Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE1502. レム睡眠

2017年11月27日 | diving

 人間の睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠とがあり、それらを交互に繰り返すというのが科学の説だ。どっちが浅い睡眠だったかをウィキペディアで調べてもレムとノンレムの定義がされていないまま記述されている。この書き方は学校教育の教科書的書き方みたいでまずい。でっ、別のサイトで理解した。余談だが、ウィキペディアの英文はURLでわかるが、仏文など他の海外言語でのスペルを、この日本語トップページで調べてもわからない。やはり教科書的だな!、である。

 実をいうと私たちは、小学校からこうしただるい説明の元に勉強してきた。なんでそんなまわりくどい教え方をするんだろうか。そのために、こちらは混乱し挙げ句の果てにわからないと投げ出してしまう。

 アカデミックの世界に身をおいた人間としては、どうしてもあの教科書的なまわりくどい詰め込み主義の教え方はよくわからない。最初に定義を明確にしておけばよいのだが、階層以降の余計な知識を最初から盛り込もうとする、てんこ盛り状態なのだ。これを明確に教えようとするならば、最上位の概念とその構造を一番最初に明確に説明すべきなのが本来の解説であり、階層つまり種類が云々は知識構造を明確化してからの話だろう。

 つまり知識だけで書くからそんな貧しい書き方になる。私にいわせると定義と構造が説明されないまま、混乱しつつ世の中が進んでいるといわざるを得ない。こちらは先ず定義と構造をたずねているのに、階層つまり種類があるという話は訪ねていないのだ。科学的には階層よりは構造が先でしょ。やはり肝心なことは先にいえよ。教科書の記述や解説の貧しさが学問の嫌いな人間と陰湿な性格を形成していると私は考えている。

 話題が大いにそれた。

 夢は、眠り方が浅いレム睡眠の時にどんな夢かを覚えている。ノンレム睡眠では、脳自体が休んでいるので夢を記憶していることはない。夢を見たというのはレム睡眠の時なのだ。

 例えば、日頃金持ちになりたい、といってそうなる夢をみるわけでもなく、反対の貧乏物語でもない。そこには、そうした金持ち-貧乏軸とは少し違う夢が登場する。フロイド流にいわせれば、それは本人が自覚していない潜在意識からの産物だということになる。でっ、そのことをブログに書こうと思って頭で整理していたのだが、実は整理している過程も夢の中であった。おかげて日曜日の朝は、ばっちり寝坊した。

 さて寒いところから旅するのには、こたつから抜け出すような勇気がいる。今日の京都は寒さが揺らいできた。この少し暖かいときを利用して沖縄へゆこう。


沖縄県久場島

OLUMPUS E-M1 M.ZUIKO DG FISHEEYE8mm

ISO200.露出補正-0.7,f/3.2,1/1000


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Nikon Freak137. 心は・・・暖かい沖縄

2017年11月26日 | diving

  今日は、終日雑用だった、と書いても11月24日(金)のことなので日にちはずれている。やはり当日の最後に書くべきなのだろうと思った。そうなると推敲する時間がないけど。

 でっ、24日のペースで書くと終日雑用の後片付けだった。それがおわると喉にささった魚の骨がとれたように意識は前向きになり気力がみなぎる。その勢いで明日27日から沖縄でダイビングの日程を入れた。それは、まったくのお調子者でしかないが、沖縄の天気も雨が続くのだが、28日から3日間だけは曇りどきどき晴れの週間予報が出ている。それにホテルも飛行機も予約可能となると、この時期に出かけるのには、この日程しかない。

 だから28日から4日ほどこのブログはお休みです。このブログも予約投稿という手もあるがそんなに書きためる気分でもない。やはり日々感じたことを書くのがよいのだろう。

 さてブログ画像には、カメでも貼っておこう。ニコンAW130はこういうコントラストがあり輪郭のはっきりした被写体だとシャープに撮れるが、洞窟の穴とか遠くの海底の岩とかの被写体だとガッカリするような描写になる。あまり暗いところや遠景を撮るような撮影機材ではないのだろう。そういう点ではやはり万事綺麗に描写してくれるオリンパス機材の方が優れものである。

 そのオリンパスE-M1で撮影した画像に赤い輝点がある。サービスセンターに持って行けば撮影素子交換になるだろう。だがその程度ならphotoshopで修正できるし、たいした問題ではない。よし!、少しボロく貫禄がついたが、これでゆこう。

