ・・」

ベーヤン「上海で楽しいことがあったんだろうなぁー」

「うん、ホームシックで寂しそうな顔をしていたな」

ベーヤン「上海の恋、いや情事か、昔から上海は、そういうエキゾチックなところがあるなぁー」

「ホームシックといったって上海の稼ぎじゃ、LCCのない時代だから当時の航空運賃の片道分になるかなぁー。簡単に日本に帰ることはできないのよ。それで回りが気を気をつかって中華レストランで私とディナーでもと、セットしてくれたんだ」

ベーヤン「日本と中国では経済格差があるから、日本人が一端中国で仕事をしたら、稼ぎは日本人の初任給にも及ばないから、出ていったら戻れないところだね。出世して帰ってくる方法しかかないよなぁー、それじゃホームシックになるだろうね。でつケイとは?」

「うん、タイカンルーの小さなレストランで、ディナーだよ。でね久しぶりに日本人と出会ったものだから、ケイも久しぶりにはしゃいでいたね。ケイがいうには、中国人は相手の感情を無視して、命令調でいわないとなにもしないんだって」

ベーヤン「うん、命令されて初めて動く、そうしないと何もしない人種だね」

「そのことが、疲れるんだって。中国語のなかで、『メイヨ!』が記憶に残っている。そんな商品、あるわきゃないだろ!!、そんな意味だよ。寄ってくる物売りを追っ払うときもメイヨ!、だよ

ベーヤン「それで、ケイとはどうしたの?」

その後は、私の定宿だよ。その時、ああっ、上海にいるんだと思った」

・・・・・

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ドローイング430. 小説:小樽の翆359. 札幌でお家飲み

2021年04月29日 | Sensual novel

 

 札幌のベーヤンのオフィスで昼から飲もうという話になった。

桜の季節だから本来なら外で宴会というわけだが、今はそうはゆかない。

緊急事態宣言後といえ、大量の感染者をだした薄野へ飲みに出かける気分ではない。

アチキは札幌の百貨店に立ち寄って、ローストビーフとサラダを調達し、ポルトガルワインでも・・・、

店員「あっそれ、うち置いてないですぅー・・・」

見かけ倒しの百貨店のワインセラーだ。百貨店は、何でも揃えてますと公言する割には、旨いワインを知らないんだ。どうせ大衆が飲むし味なんかわからんから、WEBでワインの大御所がオススメしたワインを揃えておけば用が足りると思っているから始末が悪い。

そうしたオススメワインを飲んで旨いと一般大衆がツイートするもんだから、我も我もとなり、百貨店は労少なくして利益をえる構造だ。大衆文化というのは、そういうものなんだろう。これには、つきあいきれない。

しょうがないから大きな酒屋に出向いたら一番安いリーノヴェルテが手に入った。

ベーヤンの広告代理店は、都心から少し外れた路地裏にあり、戦前の建物と思われる古い建物を、小ぎれいにデザインして使っている。

ベーヤン「こんな商売だから、いつ干されるかわからんじゃん。だから設備に投資したくないよね」

それがベーヤンの口癖だ。

事務所の玄関を入ると、いきなり会議室があり、カッシーナの家具で設えた大テーブルが眼に入る。マチマチの椅子もカッシーナだ。壁には実用的なAV機器がそろっている。ここでスタッフ達とCFをチェックするのだろう。ときにはプレゼンテーションの場にもなる。床に多数のアート作品が梱包をほどかないまま転がっている。

アチキは、壁の後ろの書庫が並ぶ無粋な空間に眼が行く。これまでに作成したCFビデオなどが本棚にたくさん詰まっている。そして何かの撮影で使った小道具が混沌さに拍車をかけている。

ベーヤン「焼き豚に、蒸し鶏に、酢の物とか、俺がいろいろとつくった。酒もあるよ」

そういって冷蔵庫から洋物のウィスキー取り出してきた。食材を並べて宴会の準備ができた」

「ここで飲むのもなかなかいいじゃん」

ベーヤン「感染の心配がないからね」(笑)

時間を気にしない昼からの札幌の宴が始まった。

・・・

お家飲みとは、ライフスタイルが変わったようだ。

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ドローイング429. 小説:小樽の翆358. 産婦人科の狸爺

2021年04月28日 | Sensual novel

 

