Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編564. ヘイトスピーチ

2022年09月30日 | analysis

 

 自粛警察あるいはマスク警察という言葉が社会にある。2年前ならマスクをつけていない人を罵倒したり、今ではワクチン接種をしていない人を叱責するといった行為をする人達の事だ。

 つまり社会現象にあわせて、自分で勝手に社会的ルールをつくるという法外な判断をする人達が存在し、私にはそれが日本人の体質かと思うことさえある。さらに車社会に関わると、そうした人達が多数存在することを経験する。

 もちろん背景には、感染症に対する恐怖感がこうした行動に走らせる。そうであれば自分で勉強すればよいのだが、情報化で容易に勉強できるにも関わらず、彼らは勉強せず、通俗的な自己判断で他人を罵倒する。

 マスクをしない、ワクチンを接種しない等の感染症対策が出来ない、あるいはするべきではないと考える人達も社会には一定数存在する。だから一律に自らの主張を全ての人に当てはめることは出来ません。それはむしろ他人を傷つけていることであり社会的に許されない行為、そして誤った正義感だと指摘されています。

 このように誤った正義感のために他人を傷つけることの上位概念に、ヘイトスピーチがある。特定の民族や国家の人々を排除・排斥する行為である。これから東南アジアなどから避難民が日本を目指してやってくる機会も増えるだろう。そうしたなかで差別や嫌悪感ある発言が発生するとしたら人間の尊厳に関わる問題を引き起こしている事になる。

法務省の見解「自粛警察と誤った正義感」(注)を引用しよう。

「社会生活の中で,自分とは違う行動をする人,自分とは異なる考え方の人に出会うことも,少なくありません。そのような場面に遭遇すると,違和感を覚えたり,釈然としない気持ちになってしまうこともあります。ただ,そこで少しだけ立ち止まって,そのような人たちに対する自分のそうした感情が,誤解や思い込み,無自覚な差別意識・偏見などによる過剰な反応から生まれたものではないかを考えてみることが,お互いを尊重し合う社会であるために必要なことなのではないでしょうか。」

 何故そんなことに思い至ったかというと、京都旧市街の道路は縦横の一通路で構成されている。だから同時方向から車が来たときは、法律では左側の車が優先だったと記憶している。ヨットの操船では同様の場合は右に舵を切るのが原則だった。

 しかし街中の道路では、そうではないケース、つまり右側優先を頻繁に見た。それは、どうも相手の顔色をみつつ決めているようだ。少しずつ車を前に出して、おれが優先といった具合に。そんな風に人間は法律を無視し、自分達で勝手にルールをつくることに気づいたからだが・・・。

 名古屋で車の運転をしてきた人間にとって、京都人は普段の物静かな精神とはうらはらに、車を運転しだすといけずなところがあり、車列に入れてくれないとか、市バスに威張り散らされる、といったことがある。だから自動車都市名古屋よりは、大変運転しずらい京都の街なのである。

注)https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken05_00055.html 

京都清水寺

SONYα6000、Leitz Hectore135mm/F4.5

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番外編558. 借金棒引き論

2022年09月24日 | analysis

 

 このブログを書いているのが7月22日、二ヶ月後にアップされるから、この内容が正しいかどうかはわからない。でも考えた記録として書いておこう。

 というのも先日の参議院選挙で、野党が消費税減税策を掲げていたからだ。はて、どこからそんな財源があるのか、と考えていたら実は財源はないが、やり方次第で減税どころか、8年間廃止が可能だと私は理解した。

 政府が発表した6月末時点での国債発行残高は、1025兆6638億円とベネズエラを除けば先進国中第1位。その発行残高に占める日銀の国債保有率は50.4%。つまり日銀は金利を上げない政策をとっているので円安傾向になり、世界中から日本国債の売りが続き、日銀が買い取って円レートを支えているからだ。それでも1ドル133円と海外へでかける人間にとっては安すぎるレートになっている。

 だから日銀が買い取った国債を日銀債権(株式会社日本銀行債権)にして3年もの年利3〜5%で売却しちゃえばよいか。今は債権利率が低いから将来の値上がりを期待すれば今は買い時だから利率が高いと売れるだろうな。利率分はボタンをポンとおしてお札を発行するんだろう。

 試算してみよう。

 2022年度一般会計歳出総額が107.6兆円。そのうち国債費が24.3兆円。これを棒引きするとこの分がなくなり、歳出は約1/5の減額になる。2020年度歳入の消費税収入が21.7兆円だからほぼ消費税分を棒引きにできる。そして借金棒引きが8年間続ければ、政府の借金はなくなる。