 手元にはE-M1mark2のボディもあるが、これを水中機材にするには、ハウジングの一部を変えればよいのだが少し悩みどころではある。Mark2だとオリンパスマクロレンズ60mmの焦点範囲をボディ側で設定できるのはありがたいところだが、私のマクロレンズはLEICA TELE ELMARITだし、それにこの120mm相当のレンズはれっきとした望遠レンズだし、一寸画角が狭すぎて使い勝手が悪そうに思うが・・・。

 心は、寒い京都から暖かい沖縄に飛んでいる。

 

沖縄県石垣島黒島V2,NikonAW130,ISO125,焦点距離8.5mm,f/4.3,1/250

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Nikon Freak136. 予約投稿

2017年11月25日 | diving

 このブログには予約投稿があり、公開日時を指定しておいて、その日時にアップする方法だ。最近まとめ書きをしておいてから予約投稿をすることが多い。予約投稿でアップしておいて誤字脱字や文章の修正している。つまり私にとって草稿を推敲する結構便利な機能だ。

 というのも新規投稿欄に書きっぱなしでもログアウトするときには保存してくれるのだが、ついつい画像フォルダを削除しようとか違うアクションを入れると、もう新規投稿欄をまっさらにしてくれて最初から書き直しのはめになる経験を何度かした。

 だからとりあえず書いておいてアップしておいた方がgooにデータが残っているのだから、こちらの方が推敲しやすい。といって書き散らかしだから、推敲といってもたかがしれているけど。

 さて、たまっている雑用を一気にかたづけよう。そして少しばかり冬の京都を逃れよう。この時期慶良間へゆく航路は波が高い。となると本部のゴリチョか、と意気込んで今日のブログを書いている。寒い京都です。

 

沖縄県石垣島黒島V2,NikonAW130,ISO360,焦点距離4.3mm,f/2.8,1/30

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Nikon Freak135. 至極普通のこと

2017年11月24日 | diving

 一昨日の画像、「Practice10.いくつかの気づき、提案の外側で」のアクセス数が少し例外的に高かった。私が推定すると具体的な空間が特定できる記述をしたためかな。「なんやて!、うちの町内が再開発で絵もできていはるのか!」といった人がいたかどうかはわからないが、驚かせたらゴメンね。ちゃんとpracticeと書いてあるでしょう。直訳すれば「練習」。まあ建築の勉強ですからね。

 大学の実習科目で建築を勉強するときに、実際の土地を用いて建築のデザインをすることは至極普通のこと。だから日本あるいは世界の土地を勉強のために利用する。京都だと、日本のあらゆる大学が勉強のために実習課題の想定地に選ばれたことが大変多いはず。私も大学時代に、京都の町屋の再生計画が実習課題に出されたことがあった。「島村昇:京の町屋,SD選書,1971」に掲載されている中京区夷町の民家が課題だった。今この町の大半はビル群になってしまったので町屋も大変少なくなった。当時デザインサーベイをして記録に残しておいてよかったと思われる文献だ。多分今の家具屋街から間之町通りを南下したあたりだ。そうすることで地域や景観のつながりなど、勉強する要素が多々あるわけです。

 さて次のpracticeの場所を考えているのだけど、ローマ市のスペイン階段の界隈などGoogle mapをみながら悩んでいる。階段は幾何学的な構成をしていて、二つの半円と尖塔に続く視線のつくり方など、イタリア広場でよく用いられる美学的構成はわかるのだが、さてこの階段を活かした周囲の建築群の再生をどうするかというと、なかなかこれは難しい。つまり現代建築を寄せ付けない歴史的強さがスペイン階段にはある。こうなると属地的な要素を切り捨てて、階段のデザインだけ他の土地で流用するほかなさそうだ。といってそんなのを実際に日本で作ってもらっても珍奇になるだけなんだけど。

 さてこの魚は、クロハギと判断。ログにも記載していないから、多分当たり前にいる魚かな。それにしてもログには、ナポレオンと記載してあった。えっ!、そんな特徴的な形態の魚がいたかなぁー。多分見そびれた。

 

沖縄県石垣島黒島V2、NikonAW130,ISO125,焦点距離10.1mm,f/4.4,1/80

 

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Nikon Freak134. イソギンチャクカクレエビ

2017年11月23日 | diving

  寒いのに水中の画像か・・・。ログにはイソギンチャクカクレエビと記録してあった。最近水中しか撮っていないから、寒いのを我慢してアップさせよう。インストラクターの先生は、横から撮っていたから透明な胴体のなかの構造がよくわかる。なるほどあのように撮るのかと、こちらは目下勉強中である。