 狸爺が、オハヨウとやってきた。いつものようにポケットにアダルト雑誌をねじ込んでいる。

読み終わると泌尿器科の採精室へ投げ込んでゆく。

狸爺「この病院で生まれた君の息子は元気してるー?、私が取り上げたもんねえー」

そういって晃子さんの尻をなでながら・・・

狸爺「また取り上げてあげるよ、つくらんのかねぇー・・・」

晃子「もうバッチリみられているから、いうことないよなぁー。人工授精って法律の縛りがあるの?」

狸爺「法律の縛りはないけど、非配偶者間人工授精に関する見解は学会にあるよ」

晃子「旦那が無精子症で他人の精子を使うじゃない、そんとき精子提供者ってわかるの?」

「精子提供者は匿名で明かすことはできないが、医師は記録を控えることにしている。なに人工授精したいの?」

晃子「ちゃうちゃう、誰の精子を使うかってどうやって決めるの?」

狸爺「あらかじめAIDSなどの感染症がなく、血液と精液の検査をして異常がない事が確認された精子だけを冷凍保存しているけど」

晃子「その精子って、頭いいの?」

狸爺「もちろん学業優秀系とか、体育系とかあるよ」

晃子「そんなのどうやって選ぶのよ」

狸爺「遺伝子をにらんで決めるかなぁー、大体は種の品質がいいので、どれでも一緒かなぁー。だから乱数表で決めたりするよ」

晃子「セックスに強い遺伝子の種はないの?」

狸爺「数少はないけどあるよ。つかってみる??」

晃子「それってさぁー、もしかして先生の種じゃない?」

狸爺「あたり!、私の若い頃の種を保存してある」

晃子「そんな古い精子やだぁー、先生って、やっぱスケベねぇー(笑)。」

・・・

晃子「今朝出勤するときに狸爺とそんな話をしていたの」

翆「ハッハッハッ、相変わらず狸爺も元気だねい」

晃子「若い未婚の患者がやってきて、原因不明で体調が悪いってのが来る時があるんだって。でっ、検査しても妊娠でないし癌でもなく何処も悪いところはないわけ。そしたら若いし全部検査しておこうというので、膣内を内視鏡でのぞいたり、指をつっこんで膣壁の触診(そんなのあったかなぁー?)とか。肛門の触診をしたりするんだって。だから食事を抜いてこないから浣腸して便を全部出すんだって。それから指を肛門に入れてグリグリと・・・、だって。若い女の子だから、アウッとあえいだりするわけ。その時は神に感謝だってさ!」

翆「まあ何処も悪くなきゃ、いいじゃん。てもその触診って内科じゃないのかなぁー」

晃子「やっちまうわけよね、産科の狸爺は(笑)」

翆「そりゃ、昔から女好きの先生だもん」

晃子「今度、狸爺のところに配属希望をだすかなぁー、うちは経産婦だしさ・・・」

・・・

小樽は桜が満開といってよいだろう。

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Nikon Freak533. 小樽の旅16. 冬の旅の旅程とモノクロフィルムをデジタル複写する方法

2021年04月27日 | field work

 

美国:左側に堤防があるが雪は堤防の高さまで積もっている。そのままあるくと海へ落ちるよ。

 

小樽市街:屋根から落ちる雪に要注意。この頃耐水用ブーツが必須。

 

 雪のある風景はインパクトある観光資源だが、どこも空いている。特に寒波の来ている時ほど感動ものだが、やはり予めの計画と、ホテルに戻ったら銭湯で暖をとり、地酒で暖まりたい。私流の小樽・積丹の旅程をメモしておく。あわせてフィルム機材のデジタル複写方法についてまとめておく。

 

旅程

2月28日〜3月4日(3泊4日)

小樽に雪が降るのは1月〜2月。12月は降る年と降らない年がある。

往復pesch:この時期超格安チケットが前年に発売される。撮影機材を加えると預け入れ荷物になる。朝一便でゆき、最終便で帰ると4日間フルに使える。

小樽の街を旅の足場にした。ホテルはどこでもよいが私はオーセントホテルの連泊とした。商店街の中にあり銭湯やサウナがついているのがベスト。筋向かいにローソン、隣にドラックストアがあり、繁華街隣接なので食事は便利。尚ゲストハウス・リトルバレルはシャワーしかないが、近所に遅くまでやっている神佛湯(定休月、家族風呂は定休日無し)がある。銭湯が夜遅くまで営業しているこちらも安価で使い勝手がよい。銭湯に入ってから宿にゆくのがお勧め。

逆に運河沿いのホテルは避けたい。まず夕飯が運河沿いのお店と限られてくる。繁華街まで少し歩く。それにホテル内に銭湯があっただろうか?。冬は外から帰ると、その足で銭湯だよ。

積丹半島の冬の交通は、北海道中央バス。12月〜3月間は半島先端の神威岬までバスは行かない。ただし手前の集落である積丹余別までは冬でも1日2往復程度のバスがある。私は美国から先は山沿いの道になり余別の街に古い建築がないので美国往復とした。美国行きは概ね1時間に1本のバスがあり、小樽駅前からの所要時間1時間20分。詳しくはバスの時刻表が参考になる。尚土日はバスの本数が少ない。濃霧で運休することが今年の冬に1回あったと聞いたが、雪で運休することはない。頼りになる。

レンタカーもあるが、私は雪道の走行経験がないし、雪に突っ込んだとき脱出するのも面倒なのでパス。四駆のパジェロでも雪を巻き込めば動かないよ、という青森県人の話を聞いていたからだ。

美国の黄金崎展望台は、冬季は雪のためあがれない。もちろん強引な向きにはゆけなくもないがお勧めはしない。美国のお昼はセイコーマート近所の食堂「やまとみ」が11時から営業しており不定休。寿司屋はやっているように見えない。旅館は冬季全て休業。美国のバス停に観光センターが足場になる。吹雪いているときに外を歩けるのは2〜3時間が限度。それ以上だと冬山の装備が必要。

余談だが、こんな話をギャルにすると、私もいきたーーいとなる。といって連れていったら雪の中で自分の写メを撮ってもう帰ろうよとなる。目的が違う異邦人と心得え、絶対につれていってはならない(笑)。

 

フィルムネガのRAW画像によるデジタル複写方法

 モノクロフィルムを使う理由は、デジタルよりラチュードが広く滑らかな階調が得られ、そして粒状感があることだ。そこで、以前にも書いたがモノクロフィルムをデジタル画像にする方法を再掲しておこう、自分の物忘れ防止のためにも・・・。

 

1.機材(括弧内は私が使用している機材)

○フルサイズデジタル一眼レフ(ニコンDf)

○マクロレンズ(AiAF MicroNikkor60mm/F2.8、近接距離:等倍)

