都市が完成するまでに少なくとも30年位の年月を要する。その間に経済は好景気と不況を繰り返すので、都市づくりにも影響を与える。「みなとみらい21」でも1990年代のバブル経済不況の影響を受けている。この時期から、比較的安易な事業が随所に出現し、現在に至っている。
この写真は、みなとみらい21地区の北側に当たるが、高層高密度居住施設群が林立している。住戸の窓から眺めれば、隣の棟の部屋が見えるといった具合であれば、海沿いという立地を活かしたデザインとは言えない可能性もでてくるだろう。不況に翻弄された結果のようにも見える。にもかかわらず現時点では、賃貸ベースで10万~70万/月と比較的高価格である。
人口が減少し社会基盤が変わりつつあり、核家族からみんなで住もうとするライフスタイルへと変化している。だからこの居住施設群が採用している核家族用プランは、過去の遺産となってしまった。
そして最近の金融市場の混乱が追い打ちをかけるだろう。例えば六本木通りの実売地価が、昨年2,000万円/坪から今年は200万円/坪と1/10に激下している話を聞くと、この高層高密度居住施設群に、一体誰が住むのだろうかとする疑問も沸いてくる。それに高層高密度居住で分譲しても共有となる土地は猫の額にしかならず、居住者にとって資産価値がないに等しい。また建築は一度つくると、少なくても30年は建ち続ける。つまりあと30年はこの単調な風景が続くのである。経済動向でそんな負の遺産を創り出してしまうことも都市づくりの運命なのだろう。
微かな期待を言えば、この全ての住戸に明かりが灯り、子供達の元気な声が聞こえてくることを祈りたい。負の遺産も居住者の生活の運営で、回復して欲しいと思われる。
個人的な事だが、建築学会大会への参加があり、このプログも来週の月曜日ぐらい迄休みます。
Fuji FinepixS5pro,AF-NikkorF2.8/35-70mm
この写真は、みなとみらい21地区の北側に当たるが、高層高密度居住施設群が林立している。住戸の窓から眺めれば、隣の棟の部屋が見えるといった具合であれば、海沿いという立地を活かしたデザインとは言えない可能性もでてくるだろう。不況に翻弄された結果のようにも見える。にもかかわらず現時点では、賃貸ベースで10万~70万/月と比較的高価格である。
人口が減少し社会基盤が変わりつつあり、核家族からみんなで住もうとするライフスタイルへと変化している。だからこの居住施設群が採用している核家族用プランは、過去の遺産となってしまった。
そして最近の金融市場の混乱が追い打ちをかけるだろう。例えば六本木通りの実売地価が、昨年2,000万円/坪から今年は200万円/坪と1/10に激下している話を聞くと、この高層高密度居住施設群に、一体誰が住むのだろうかとする疑問も沸いてくる。それに高層高密度居住で分譲しても共有となる土地は猫の額にしかならず、居住者にとって資産価値がないに等しい。また建築は一度つくると、少なくても30年は建ち続ける。つまりあと30年はこの単調な風景が続くのである。経済動向でそんな負の遺産を創り出してしまうことも都市づくりの運命なのだろう。
微かな期待を言えば、この全ての住戸に明かりが灯り、子供達の元気な声が聞こえてくることを祈りたい。負の遺産も居住者の生活の運営で、回復して欲しいと思われる。
個人的な事だが、建築学会大会への参加があり、このプログも来週の月曜日ぐらい迄休みます。
Fuji FinepixS5pro,AF-NikkorF2.8/35-70mm