 先日、京都のお火焚祭も終わり、ついに冬が来た。朝の気温は2℃〜4℃ぐらいだそうな。昼間の気温も10℃越えがやっと。そりゃ寒いから猫のように毎日寝て暮らしたい気分。そうやっているとなにかをやる意欲がなくなり、無気力で何が悪いかと居直りたいぐらいになる。・・・といいつ今が京都の紅葉は真っ盛り。今月で京都の紅葉も終わるだろう。さてEOS1DsMark3をかついで散歩にでかけるか。

 先日七条のコンビニの店頭で煙草を吸っていたら隣の紳士が話しかけてきた。

高齢の紳士「EOSですか・・・、それバッテリーがいくつはいりますか?」

私「大きいバッテリーが1つですよ」。

高齢の紳士「1つ?」

 私「フィールド調査で出かけたときに地球上で電気のないところがまだあるので1週間ぐらいは充電しないで使える機材というと選択の余地はないですね、もっぱらこれだけ」

高齢の紳士「先日、周りが使いやすいというのでNikonD5を調達しましてね、ニコンはバッテリーが二つ入るんですよ」。

えっ!ホントか、きいたことがないなぁー。それにしても小さいのが二つやろ、面倒だな。おっやば!、本物のニコンフリークではないか。こちらは、ニコンといっても水中機材のAW130しか使わないのだが。

私「ニコンD5は、バッテリーの持ちがいいですよね」

と褒めちぎって早々にずらかった。

 会話を続けて行けば「ニコン!、高画質ズームレンズが少ないでしょう、28-300mmなんて安物がありますけど。この焦点域の高画質レンズはキャノンしかないよね」とか、「私機材マニアでじゃないので、このフィールドも散歩もこの機材が一つだけないのよ、他所のことはわからんですなぁー」とか、高齢の紳士をギャフンといわせてもしょうがないので。まあそれは巷の立ち話で通り過ぎるのがよろしいか。

 そんな11月も半ばをすぎ、街にはクリスマスソングが流れている。ばかに早いじゃないか。

 

沖縄県竹富島ビタローの根

NikonAW130,ISO125,焦点距離10.1mm,f/4.4,1/400

 

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Practice10. いくつかの気づき、提案の外側で

2017年11月22日 | Design&3DCG

 いくつかの気づき、提案内容の外側の話についてまとめておこう。

 ランドスケープソフトVueは、環境景観のバリエーションが比較的豊富だ。それもハワイの空であったり、サンクトペテルブルグの空であったり、またシャスタ湖の水であったりと、初期値の設定が固有名詞で属地的に表現されているのが面白い。そんな環境景観を試みて、まあこれは建築オブジェクトが客観的に見えるかなという視点でレンダリング画像を選んだりしている。そのためにこのプロジェクトでもカメラを40台ほど配置し、300枚ほどレンダリングした。

 このプロジェクトも提案することを考えていたので、最後は提案書(プロポーザル)にしておこうと考えた。だが建築の提案以外の提案がないので、まとめるのがあまりにも簡単すぎる。トータルコンセプトチャートを加え、あとはせいぜい住戸の間取りに関するインテリアデザインとか、既に行った事業収支などをつけるぐらいだ。あとはせいぜい低層部路面側に設けた商業機能のマーチャンダイジングぐらいしかない。だがまとめておけば、なにかと便利なのでやっておく必要性は高い。やらねばかあー、これはつまらない義務的仕事だ。

 3DCGは、映画の世界の影響か、なんでもリアルにつくるべきと考えている人がいる。だが本来擬似的な空間であり、ここではまだこの世に存在していない建築コンセプトの提案なのだから、リアルさは最初から追求していない。例えばサッシュなどの開口部は省略しているし、屋根も排水溝や貯水槽などの設備をいれたら、フラットというわけにはゆかない。それに人物も入れていない。フィギャアソフトPoserで人物を入れることがVueは得意だし、そのほうが建築のスケール感もわかりやすいが、それはコンセプトと関係する話ではないからパスした。だから実現される姿をできるだけ忠実に表現した建築バースではない。ここでは現実の完成形ではなく、コンセプトを表現しているのだから、これをスケマティックデザインという。スケマティックデザインについては、私が書いた本で解説している(三上訓顯著:環境デザインのプロデュース・コンセプトクリエイション・イマジニアリング、井上書院,2017)。