○スライドビュワー(FUJICOLOR、機材と同調すればストロボも可能)

★フィルムデジタイジングアダプター(Nikon ES-2)

★ストリップフィルムフォルダー(NikonFH-4)

★印がついたものは必須。現在ニコン製のみ入手可能。ニコンのマイクロレンズのフィルター系は62mm。従ってアダプターはレンズにそのままつけられる。

なおセットになったニコンフィルムデジタイズアダプターES-2(22,000円)が発売されている。他社製のフィルター径が異なるマクロレンズを使う場合は、ステップアツプリングやエクステンションチューブを使用し、ES-2の口径にあわせる。尚APSサイズ以下の機材の撮影素子は小さいので、エクステンションチューブを複数つなげて鏡胴を延ばす必要がある。私のオリンパス機材のプログを参照のこと。

(番外編309. 私の流儀、オリンパスによるデジタルデュープ 2018年02月22日 )

 

2.撮影時の機材の設定

○画質モード:RAW

○ホワイトバランス:AUTO

○ピクチャーコントロール:スタンダード

○絞り優先:絞りF8〜F11

モノクロフイルムをカラーで複写するのがポイント。

 

(パソコンでの加工)

3.adobe Lightroom classicに取り込む

「ライブラリー→現像→基本補正→ホワイトバランス設定のスポイトアイコン」でパーフォレーション部をクリックする。

 この作業はネガの地色を消す目的でおこない、カラーフィルムでは必須の行程。モノクロフイルムでは、ネガの状態で、この行程を、するかしないかを、判断してもよい。

図1.ネガの地肌の色があれば削除する

 

図2.デジタル複写した状態

 

図3.ネガデータがlightroomに呼び込まれた状態

 

point!→図4.トーンカーブ直線の端部をつかんで上下に動かし傾斜を逆にするとプリント画像に変化する

 

1枚をプリント画像に設定したらLightroom、自動補正をクリック。

次は1枚の設定を他の画像にも適用する。

ライブラリー画面→全ての画像を選択する→設定を同期

これで全部の画像がプリント画像になる。

→書き出し

ファイル名などをつける画面が出てくるので、名前をつけパソコンHDに書き出すと、Macであれば、ピクチャーのフォルダーにファイルができていてプリント状態のデータが全て納まっている。

 尚、Lightroomでフィニッシュまで大量の画像を一度に補正できる利点はあるが、設定が面倒なので私は、photoshopへもってゆき、ここで補正をしている。以下にこの手順をメモしておく。

 

4.Photoshop2020で使用するファイルを開く。

「イメージ→画像の回転→角度をいれる(通例0.2〜2°程度の小さな傾きである)」で画像の傾きを直す。

「ツールバー→イメージ→自動トーン補正、自動コントラスト、自動カラー補正」をクリックすると画面が変化してプリントできる状態になる。

「コピースタンプツール」で周辺の色を記憶させ画面上の傷やゴミの映り込みを消去しておく。

「ツールバー→イメージ→色調補正→レベル補正」で、入力レベルのグラフが登場する。

「グラフ下段の左ボックスに5〜30の間の数値」を入れると黒がしまってくる。数値はプリントデータの状態を見て判断する。

「ツールバー→フィルータ→シャープ」

「ツールバー→イメージ→画像解像度→1024dpi」gooのアップ解像度である。

 

図5.全ての操作を終えた状態

 

5.フィルムと現像について

 35mmモノクロフィルムはKodak TRI-X400、36枚撮りを使用している。高感度フィルムであり粒子は粗いのが特徴。価格は898円/本。その他のフィルムはアマゾンに多数ある。

 フィルムを使うと現像は、機材や薬品を調達し技術を磨いて自分でやるか(高校の時私はそうしていた。結構綺麗に仕上がる)、あるいは現像所(プロラボ)に出す。但し現像所は選びたい。私は、東京の写真弘社を利用している。本日時点の現像料金は税込み価格で900円/本、増感現像は450円/本増し。尚ヨドバシなどもフィルム現像を受け付けてくれるが、最後はFUJIの現像所送りとなり大変高く遅い。であればレターパックを用いて現像所へ直接送ったほうが安い。

 

6.あとがき

 そんなわけで、フィルム画像は印画紙にプリントすれば、パソコン画面よりはるかに綺麗。フィルムは高いので乱写はではない。そこで画像を取捨選択したり、1枚の画面に被写体をどのように構成するかの感性、さらには結果がすぐに確認できないので、現場の光を読みながら結果を予想できる感性が必要。そんな風に感性を働かせる場面が実は、大変多い。

 

明日から、「小説:小樽の翆」に戻ります。

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Nikon Freak532. 小樽の旅15. 函館本線

2021年04月26日 | field work

 

 小樽の街に別れを告げ、海岸線を新千歳に向かう途中の函館本線のランドスケープが面白い。僅かな区間でしかないが、それでも線路が海際を走り、波の高いときはどうなるんだろう。そんな時に乗ってみたいと思うが、多分運休だろう。

かっては本州との連絡路線であり多くの特急列車が走っていた函館本線も、北海道新幹線が札幌まで開通すれば、地元運営の鉄道会社になるか、小樽〜倶知安間の沿線人口が少ないから廃線されてバスに置き換えられるかもしれない。

列車の窓は、冬の積雪で大いに汚れているから風景がストレートにみられるわけではない。ああっ、惜しいな、せっかくの夕方の空なのにと思う。だがここは、最近のphotoshopの力が大きい。

