いつも東京と京都の気温の温度差を比較しているが、2度位の相違でしかないと記憶している。それでは大差ないのだが、建物の構造で、体感温度は違ってくる。
横浜の公団ではRC造だった上に、上下左右に住戸があるから、それらの余熱で、私の住まいは結構暖かかった。長く棲んだが、冬の寒さというものをあまり実感しなかった。こういう点では、マンション暮らしというのは、とても快適である。
京都は、長屋だから左右の壁は接しているので、少しは寒さを緩和しているのかも知れない。だが上下というか、地面と屋根上の冷たさは居室へ伝わってくる。
一番寒いのは、6面を外気や地面と接する郊外の戸建て住宅だろう。だが最近のハウジングメーカーの商品化住宅は、断熱性や気密性がすこぶる高く、外気の寒さを緩和してくれる優れものである。
こんな風に考えてゆくと、建築のデザインによって寒さをしのぐ度合いは異なってくる。日本の家は、吉田兼好の徒然草にあるように「夏をもって旨とすべし」であるから、通風の良い夏向きの家を基本とする歴史なのだが、それでは冬は寒すぎる。京都の冬は、しばれるんですよ。
天龍寺,2007年
Fuji FinepixS5pro,MakroPlanarF2/100mm