 この蛸錦プロジェクトの想定場所は、実際の京都の街だ。北は蛸薬師通り、南は錦通、東は東洞院通り、西は烏丸通りといえばわかるだろう。そんな大通りに接して静寂な環境の街ができそうだということがわかった。この4本の筋に囲まれた街区からコンセプトのヒントをもらったので、そのままこの場所で考えてみただけであり、この土地で実際にこうした事業が立てられる可能性は、今も将来も存在しないだろう。だがどこか他の日本の都市で再開発の必要性があって、そこで私が考えるとすればこうなるよ、ということを提案している。そんな提案が10タイプぐらいできたら、また本にしようか。それはユニークな本かもしれないが、日本ではプロジェクトの構想だけを扱った本はほとんど出版されない。こうした本は海外では比較的よくみかけるので出版するときは海外バージョンだろうか。

 さてこの蛸錦プロジェクトのpracticeも10回ときりがよいので、ここで終わりにしよう。

 

ハードウェア:Mac Pro,ソフトウェアVue Infinite2016R3

 

 

 

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Practice9. 町屋群

2017年11月21日 | Design&3DCG

 そうそう、FBからアクセスすると当該日付のブログしかリンクしませんけど、その画面でMIKAMI'S Blogのテキストをクリックするとトップ画面で2週間分は見られますよ。いまだに個別で見ている読者がいるので書いておきます。

 さてTerrace House Style(THS)の中庭的な空間に設えた、町屋群をみてみよう。町屋は全部で18棟、続き長屋(現代用語ではテラスハウススタイル)で配置した。つまり境界壁を隣の住戸と共有する複数の戸建て住宅であり、イギリスのタウンハウスやアメリカのログハウスに該当する。当然現存する京都の町屋もテラスハウススタイルである。背後のTerrace Valley Stule(TVS)とは少し意味が違うけど。

 配置した街並み画像で見る限りでは、植栽で背後からの上から見下ろす視線を遮っているためか町屋群固有の落ち着いた空気が感じられるようだ。それにTVSがセットバックしている建築形態のため、圧迫感も少ないようだし光も良好に届きそうだということがわかる。町屋間の落ち着いた印象もできそうだ。実際にこのようなデザインでつくると時代劇のセットのようになってしまうことは、懸念材料の一つにあげられるだろう。もう少し緻密なデザインが必要だし今後の課題であろう。

 それにしても3DCG は、1/1000で制作したから3.6mm各の大変小さな建築オブジェクトが少し大げさだった。例えば実際は柱壁のでっこみ引っ込みがもっと小さいのだが、遠くから見たときに町屋らしく見えることを意識し、あえて強調したが、少しやり過ぎの感じもする。また町屋固有の格子不要で正解であり、それがなくても十分町屋の空気が感じられる。こうなるとやはり瓦屋根を表現した方がよいのだが、データ量が俄然増えてMacの動作が重たくなる。だから、このあたりでとどめておくのが正解かもしれない。

 さてどんな居住者イメージが描けるだろうか。伝統工芸の職人、若いアーティスト、普通のサラリーマン、いやそんなありきたりのテイストではなく・・・・パン屋があってもよいし、パティシェがつくるケーキ屋であってもよいし、古本屋があってもよいし・・・。

 

 

ハードウェア:Mac Pro,ソフトウェアVue Infinite2016R3

 

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Practice8. マージナル・ガーデン

2017年11月20日 | Design&3DCG

 Terrace Valley Style(TVS)は、下層階から上層階にむかって外壁面が交代して行く構造であり、各住戸の前に設けられたテラスは、日本伝統建築の現代的縁側であることは、このブログでも書いた。

 現代建築のデザインが置き去りにしたものに縁側空間がある。古来からの縁側の使い方を思えば、日向で様々な家事をしたり、近所の人たちと雑談したり、囲碁をしたり、読書をしたり、時には縁側が家族の学芸会の舞台にもなるなど日常生活の中で意味のある使われ方をしてきた。現代のマンションがそうした縁側空間の意味を捨て去り、個室化しらしまったので、家族の人間関係もどこか嘘くさい。人間の生活には、アクティビティの明確なものと曖昧なものとがある。