先ずトーンカーブを用いてトーンを大いに変化させ、ガラス窓の汚れを消し去り、ついで彩度をあげ、カラーバランスをコンタックス風の色にしてしまえば画像として見られるようになる。そこまではしなくてもオートで補正すればよく、その比較画像を下段に張っておく。

三泊四日の旅も、寒波がきたときの風景は魅力的だった。冬の時期しかない、こんなに充実した旅ならあと数日ぐらい滞在していたら、もっといろんな発見があっただろう。

おそらく最後の冬を経験できたことは幸いだった。この時期を逃すと、ランドスケープは雪の汚れがめだってくるだけだ。

新千歳空港で、大半の荷物を宅急便で送り、六花亭のストロベリーチョコをお土産にし、ラーメン横丁の白樺亭で味噌ラーメンをすすり、あとはpeachの機上で本を読んでいたら、なんなく関空へついた。飛行機は10分遅れだったが最終リムジンバスまで20分はある。関空の冷たい風が暖かく感じる。

 

補記

 小樽から関西へ帰りたいとする。快適なフェリーがあるではないかとするWEBの意見が多い。しかし京都人にとっては飛行機しかないと断言しておく。

新日本海フェリー小樽発は、時間どおりに動いたとして21時15分舞鶴着。そのあとJR東舞鶴駅から京都駅まで当日に到着できる列車がありませんし、高速バスも同様です。従って舞鶴泊まりとなります。しかも舞鶴の宿は概して高い。快適なフェリーの中で1日すごしたあと、そんな舞鶴の宿というのがいただけない。むしろ日本海の荒波で4時間ぐらい遅れてくれれば、朝のJRや高速バスで帰ることができるけど・・・。

また新日本海フェリー苫小牧発だと敦賀港20:30分着。これなら敦賀駅から新快速も特急もあるので当日中に京都に帰れる。ただしフェリーが同様の理由で遅れたら敦賀泊まりである。敦賀には東横インがあったけど・・・。

どちらにしても不安定要因があり、京都人にとっては使えない交通手段だ。こういうのは、何かの時の非常手段だと理解しておいた方がよい。

フェリーが夜発着としているのも道路渋滞を避けての事だろうから、車以外のビジターにとっては使えない移動手段だ。

それを思うとトワイライトエキスプレスがあればよかったねと鉄ちゃんはいうかな。札幌-京都の所要時間は、22時間30分。フェリーより遅い(笑)。

 

2021年3月3日 函館本線小樽-手稲

NikonDf,Carl Zeiss Distagon25mm/F2.8T*ZF

1)ISO400,露出補正0,f/8,1/200

2)ISO400,露出補正0,f/8,1/640

3)ISO400,露出補正0,f/8,1/400

4)ISO400,露出補正0,f/8,1/400

5)ISO400,露出補正0,f/8,1/400

6)ISO400,露出補正0,f/8,1/320

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Nikon Freak531. 小樽の旅14. 小説の舞台を歩く

2021年04月25日 | field work

 

 「小説:小樽の翆」に登場した舞台を歩いてみた。最初は、小説の舞台をあるくなんて、何を気取ってんだかと思った。私は作家ではないが、自分でクリエイションした小説の舞台をあるく経験は、感性的な面白さがあることを発見した。

それは読者が小説の舞台を歩く経験とは異なり、小説を書いた人間にしかわからない感じ方だ。

翼君がアルバイトで管理している海沿いのコテージ、光凛さんとデートの場所でもある。小説のスケッチでは、建築の形はモダンにしてしまった。だが海沿いのテラスは描き忘れたから、今度小説では増築してしまおう。高校に進学した翼君と光凛さんが夜のテラスで、函館本線の列車の灯がチカチカと激しく通過するなかで、逢い引きをする場面にしようかなとイメージは膨らむ。

ここが美希姉ちゃんと彼氏の待ち合わせ場所だった小樽築港のマック。小説はWEB情報で描いたが、壁の位置が逆だった。それでも奥まった席が、落ち着いていて長居できそうであることには変わらない。

ここが翆が努めている総合病院だ。感染病棟もあり晃子さんや産婦人科の狸爺もいる。夜中に看護師仲間で夜の会話に花が咲いているかもしれない。

ここがアチキと翆の逢い引き場所だった神佛温泉の家族風呂。ここは筆者も実際に家族風呂を利用したから小説の通だ。もちろんここの経営者は、こんな小説を読むことはないだろうから、大いに逢い引きの場所に使わせてもらっている。

翆からことづかり正月のお餅を調達したツルヤも現在だ。ツルヤを舞台にしたストーリーか。老舗の若旦那の逢い引きかなぁー(笑)。

小春が、今年の春から通い出す菁園中学校もあった。後ろが小樽公園であり、眼下に町のランドスケープが広がる素晴らしい場所だ。えっ!、予想外に良い立地じゃん。これは、もっと小説に使えそうな場所だよ。街の明かりを背景にして小春とユウ君との逢い引きなんかよさげた。それに隣が小学校だったなんて知らなかったよ。小説に書きそびれた話だった。

明菜姉ちゃんは実際にある隣の画材屋へ出入りし、このコロンビア珈琲で700円のフルーツパフェをアチキに、おごってもらっていた。もちろこのブログでも正月すぎにスケッチしてアップさせている。実はここのプリンが、昔の家庭の味で素朴なおいしさがある。

