一度につくらなければ効果が期待できないプロジェクトを、細切れでおこなったために目下身動きできない状態に追い込まれた。それが北陸新幹線である。
国土の背骨である骨格を結ぶ1本の構造であることに、これまでの新幹線の存在理由があった。それとは違うのが北陸新幹線である。1本の骨格ではなくサブルートを経由し、東京と大阪のネットワーク構造をつくろうというものだ。
国土の構造を変えるのであれば長野県から延伸させるとき一気に大阪まで建設すべきだった。これは国土の構造を1本の背骨から起点と終点が接続しているネットワーク構造へと変えることになるからだ。つまり長野と大阪とを一気に建設し拠点となる大都市圏を結ばなければネットワーク構造にはならない。従って本来北陸新幹線プロジェクトは、暫時延伸という方法ができないのである。
にも関わらず金沢、敦賀と延伸され、その先はルート設定でもめ環境アセスメントすらおこなわれていない。暫時延伸という間違った方法を選択した結果、ネットワーク構造になるのは2045年頃。つまりあと20年以上先であり北陸地域経済は、これまでの関西や中京圏からの集客を半ば諦め、東京依存のパイプしかないことになる。私にいわせればプロジェクトの方法を間違えた結果である。やっちまったか・・・、私は思う。
さらに敦賀の街をみると駅から続く長い商店街はシャッター街である。現在新幹線開通ぐらいでは、とても再生できる状態ではない。
そしてニューヨークの自然史博物館にゆけば恐竜に関する豊富な知識と経験が得られるにもかかわらず、福井県がわずかに出土した恐竜素材をシンボルにして集客に励む姿は涙ぐましいが、1年もたてば陳腐化され東京人から飽きられる可能性があるだろう。
これまで多数の街づくりに関わってきた私の立場からみると、中途半端なプロジェクト方法を採用したために東京への流出人口が加速するだけであり、福井県は終わったといいたい。
終わったら金沢-福井間の新幹線はどうするか。金沢-敦賀間は新幹線初の福井県あたり経営者とする第三セクターとし、大阪から金沢まではJR西日本が在来線にサンダーバードを走らせればよかろう。誰も提案しなかった逆の発想。人口減少社会だから逆の発想もありえるだろう。
そんななかで再生方法を探るとすれば、地域産業の国際的なブランド化と歴史的街区の整備だろう。越前武生はナイフビレッジであり古い街並みもある。また鯖江は眼鏡の産地だ。これらを活かせば生き述びる方策も考えられるかもしれない。生き延びるというよりは北陸新幹線全通までの生き残り策といってよい。つまりプロダクトデザインとシティデザインがキーワードになるだろう。
トップ画像:敦賀駅前通り(依拠:Google map)
敦賀のシャッター街もかって私自信が撮影したが、画像が見当たらない。そこでGoogle mapの画像を借りた。Googleは朝早く撮影したと推測している。従ってこの場所は、シャッター街ではあるが実際に営業している店も写っていることは申し添えておく。ここではシャッター街のイメージとして理解されたい。
ほんとに先生のおっしゃる通りだわ。
おまけに温暖化で雪がたくさん降らなくなっちゃった。
雪国が観光で生きていくなら実は雪はものすごく大事な観光資源。
スキーとかという意味ではなく、雪が醸す日本情緒。
もうね、北陸新幹線もあそこまででいいんじゃないかと思う。
金沢終着でも良かったと思う。
観光のためだけならサンダーバードは素敵なアイデア。
東京一極集中はこれからも加速の一途。
だってさ、子供は東京にいるんだよって嬉しそうな人ばかり。
自分はこの土地で暮らすしかないけど子供はなんとか都会に逃がせたみたいな感じ。
帰ってきてほしいどころか、チャンスがあるなら自分も行きたいみたいな感じ。
実際には、二十三区なんてもはや比喩ではなくて不毛。
ヒトが住める環境じゃない。
でもこの流れは変わらんでしょ。
都会相手の食料生産業は有望だし、その物流のための交通網整備は必要。
そういうとこへの投資は無駄じゃないと思っています。
先生の意図からしたら的外れだろうけど、そんなとこで。
今日も良い1日でありますように(^^)/