翠が夜勤の休み時間に、泌尿器科の和子さんがやってきた。
和子「最近、こんな話もあったのよ」
翠「是非聞きたいーーー」
和子「ご夫婦で、人工授精にやってきた患者さんがいたの。それで卵子は内視鏡で取るので面倒なんだけど、旦那さんの精子はマスかけばいいじゃん。それで、奥さんが内視鏡の手術室に入っている間、旦那さんが再精室でマスかく段取りになっていたの」
翠「子供が欲しいというなら、30代ぐらいかな?」
和子「そうなの、旦那さんの精子があることは検査でわかっていたのね。でっ、再精室の順番を待っていたら、旦那さんがスマホで電話してんの。奥さんは手術室じゃない。話のストーリーからするとこんな感じね」
『これから精子取るんだ。だけど起たないよぉー、夕べ三発だしたじゃん』
『ダーリン、夕べは激しく燃えたからねぇー』
『夕べは、君の赤いショーツなんかで、すごく刺激されちゃったしさぁ・・・』
『だって人工授精するってわかってんたんでしょ。それなのに沢山抜くからよ』
『だからね君のヌードの画像を送ってよ。昨日と同じ赤いブラとショーツでさ・・、うん待ってるよぉー』
・・・
和子「それで順番まっていて、退屈したのかな、話しかけてきたの」
「ここって精子が一杯ストックしてあるよねぇー」
和子「はぁーー!、ありますけど、なんか・・・」
「一つ分けてくんないかなぁー」
和子「そんなのどうすんですかぁー」
「それ上さんの子宮に入れてくれると助かるんだけどなぁー」
和子「はぁーー!?、そんなの勝手にできませんけど・・・・」
「やっぱだめかぁー」
和子「再精室があきましたよ・・・」
・・・
和子「それでねぇー、患者さんが検体をもってきたんだけど、底の方にチョロッとなのよ。これで授精できるんだろうか?????。私の仕事は、それで終わり。先生に渡したら悲しそうな顔して、これだけっ!?、だってさ」
翠「そうかぁ、奥さんが子供欲しがっているわけだ」
和子「多分ね、だけどお妾さんと一杯やっているから、できないのよ」
翠「多分、いつもお妾さんとやったばかりで、奥さんとやっても精子がでないのよ。なんかお汁をチョッロっとだしてお終いにしていたんじゃないかなー」
和子「それよ。人工授精なんかする必要がないのよ」
翠「女を変えちゃえばいいんだ」
和子「そうよ、うちに来る患者さんって、本当はみんな元気なのよ。身体は健康、精神は歪んでいるわけね」
翠「それって、お見合い結婚じゃないの?」
和子「婿養子かもしれないね。きっと実家の親御さん達から、孫は?って催促されているのよ」