 そうした古来からの縁側空間を、専用庭というスタイルで再現できないかという試みである。空間的にはテラスの一角に見え隠れする微妙な高さの生け垣などで設えられた専用庭は、屋外の日の光を楽しむサンデッキのような場所であると同時に、近所の達とのフランクなコミュニケーションの場でもある。そして専用庭から玄関やリビングルームが連続して続けば、大きなパーティーだってできるわけだ。そんな普段の生活とは少し違う使われ方をした空間は、家族や近所のコミュニケーションをつなぐマージナルな空間である。これをマージナル・ガーデンと呼んでおこう。

 すくなくともマージナル・ガーデンは、現代のマンション建築が見捨てた空間だけど、人間の生活から不必要だとされたわけではない。こうかくとマンション業者から「今のテラスを広げるだけじゃだめですかねぇー」、などといわれそうだ。実にマンション業者というのは貧困な精神の人種ばかりだ。

 だから再度書いておく。アクセスは従来のマンションとは逆とし、マージナルガーデンからアクセスすること。マージナルガーデンに続く開放されたリビングルームや玄関があり、その背後にキッチンやサニタリーがあり、さらに一番奥に寝室や書斎があるというパブリックからプライベートに緩やかに空間の正確が変化してゆくゾーニングをすべきだと私は論じているのである。

 次いでかいておくとテラスは、人々のコミュニケーションの場であるほかに、火災時の一時避難スペースとなり、防災上有効である。さらにかくとTVSの脇にある緑の円柱は、テラスの雨樋と植栽のプランターと擁壁をかねたデザインとしているなど、細かいアイデアは検討すればいくらでも出るだろう。

 あなたは、窓から身を乗り出したときに眼のすくむような豆粒の地上の風景を見たいのか、それとも四季折々に変化すガーデンをみたいのですか、どちらですか?

 

ハードウェア:Mac Pro,ソフトウェアVue Infinite2016R3

 

 

 

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Practice7. 空間のなじませ方

2017年11月19日 | Design&3DCG

 スケールの大きな現代建築と、それが小さい町屋とが一つの空間に同居したらどうなるのかと思ったら意外になじんでいる。なじませ方には二つの方法がある。一つはモジュールを統一させていること。二つ目は植栽である。

 モジュールは日本建築の原単位である910mmとし、この倍数で町屋とTerrace Valley Style(TVSと呼んでおく)とを制作している。例えばTVSの柱間は7,280mmだし階高は3,640mmとしているし、当然町屋はモジュールで制作しているから3,640mm×3,610mm(つまり8畳)の広さを基準に組み立てている。見た目ではわからないモジュールだけど、えもいわれぬ説得力を持っている。もう一つ加えるとモジュールに合わせてデザインをしておいた方が、CG上のグリッドに載せやすく制作が容易だということもある。

 植栽は、建築群をつないでいる。実際には町屋に設けた1.8m×3.6mの坪庭に大きな樹木を植えることができるので、こうした景観は十分可能であり、TVSの植栽とあいまって緑同士の関係性を生み出している。建築だけなら幾何形体だから同じような景観にしかならないが、緑と絡めると様々な景観が出現できる。春には新緑がまぶしく秋には紅葉する、そうした時間差が空間を面白くするだろう。もちろんこれは公園ではない。だが公園に出かけたときに体験する自然の変化を建築群の中で感じることができる。こうした植栽が町屋とTVSをつなぐ役割を果たしている。だから建築様式の違和感が薄らぐだろう。そして町屋には固有の落ち着いた空間が存在していることが確認できる。つまり町屋のグランドレベルに日本の落葉樹を、しだに上へ行くに従って果実種を配置し、少し階層的な植栽配置を意図した。空間の高さ方向の変化の中で植栽も樹種を変えることは有効な方法だ。

 そんなTVSと町屋空間のなじませ方を京都の町の散歩体験をきっかけに、このデザイン方法を3DCGでシミュレーションしてみたわけである。 

 

ハードウェアMac Pro,ソフトウェアVue Infinite2016R3

 

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Practice6. Terrace Valley Styleの課題

2017年11月18日 | Design&3DCG

 Terrace Valley Styleは、階段状に上層階がセットバックしてゆく空間。それによって地上の空気をそのまま上に伝えることもできるし、景観的にもなだらかな山の斜面をみているようで優しい。それは絶壁のような今のマンションの垣間に建つ町屋と比較しての話だが。

 そうしたテラスを有効にマージナルスペースとして活用して行けば、素晴らしい界隈ができるだろう。テラスバレースタイルは、緩傾斜地であればそのまま建てればよく、実際に安藤忠雄さんが設計された六甲の集合住宅、あるいは設計者は忘れたが熱海のパサニアハイツなど実例も多い。