もちろん翆の家もあるし、ツカモッチャン先生の家もあるけど、個人所有なので画像は遠慮しておこう。

そんな風に小説に登場した舞台は、文章とスケッチとでクリエイションしてきた私にとって独特の興味がある。私だけに意味づけられた風景といってもよいだろう。だから写真を撮っていても、漫然と眼についた風景を撮ったのとは異なり、個人的に意味づけられた面白さがあり、そんな風景に再開できた感動もある。

なるほど小説家というのは、クリエイティブをした人にしかわからない感性的な世界をひた隠しにしていたか、というのが発見である。そりゃ評論家だってわからんよな。通例は作家の内的世界と称して、立ち入れないのだが。

そんな感性にひたりたければ、人に読まれようと、読まれまいと、純文学であれ官能小説であれジャンルなどはなんでもよく、何よりも自分で文章を書き、スケッチを描き、クリエイションしてみることをオススメする。そうすると小説の舞台の先に、小説の登場人物の姿や生活を発見することができるだろう。

あっ、翆がいる、美希姉ちゃんも小春もいる、といった具合に登場人物達が、私に語りかけてくる。そんな親近感を持って街を眺めることができる。それは読者のように意識のなかで概念化された理解で訪ね歩くのとは異なり、相当のリアリティを持ってクリエイションをしてきた人間にしかわからない独特の感性をもって語りかけてくる。

 

2021年2月28日 小樽市

NikonDf,Carl Zeiss Distagon25mm/F2.8T*ZF

1)ISO450,露出補正0,f/11,1/1000

2)ISO2200,露出補正0,f/8,1/1000

3)ISO100,露出補正0,f/8,1/250

4)ISO160,露出補正0,f/8,1/250

5)ISO400,露出補正0,f/11,1/800

6)ISO280,露出補正0,f/8,1/250

7)ISO4000,露出補正0,f/4,1/80

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Nikon Freak530. 小樽の旅13. 小樽繁栄時代

2021年04月24日 | field work

 

 小樽築港に着いたとき、真っ先にイオンへ立ち寄った。3日分の朝飯の調達である。そとてイオンから花園まで歩いた。

小樽の歴史はWikによれば、1596年に文献上最初の入植者があり、その後松前藩の商場として、さらに明治には物流拠点として栄えていた。道内初の鉄道も1880年に小樽市内の手宮から札幌迄が敷設され、以後札幌に本府がおかれても海の玄関口としてヒトやモノの集散地であった、と記述してある。

 戦後、ニシン漁の不漁、樺太の喪失、石炭需要の減少にともなって小樽は衰退してゆくわけであるが、明治以降の近代建築群が今でも残されている。そうした近代様式が和風民家様式へはいりこみ、その断片を今でも少しばかり見かけることができる。

 樺太という言葉から、戦前の大陸との往来で小樽の街が大いに賑わっていたのだろう。外来の空気、それを思いおこせば中国・上海を思い出す。日本の上海だったのか。そんなイメージをもつと、少し往事の残渣をさぐりたい気分だ。

 私が小樽の街に関心をもったのも、そんな渡来地としての小樽だったのかもしれない。繁栄の頃の残渣が生活のなかにあると面白いというのが、「小説:小樽の翆」を書き、描き始めた動機だったか・・・。

 小説に登場する小春のキャラクターは、まさに渡来人の血筋かなぁーと思ったりする。

 

追伸

京都は、明日から17日間の緊急事態宣言になってしまった。

どうせエアロビクス教室も連休中はお休みだったので、こちらの被害は最小限ですみそうだ。

従ってダイエットも2週間はお休み、目標値まであと400gだったのに惜しかった。

400gなら衣服を脱げばそれぐらい減るよなどといわないで欲しい。

更衣室の秤だから衣服無しです。

つまりウェイトトレーニングで筋力をつけながら体脂肪率を減らして減量しているわけです。

だから簡単には減らないのです、そのかわり簡単には太らないけど。

そんなわけで家にこもりブログのイラストを描き続けます。だからこのシリーズ4回後は、また小説:小樽の翆です。

またウィルス感染の分析もしたいところだけど、顕著な兆候が数値で見えないとね、一ヶ月後かな。

 

2021年2月28日 小樽市

NikonDf,Carl Zeiss Distagon25mm/F2.8T*ZF

1)ISO100,露出補正0,f/8,1/250

2)ISO100,露出補正0,f/8,1/250

3)ISO100,露出補正0,f/8,1/250

4)ISO100,露出補正0,f/8,1/250

5)ISO400,露出補正0,f/11,1/800

6)ISO8000,露出補正0,f/8,1/30

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Nikon Freak529. 小樽の旅12. 感性のなせる技

2021年04月23日 | field work

 

 小樽駅に向かう道すがら、花園商店街の一角の空地の先に、おや!、こんな路地もあったか。

小樽の路地はどれも短いのだが、お古でさびた感じがよい。

といって隙間からマンションが顔を出したりするので、不要物は隠しながら、お古の絵づくりだ。

まだ、こんな風景に遭遇できるあたりがラッキーと考えるべきだろう。

花園街の中心を、函館本線の高架線が縦断してゆく。

昔は線路が地平を走っていた。

そんな光景を想像すると、ボイラーの太いC62が轟音と警笛を鳴らしながら商店街の間を抜けてゆく。

そんなC62と街を俯瞰して撮影した様子は迫力がありそうだ。

商店街のなかをかき分けてゆくC62・・・。

そんな写真は、ないなぁー。

なにしろ鉄ちゃんは街に興味がないし、街歩きの人間は鉄道如きに興味をもつのは子供だという認識があった時代だ。

私ならC62と街を俯瞰して撮りたかった。

それは、画像として面白いからだ。

どんよりとした街の空気だ。やはりフィルム撮影は正解だった。

綺麗な画像だと思われる。

・・・・

さて、花銀通りに出ようとすると、通りに、おっ、翆だ!

