画家や彫刻家、そして漫画家、或いは私のようにクロッキー・デッサンを勉強してくると、特に目の前を歩いている若い女性を意識的に観察すればだが、コスチューム(衣服)を身につけていても、その下のボディの形態がみえてくる。特に夏は薄着だから私達の前を歩く女性は裸同然で歩いていることになる。骨盤がこれぐらいの大きさで大臀筋から続く大腿二頭筋と下肢が綺麗なカーブでつながっているし股が切れ上がっていて綺麗な下半身やな!、おおっ!、ビューティフル!!、じゃあ前に回ってお顔も鑑賞してゆこう、といった具合にだ。そんな風に夏は街で随分と若い女性を観察しながら頭の中で裸体のデッサンをしていた。
先日仕事をしていて、ユニフォームのスケッチがいるよなと思いつつ、Illustratorで遊んでいたら、こんな方法を思い出した。それは、クロッキーの裸婦をトレースしてコスチュームにした画像をスキャンし、これをIllustratorに読み込んで着彩する方法であり、絵画や彫刻の制作プロセスと同じであり芸術的な理と、私の屁理屈に適っている。
トップ画像の左側が元画像であり、これをトレースしてコスチュームを加えた画像が2番目だ。ここまでは行と列の格子状に並んだセルで構成されるラスターデータである。写真の画像は全部ラスターデータだ。だから画像を目一杯拡大すると正方形のセルがみえるし、斜めに走る直線はセル上を斜めに走るわけだから輪郭が階段状になってしまう。
このラスターデータをIllustratorで、点と点の位置を数式化してソフトが解析するベクターデータに変換したのが3番目だ。点と点でつながりが綺麗な曲線で構成されるベクターデータに変換したわけだ。
そうすると4番目の画像のように簡単に着彩でき、カフェ従業員のイラストができあがった。ベクターデータは、拡大や縮小をくリ返しても元のデータ量が変わることがなく、CAD、編集、印刷などの作業は、すべてベクターデータ上で行われる。
このようにコンピュータのデータには、画像を扱うラスターデータと、点と線で数学的に構成されるベクターデータとがある。
さてillustratorで変換し点の数を制御すると以下の画像になる。うーーん、綺麗な曲線が出て少し色気が出たか・・・。それはペンタブレットを用いてイラレでベクターデータのイラストを描くよりは、むしろソフトの数式に任せた方が綺麗な曲線に変換してくれる場合もありそうだ。
裸婦をイラスト化するときは、やはりベクターデータの方が俄然曲線が綺麗だ。ここまでくるとその先はイラストレータの仕事になる。だから先へ進むのはパスし、こちらは所期の雑用をかたづけて、お終い!。
注)ブログ画像はラスターデータなので、便宜上ベクターデータの画像を書き出してラスターデータにしました。