 しかし更地に建てようとする場合に課題が発生する。それはセットバックした分、その背後になんとも利用しがたい無駄な空間が発生する。それは駐車スペースにでもして捨てておいてもよいのだが、なんとも陰湿な空間ができるので、やはりそこの活かし方を考えなければならない。この提案では僅かのセットバックだったので住戸の面積を広げるために利用したが、それでも既存マンションのようにウナギの寝床をさらに強調するような長い空間になってしまう。その場合は随所にライトコートなどを設けるといった稚拙な方法になるが、もう少し前向きに考えれば、奥行きがとれるメリットがあるのでアメリカ住宅のようなプランが考えられる。今度実際につくるときは、そうしたアメリカンハウス・プランでつくってみようと考えている。おそらくそれは快適で魅力的な居住環境になるかもしれない。今のマンションなら、それぐらいの居住環境は当然だと思うけどね。

 もうひとつ課題があって、それは都市風。寒い北西からの偏西風は避けたいが、夏の南風は通したい。であれば南向きに7.2m×7.2mほどの風抜きの開口部と、それが抜けて行く開口部とを設ける必要がある。そのためにどこにどれぐらいの大きさの開口部を設ければよいかなどは、そしてそれが有効なのか無効なのかは、都市風のシミュレーションをし数値で検証しないとわからないことが多い。

 そんに課題を抽出するために3DCGを制作してみたわけだが、それはもちろん模型でもよいのだが、やはりモデルをつくらないとわからないことが多い。それは文化系のように漫然と、そしてリアリティを欠いた理解していても、何も始まらないし理解もできていないのと一緒。やはりこうしたシミュレーションは数値化しないとね。3DCGだと数値シミュレーションのモデルになるし、そうしたコンピュータ上のシミュレーションをフルード・デザインダイナミックスといいます。

 そんなふうにリアルなモデルをつくるといくつかの課題と示唆される解決方法が顕著に見えてきます。そのあたりにモデル化する意味があるのでしょう。

 

ハードウェアmac pro,ソフトウェアVue Infinite2016R3

 

 

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Practice5. Terrace Valley Style

2017年11月17日 | Design&3DCG

 さて蛸錦プロジェクトの中庭側をみてみましょう。

 現代建築と町屋という異質なデザインが共存できるか、ではなくて、実際にオフィスビルの隣が町屋だっりすることは、京都でもよくあることです。不調法だけど既に共存している。

 そんな京都の町屋を見ながら、こんなデザインを意図していたわけです。町屋が中央にあって周囲をTerrace Valley Styleの建築が取り囲んでいる。周囲の建築が各層ごとにセットバックしているために、町屋に威圧感を与えることもなく、また日差しを遮ることもなく、町屋の暮らしを成立できます。さらに多くの植栽によって町屋の空間としてのプライバシーを確保しながら、植栽的な景観のつながりによって違和感なく周囲の現代建築とつながります。

 Terrace Valley Styleとは、1層毎にセットパックしてゆく建築の作り方であり、こうすることでテラス部分から各住戸へのアクセスとなる上に、このテラスに専用庭を設けセミパブリックな空間としての設えをすることにより、プライベートな使い方もでき、近所の人を招いてホームパティーをしたりといった具合に使い方は多彩でしょう。昔の日本建築の縁側に相当します。そしてこの専用庭に南から入る玄関やリビングルームが隣接し、その背後にキッチンやサニタリーがあり、一番奥に寝室などのプランペートな空間が配置されます。パブリック、セミパブリック、プライベートと公から私に至るアクセスとゾーニングがシームレスに展開できます。

 これまでのマンションのように単調な通路から突然玄関があり、玄関をはいるといきなりプライベートな空間の間をすり抜けてリビングルームに至るという逆転した空間配置と比較すれば、はるかに明快でしょ。本来建築はそうした公から私に至るアクセスが緩やかにつながってゆくべきだろう。日本は、もう何十年も逆転したマンションを営々とつくってきました。そろそろ変えたらどうですか。アクセスを北入から南入りに変えると住まいのプランニングも大きく変わります。

 私とこんな都心型居住システムをつくりますか?、どこかの都市に・・・。

 

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Practice4. 退屈な事業の話

2017年11月16日 | Design&3DCG

 画像は、京都の都心に立地する商業・居住機能をもった複合建築の3DCG。蛸錦プロジェクトができあがった。最初に文化系リーマンの関心が高い、そして退屈な事業の話を片付けちゃいますか。