おもわずそう声をかけたくなるのは、小説を書いてきた人間の感性のなせる技。

そんな風に小説をクリエイションして街歩きをするというのは、書いている人にしかわからない街の空気や親近感が経験できる。

作家は、そんな楽しい経験をしていたのか。それは面白い発見だった。

 

2021年3月3日 小樽市花園

NikonF3HD+MD4、Carl Zeiss PlanerT*ZF2,50mm/F1.4、Tri-X

フィルム現像:写真弘社

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Nikon Freak528. 小樽の旅11. 図書館のこんな使い方があったか・・・

2021年04月22日 | field work

 

 トップの画像は、個人的に好きな画像。

多分小樽の生活の空気が漂っているからだろう。

古い民家があったり、列車が通ると、ついカメラを構えてしまう。

ニコンF3HD+MD4には、標準レンズが調度よく使いやすいことに気がついた頃だ。

さて、旅に出て図書館にゆく。そんな旅人は、まずいない。

小樽も北海道のなかでは早くから開かれた街だから近代の歴史がある。

時間も余り図書館で小樽の古地図を物色しようというわけだ。

図書館の受付に探してもらうと、結構あるではないか。

使えそうな他図は、明治35年小樽明細図とか明治44年小樽全図か・・・。

あとは大正13年小樽市街図、昭和11年小樽市街図・・・。

小樽の都市形成論は、既に誰かが論文にしていたから、少し違う視点で論文を書くと面白いかもな・・・・・。

それにしても紙媒体じゃもらってもなぁー、とつぶやいていたら「何に使うんですか?」と尋ねてくるから・・・、

「学術論文に使うかもしれない」。

そう答えたら別の司書がやってきた。こちらがライブラリアンだったか。

それでリストなど見せてくれて、データを取得する方法などを尋ねていた。

相手が専門家とわかると、突然専門のライブラリアンが登場するのが面白い。

普段は、市民相手の些末な文献探しぐらいの仕事しかないのだろう。

おそらく、そんな専門家が公立図書館にくるなんて機会が少ないのだろう。

こちらは、文献リストから使えそうなデータのリストをアップさせて、あとはメールでやりとりしようかな。

そんなわけで、感染時代の1時間指定の在籍で、早々に立ち去り背後の小樽公園を徘徊することにした。

一巡して、なにしろ2mの吹きだまりと腰まで沈む雪が厚くかぶった団子坂を降りてきたのだから、雪まみれだ。

そこで図書館に戻り、機材のレンズの前面にたまりこんだ雪などを払い小休止だ。

図書館が雪の街の行動拠点になる、そんな使い道があったか。

それから、於古発川に沿って下っていった。

おおっ!、あの川の上に立つ独特の風貌の妙見市場の建物が綺麗になくなり、目下護岸の整備工事をしているではないか。

やはり昨年撮影しておいてよかったぜ。

いずれ小樽の街にしっとりと溶け込んだ古い建築がなくなり、新しい建築と文化財だけとなり、「街も綺麗になったから是非お越しください!」といわれても、

そんなつまんない街には、ゆかねえよ。

古いモノがあるうちに、そして生活の臭いがするうちに訪れ、撮影しておかなきゃだよね。

その頃になって市の役人達は、はじめて気がつくはずだ。

何を求めて小樽を訪れたかとする旅人の心情を・・・。

妙見市場(2020年3月21日撮影)

 

2021年3月3日 小樽市花園

NikonF3HD+MD4,Carl Zeiss PlanerT*50mm/F1.4ZF2、Tri-X

フィルム現像:写真弘社

過去画像、SONY α6600,E18-135mm/F3.5-5.6OSS、ISO400、焦点距離47mm、露出補正-0.7,f/13,1/80

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Nikon Freak527. 小樽の旅10. 吹きだまり

2021年04月21日 | field work

 

 小樽に出かけた時の撮影機材システムは簡単。

NikonF3HP+MD4に、Planar50mm/F1.4T*ZF2

Nikon Dfに、Distagon25mm/F2.8T*ZF

どうせ寒いんだから手袋を付けたままボタンを突っつくのは無理や、ここはアナログの方が便利だ。

それでも、機材&フィルム総重量3.364kg、リュックが1kg弱あるから、Peachの持込手荷物7kg制限だと、あと2.6kgしか荷物が入らへん。

さて寒波が来ている最中に積丹半島へ出かけた。

横殴りの雪のなかを30分も歩けば機材は雪まみれ。特に防滴仕様ではないが、それでも動作するのはありがたい。

この程度ならまだよった。

翌日、小高い丘の上にある小樽公園から街へ下ろうと思ったら道なんか雪の下で不明。

でっ、地元の人に尋ねた。

「菁園中学の方へ下りたいんだけど!?」

「団子坂をおりればいいですよ」というので雪の上に地図を描いて丁寧に教えてくれはった。

そのとおりに歩いたら、道なんかあらへんのよ。

よう見ると目の前に高さ2mの吹きだまりができているわけ。

ここを、越えろちゅうことかなぁー!?。

でっ吹きだまりに体当たりしたら、その先に急傾斜に下る空間が見えてる。

ここかあー、ちゅうので降り始めたら、おおっ!、美しいではないか・・・

そう思って下っていったら次第に腰まで沈んでゆくわけ。

ああっ!、だよ・・・

都会の真ん中で遭難はやだぜ。

だからせめて写真ぐらいは撮っておこうと思ったん。

もう一枚と思たら身体がずんと沈んで、それでも撮ったらレンズの前にへばりついた雪が写ったん。

アチャー、黒いボディが白に変わってるじゃん。

雪を振り払ったら氷になってボディにへばりついてる。

それでも機材は壊れへんかったから、このシステム、雪んときはええんちゃう。

このシステムで、また雪の小樽の街を歩きたいけどなあ・・・。

(3月5日記)

