先週は、博士論文の審査に始まり毎日多忙だったが、さて今週は静かだろう。いや退屈な一週間かもしれない。
こういうとき旅に出るチャンスだが、さてどこへ行くかが難問。出かけたことがない記憶を探すと、島根、鹿児島、宮崎とあるが、京都始発の寝台特急「なは」があったころならば、気軽に飛び乗って翌朝は鹿児島だという気軽な行程もあった。
寝台列車に乗った記憶を思い起こすと東京から青森へゆく「ゆうずる」や大阪へ行く「銀河」を思い出す。寝台列車は、 夜行バスと違って体を横に出来るので、レールの継ぎ目の音が心地よく眠りに誘ってくれる。ふと眼が醒めると小窓から容赦なく後ろへ飛び去ってゆく朝の風景を眺め、ここはどこだろうと思う瞬間が心地よく記憶に残っている。いま寝台列車は、東京-瀬戸・出雲をむすぶ1本しかない。
知らない街を訪れるのに寝台列車はなんとも情緒のある移動手段だったが、今は知らない街がないぐらい全国の情報がWEB上に乗せられ、知らない街という概念自体も寝台特急とともになくなってしまった。
それは全国が皆同じような街になりつつあることだろう。今それぞれの土地の個性は、膨大な商品の違いぐらいの意味しか持たない。ひとは旅ではなくイベントを求めて移動してゆく。
そう考えると、旅という言葉も死語になりつつある。CS放送の旅チャンネルという番組の終わりは、そんなことを示唆しているのではないだろうか。寝台特急、知らない街、旅、今それらはなくなりつつある概念だといってよい。
さて今日は、この季節で始めてダウンコートで出勤した。その季節は、秋なのか冬なのかと問われたら、間違いなく京都は冬だと思われる。
沖縄県・万座
Nikon Coolpix AW130
ISO200,焦点距離9.2mm(51mm相当),露出補正0,f4.3,1/30