プランニングの施設規模概要は以下の通り。

 敷地面積:14,375㎡、商業用途(1,2F):17,107.2㎡(1,2F)、居住用途(3-6F):マンション様式:20,528㎡(屋外廊下、専用庭・階段室/EV・機械室を除く)、町屋(18棟):1555㎡(敷地面積)、地下駐車場:11,108㎡(336台)、階段室/EV・機械室廊下棟の共用部分が約3,000㎡、延床面積 53,298㎡(370%)。ここは商業用地500%だから、容積が余るですね。共用廊下が屋外だから床面積には算入する必要がないことで、レンタブル比がすこぶる高い。各マンションタイプは、床面積最大200㎡/戸〜80㎡で約150戸と現代の平均住戸規模をはるかに上回る・・・そんな仕様だ。これから人口減収化社会なのだから、ゆったり都心暮しをしようというわけだ。ここまで算出すると事業収支ができる。

 事業収支試算では、京都市都心地下公示価格が105万/㎡で4億弱で購入、建設工事は地下以外に大きな構造がないのが平均建設費100万円/坪とすると総工事費113億円。設計料4億(わての取り分か(笑))をいれて、さらに土地の取得税、既存建築の解体工事、工事中金利を入れて、117億円の投資。資金は金利5%で全額借り入れ。資金回収面では、総戸数150戸の分譲価格が平均5,000万円で売却し75億の収入。商業は賃貸事業とし残り45億の保証金が6.8億、残りは賃料収入で長期回収。このあたりの賃料相場が1万円/坪。運営費は維持管理費を入れて減価償却込みで試算とすると、投下資本の回収は9年度目で事業成立、つまり事業化可能という結論になる。

 そういえば、そんな事業収支計算を大学時代に学部生達に教えていた。何しろ工学系だから電卓使わないで億の単位を暗算する猛者もいてぶったまげたけど、最後にexcelの事業収支計算書ファイルをさしあげて、これに幾つかの数値をいれれば即結果が出るよね、という懐かしい時代があった。

 さて、こうした事業で難しいのは、将来への見通しと地権者の事柄である。将来への見通しは数理的なブログラムを使うほかないが、地権者の事柄は地上げ屋さんに期待するほかない。

 事業構造が簡単な民間企業による住宅開発ベースで考えると、一番難しいのは1街区には多数の土地所有や賃貸の地権者がいるでしよう。それらを一筆にまとめられるのに土地購入資金が必要。実際にそれをやるのは地上げ屋さんなのだけど、東京都心などでは1街区あたり30億から40億で土地を一筆にまとめて購入し、10%位の利益を確保しながら、ディベロッパーへ売却、ディベさんは100億で36階建ての分譲マンションをつくると、1戸あたりの販売額が億という単位にならざるを得ない。つまり億ションをつくりたくてつくっているわけではなく、土地価格が高く、狭く、高層化せざるを得ず、従って建設費は高く、といった悪循環の事業構造から億ションにならざるを得ないのが東京都心部の事業構造でしょうかね。

 

ハードウェアmac pro,ソフトウェアVue Infinite2016R3

 

 

 

 

 

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Practice3. アンビルト

2017年11月15日 | Design&3DCG

 いまだに建築されない、建築できない建築のことをUNBUILT(アンビルト)という。最近の例では、女性建築家ザハ・ハディッドがそうだ。我が国の新国立競技場のコンペティションに入選し実現化を目指そうとしたが、予算を超える構想であり、構造的に疑問百出、巨大すぎる、景観破壊だという反対の意見が我が国のなかから噴出している渦中で、ザハ自身が心臓発作のため亡くなった。「ガタガタいわないで、あ・た・し・のデザインでつくるのよぉー!」と意気込んでいたかもしれない。実に惜しいことをした。

 彼女の例を持ち出す前に、実際に建築家によって実現されなかった建築物は数多い。たが非実現であっても建築を考えることはできるし、それは結構面白いことなのだ。そうやって頭脳トレーニングを欠かさないのが建築家であろう。アンビルトの建築も、考えるだけなら実に面白い方法だと私は考えている。いまは地球上のGISやGoogleのデータを使えば、地球上のどんな場所においても、こうすればいいじゃないかという提案を、いくらでも容易につくれるようになった。