 

2021年3月2日 小樽公園

NikonDf,Distagon25mm/F2.8

1)ISO400,露出補正0,f/11,1/1000

2)ISO400,露出補正0,f/11,1/1000

3)ISO400,露出補正0,f/11,1/100

4)iPhon7

ISO20,3.99mm,露出補正0,f/1.8,1/638

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Nikon Freak526. 小樽の旅9. 小樽の路地

2021年04月20日 | field work

 

 列車が小樽駅に到着する直前に見える街の路地が気になっていた。

それは国道5号線から嵐山通を海に向かい、ほどなく左手に、これはいかにもという路地があった。

1棟の大きな民家に多数の小さな飲み屋が集積している路地である。

ぅオッ、凄い!、昭和のランドスケープだ。

画像をみたら、フィルムが大変綺麗に写し撮っていた。

すごい!、フィルムのトライ-XとニコンF3の露出計がドンピシャで合っている。

もちろんコロナ禍で多くの店は閉まっていた。

それでも通路を設けるためにかき分けられた雪が、家の軒先まであるなんていかにも雪国ではないか。

ここまでくると感染なんか怖がるようでは、来れない飲み屋ばかりだ。

地酒専門店をWEBサイトで引くと、「店主が急病により12月16日以降休業しています」とあった。

ついにコロナにあたっちまったか?。

あたっても不思議はない、きわどさがこの路地に漂う。

だか、このランドスケープの路地ぐらいは撮影しておきたい。

そうしておかないと、さっさとビルに建て変わってしまう可能性が大きい。

意を決して路地を乱写し通り過ぎた。

そんな路地を徘徊していると、身体も冷えてくる。

私は、通り過ぎつつ乱写し、おでん屋ふじりんへ向かった。

調べると我が母校の先輩であり、居酒屋探訪家兼グラフィックデザイナーの太田和彦さんもきていたらしい。

多分彼は、朝倉教授か高山教授に教わっていたのだろう。

私も教わったけど・・・。そんな話は、どうでもいいか。

増毛の酒「鬼ごろし」で旬のニシンの刺身とおでんで夕飯だ。

今は9時で閉店は、むしろありがたい。

早く帰れて、ホテルの銭湯にもう一度行けるからだ。

感染症のライフスタイルも、そんなに悪いモノではない。

明日も早いから、ホテルの銭湯で暖まり、早々に寝てしまおう。

 

2021年3月2日、3日 小樽市花園

NikonF3HP+MD4,Carl Zeiss PlanerT*50mm/F1.4ZF2、Tri-X

フィルム現像:写真弘社

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Nikon Freak525. 小樽の旅8. 近代建築へ義理!

2021年04月19日 | field work

 

 オーセントホテルから海側へ下れば、近代建築を通り抜けて運河沿いの倉庫群にゆく。

一応建築の人間だから、近代建築に義理を立てながら・・・。

トライ-Xで撮影すると、退屈で思わせぶりな近代建築群もいいじゃん。

まあ建築というよりは、フィルムのおかげなんだけど・・・、といったら建築の研究者としては不謹慎か。

もう一つニコンF3の露出計は中央重点測光が、スポット測光に近い露出をたたき出すので光を巧みに拾い出してくれる。

つまり露出がいい感じに決まる。

振り返るとオーセントホテルがある。

現代建築家は、近代建築をつくってきた名うての建築家ほどには才能がないので、あれで我慢しよう。

屋上は、チャペルではなくせめて望楼にしてくれた方が海の眺めを経験できて良いのだが・・・。

オーセントホテルの良いところは、商店街に顔を並べて裏口とベーカリーを設けていること、銭湯が付いていることにつきる。

雪のフィールドから帰って銭湯にはいれるのはありがたい。

おかげて部屋のユニットバスを使うことなく、毎日銭湯通いだった。

あとは部屋に電子レンジでもあればよいのだけど・・・。

不用なのは最上階のレストラン。

おそらく近代建築越しに海が見えるようにしたのだろうと推測。

営業していないのでは論外だ。

それより1階のロビーの半分をレストランにして街に向かって店を構えればよい。

目の前に市の文化財であるレンガ館と緩い坂道、ここで朝早くから夜遅くまでやっている街評判のキュイジーヌを設けることを提案したいね。

その方がはるかに繁盛するだろうし、小樽は朝飯を食べるところが少ないから好都合だ。

昔のように宿泊客だけに食事を提供すればよい時代ではないし、またわざわざホテルまで食事にゆく時代でもない。

立地もよくクラシックな外観も街に合っているだけにおしかったな。

そこまで知恵が働かない経済優先のオーナーや才能に恵まれなかった建築設計者だったのだろう。

街の賑わいに貢献できてこそホテルのキュイジーヌだ。

近代建築と見比べると、そんなことを考えてしまう。

 

2021年3月2日 小樽市

NikonF3HD+MD4,Carl Zeiss PlanerT*50mm/F1.4ZF2、Tri-X

フィルム現像:写真弘社

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Nikon Freak524. 小樽の旅7. 寒波の街

2021年04月18日 | field work

 