 京都の街を散歩していると、空間的なヒントをくれることがある。そうしたヒントをもとにして3DCGで実証してみよう、と思って始めたのがこの蛸錦プロジェクトである。11月5日アップした画像の続きである。その後2週間の時間を費やして、ようやくこの実証が終わった。それは、ポリゴン数2億2991万1964で表示される3DCG。つまりそれだけの面の空間上のXYZの位置や角度や光の反射を計算したことになる。この程度のデザインでねぇーと思うが、確かに植栽はデータが重たいのでポリゴン数は増えるのだろう。

 ここへくるまでに、一度は最初から作り直した。というのも制作中にソフトの動作が致命的に重くなり、修正できないバグらしきものが画面上に多数出現したり、よくよくみると柱の位置がずれており、オブジェクトの中に同じオブジェクトがコピーされていたりと、はちゃめちゃな3DCGだった。デザインを考えながら制作していると、余計なオブジェクトが画面上に沢山存在してしまった。試行錯誤の故だろう。

 そこで再度部品から作り直し、ようやく蛸錦プロジェクトが完成した。アンビルトもいいところである。だが京都の街並みからヒントを得た空間は、結構面白いではないですか。なるほどこんな方法があったかという新しい発見だった。

 

ハードウェアMac pro,ソフトウェアVue2016InfiniteR3

 

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PEN LIFE1501. 水の透明度

2017年11月14日 | diving

 さあものども準備はいいかな、いざ出発するぞ!。オオッ!!、と勝ちどきの声はあがらないが、ダイビングでは水中で集合する。

 慶良間と比較すると水の透明度が随分と低いと思われたが、これが一般的な透明度のようだ。慶良間の海が世界でも有数の透明度なのだ。すっかりそれに慣れてしまっていた。そんなわけで、慶良間再認識である。もぐると遠くに青いカーテンを降ろした舞台のように見えることがある。そんな水中の風景が当たり前だと思っていた。

 この日は次のダイブがマンタポイントであった。だから軽く水中機材になれておこうというわけで、最初から大きい機材を担ぎ出していた。でっもちろんマンタに遭遇したわけである(10月6日ブログ)。

 それは、それで・・・本日は別の仕事で忙殺されているので、あまりブログという気分でもない。終日アトリエにこもっていたので特に書くようなことはなく、気分転換で一寸外にでると青い空が記憶にあるぐらいで、その他のことはなにも記憶にない。新聞が来ていたはずだが読まずに捨てたかもしれない。それじゃ書くネタもないわけだ。といってそれで充実していたわけではないから人間の意識も複雑系だ。

 今日はこの辺でおいとま。

 

沖縄県石垣島桜口

OLUMPUS E-M1,M.ZUIKO DG FISHEYE8mm,F1.8

ISO400,露出補正-1,f/4.0,1/1250

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Nikon Freak133. ビタロー

2017年11月13日 | diving

 京都も本格的な寒さにはまだ少し早いが、つい先月まで沖縄で夏をしていたから、いきなり寒くなったみたいで体が順応しない。つまり少しの寒さでも暖房が不可欠だ。今年は冬が長そうで、本格的に寒くて雪でも降るのではないかと勝手な予想をしている。気象庁の予報でも今週中頃は平年並みか平年以下の気温予報だ。多分今年の冬は、さ・む・い・な!。だから寒そうに修正した画像でも張っておこう。

 画像はヨシズフエダイの群れ。沖縄の方言ではビタローと呼ぶ。魚の名称は、沖縄では方言が多い。しまあじ=ガーラ、かんぱち=イノーウキムルー、ミナミクロダイ=チンといった具合に、見当が全く付かない。だからこのダイビングポイントはビタローの根と呼ぶ。ビタローという言葉の響きが面白い。悪ガキとか風来坊とか役立たずの人間をビタローと、ここでは定義しよう。

  そういえばMacに積んであるVueソフトの動作がとてつもなく遅い。ポリゴン数が1億を超えているからなのだろうけど、こんな簡単なデザインでソフトの動作が遅いというのは、これこそビタローだ。でっ、WEBで解決方法を探ってみる。その過程で「コンピュータは所詮計算機ですから、これでできることは人間でもできますからね、Jobがつらいだけですけど」という一文に気を取り直すが解決には至らず。

 なんとも、こちらもビタローな1日であった。なんか便利な言葉ではある。

 

沖縄県竹富島ビタローの根

NikonAW130,ISO125,焦点距離7.2,f/4.2,1/125

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