 外を歩く気もおれる寒波の日、美国から戻りホテルの銭湯につかった余裕で、ニコンF3HP+MD4に標準レンズだけつけて運河街へ。

 

後ろを振り返ると、強い風が街の雪をビルの高さまで舞いあげて、街路に沿って生き物のように走り抜けてゆく。

寒波がくるというのは、こういうことか・・・。

空気は、びんびんに冷えている。

背中のホッカイロが、効いているのか・・・。

そんな光景を背にして運河沿いの倉庫群に向かう。

おおっ!、西からの風が倉庫群の屋根の雪を舞あげている。

そんな光景に、しばらく立ち尽くしていた。

 

これこそ撮らなきゃ・・・。

そのうちにフィルムがお終いになる。

フィルム交換!。

酷寒の中手袋を外し、素手で凍てついたボタンを操作しフィルムの入れ替えをする。

こんな時に限ってフィルムの先端がスプロケットに容易に入らなかったりして・・・。

練習して慣れる必要がありそうだ。これがフィルム機材の宿命だ。

こんなときデジタル機材の方が便利だが、それをいってちゃフィルム機材は使いこなせない。

 

フィルムを入れ替えたばかりだから、その辺のなんの変哲もないストリートでも・・・・。

後日、現像から上がってきたネガをみたら、オオッ!、デジタルでは撮れない光の写り方やボケ方に感心する。

トライXは街の光を捕まえ情緒的にぼかしてくれる。

こんな情緒的な空気はフィルムでしか撮れない。

しばらく撮影に没頭していた。

といったってホテルから運河への道を往復しただけなんだが。

さて夜10時までやっているコロンビア珈琲で夕飯を食べて、再度ホテルの銭湯に駆け込もう。

 

2021年3月2日 小樽市花園

NikonF3HD+MD4,Carl Zeiss PlanerT*50mm/F1.4ZF2、Tri-X

現像:写真弘社

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Nikon Freak523. 小樽の旅6. 夜の街

2021年04月17日 | field work

 

 フィルム機材を持ち出して夜の雪の街の散策だ。

待ち望んでいた撮影チャンスだ。

だがニコンF3のファインダーを見てもピントがわかりにくい。

暗いのか、接眼部が曇っているのか。

こういうときオートフォーカスだって。

それ違うな!、オートフォーカスは大粒の雪にピントを合わせてくれる。

「小説:小樽の翆」で取り上げたあたりから歩き始め、入船町、花園と、比較的狭いところにある私だけが意味を持つ街だ。

そんな街歩きでフィルム機材固有の光とボケを捕まえたい。

フィルムはISO1600増感現像を前提で、レンズの開放絞りを活用し、時としてネガをみれば街は建築模型のようだ。

なんでもピントを合わせなきゃ、という気力は寒さで失せている。

ピントも怪しく、手振れしている、寒いけど、撮っておこうとする意欲で十分だ。

ザクッ、ザクッと凍結し始めた雪を踏みしめる感触も久しぶりだ。

そんな散策は楽しいけど、外を歩けるのは2時間が限度かな。

気温は零下。

コンビニで珈琲、車が湯気を立てている。

今晩は、うみのやでヒレカツ定食だな。

 

2021年3月1日、2日 小樽市花園、入舟町

NikonF3HD+MD4,Carl Zeiss PlanerT*50mm/F1.4ZF2、Tri-X

現像:写真弘社

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Nikon Freak522.  小樽の旅5. 寒波2.

2021年04月16日 | field work

 

 寒波がきている積丹半島は、被写体が多い。

おしむらくは人間を撮りたいが、こう寒くては外を歩いていない。

そもそも帰りのバスだって余市まで私一人しか乗っていないのだから、走っていること自体が奇跡に近い。

積丹半島の突端神威岬までは、美国からバスを乗り換える。

冬季は神威岬の集落までバスはあるが、その先はゆかない。

神威岬の集落は、新建材の住宅ばかりだろうと推測。

それに美国から道は、海岸線を離れ山道をゆくので撮影意欲なし。

そんなわけで美国で、寒波が巻き上げるパウタースノウの白い風景をタップリ撮影できたのが素晴らしい。

ファインダーなんか雪がこびりついてピントなんかよくわからん。

 

そうだ、来年も寒波の時に来よう。

寒波予報は3日前にはハッキリわかる。

だから飛行機の便変更可能なチケットを事前に購入しておけばよい。

どうせこんな時期に小樽の宿は、何処でも空いている。

あとは過去の天気予報をみて濃霧や寒波の来る気象配置などを研究するほかない。

寒波を挟んで4泊5日ぐらい来ようと、心は早くも次の冬の小樽・積丹に飛んでいる。

 

そんな美国の集落を徘徊し、再び「やまとみ」の味噌ラーメンで身体を温めて帰る。

そういえば小樽へきたとき毎日札幌ラーメンを食べていた。

この土地では冬必須の食べ物だろう。

今回は、その食材の写真をまったく撮っていなかった。

寒くて、そこまで気力が回らない。

食材撮影用のiPhonを突っつくのも煩わしくなる。

いや既にスマホのバッテリーがなくなっている。

寒いとバッテリーの消耗が早い。

寒いと、すべての活力喪失!。

 

2021年3月3日 積丹町美国

NikonF3HD+MD4,Carl Zeiss PlanerT*50mm/F1.4ZF2、Tri-X

フィルム現像:写真弘社

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