 消費税8年間廃止で消費が拡大されGDPがあがる事に貢献できれば、デフレ経済脱却も可能なのかしら・・・。

 来年日銀総裁任期がくるので借金棒引政策を、置き土産にしないかな・・・。それは夢としても、2000年来のゼロ金利政策、6年前からのマイナス金利政策から、今後は一転して0.25%の利上げ?。デフレ経済で利上げはないよなあ!?・・・。

 はからずも今日、ヨーロッパ中央銀行が11年ぶりにマイナス金利から予想を上回る0.5%の利上げをするという報道があった。ただしTPI(Transmission Protection Instrument)と呼ぶ分断化対応であり、国債の国際評価が低いイタリアを意識したことがWEBサイドで報じられていた。

 そんなふうに考えてゆくと、国家の中央銀行の運営、日本でいえば株式会社日本銀行が私達の生活どころか、私達の人生全体を左右している事になる。

 

沖縄県石垣島

iPhon7:ISO40mm、焦点距離28mm、露出補正0,f/1.8,1/30

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番外編547. 新型コロナウィルス・いくつかの論文を読んで

2022年08月21日 | analysis

 

 このブログを執筆している7月16日は、第7波の感染拡大中である。このブログがアップされる頃にピークを過ぎてなだらかに低減しているか、あるいはさらに拡大が続いているか。後者ならこれまで最大級の感染規模になる。

2年間のパンデミックを振り返ると、これまで数理モデル駆使し、感染予想、そして感染元が飲食、娯楽産業にあることを突き止め、それを政策に反映してきた(注1)。数理モデルが政策に使える初めての実証実験であったといえそうだ。

国の機関のリポート(注2)によれば、コロナウィルスの残存期間は、20°Cのプラスチック上で、6〜9日とする研究もある。残存期間が長いことがコロナウィルスの特徴だ。

感染源対策という視点に立てば、残存期間を超えてウィルスが生存している環境が私達の身の回りにあるのではなかろうか。つまりシャーレでウィルスを培養しているのと類似の環境が私達の生活環境のなかにあるのではないかとする仮説である。こうした仮説をシャーレ状態の環境と呼んでおこう。

 エアロゾル感染なら空気に関わる部分。身近な環境の空気の操作系といえば、空調機がある。空調機に関する論文(注3)を読むと、空調機の送風口からウィルスを検知し集団感染を起こした事例もあったと報告されている。ちなみにこの論文の共同執筆者2名は建築の専門家である。

建築の立場からみると、保健所は空調機の吸気口や送風口は調べたが、機器を分解して内部を調べていないだろう。というのもそこまで調べた論文が見られなかったからだが。

家庭用空調機は、室内の空気を吸い込み、冷媒ガスが循環している熱交換器によって温度調節を行い、吸い込んだ空気を再び居室に送り出しているに過ぎない。つまり部屋の空気を循環しているだけである。だから内部のフィルターや熱交換器がシャーレ環境ではないかとする仮説を立ててみたわけである。

特に気密性の高いマンションは空調機への依存度が高い。いまのところそうした事柄を定量的に明らかにした論文が見当たらないので、私の疑問は解消されない。

もちろん生活上の対策は2方向の窓を全開にし、フレッシュエアを取り込む換気であることに変わりはない。第7波の感染者数急増と気温が上昇しエアコンを使うタイミングが一致し、しかも空調の利用頻度が高い沖縄県で感染者が急増しているので、そう考えたわけだが・・・。

もう一つの感染元がある。それは海外から持ち込まれた場合である。多くの場合は、経済のグローバリゼーションに伴ってウィルスが運ばれてきたと解釈する方が良さそうだ。

ここであげた論文は、何れもWEBサイトで簡単に読めるものに限っている。暑い夏を家に閉じこめられるならば、こうした論文でも読みながら少し関心事の世界を徘徊している方がよさそうだと思われた。

 

注1)稲葉寿:感染症数理モデルとCOVID-19、COVID-19有識者会議、2020,12,18.

注2)国立感染症研究所 :新型コロナウイルス感染症に対する感染管理、COVID-19有識者会議、2021,06,30.

注3)白井 克彦、古谷 誠章、田辺 新一:新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して、COVID-19有識者会議、2020,05,21.

 

ロシア・サンクトペテルブルグ

EOS1DsMark3、EF28-300mm/F3.5-5.6

ISO1250,露出補正0,f13,1/250

 

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番外編538. 新型コロナの感染状況について・3月

2022年04月10日 | analysis

 3月末時点でみると、日本とフィリピンとの傾向の違いが顕著だ。そこでデータでみてみよう。比較の対象としてフィリピンを選んだ理由は、島国であること、人口規模が同じ、による。

 

As of the end of March, the difference in trends between Japan and the Philippines is remarkable. So let's take a look at the data. The reason for choosing the Philippines for comparison is that it is an island country and the population size is the same.

 

1.感染状況とワクチン接種回数について

 図1は、1日の感染者数推移とワクチン接種回数の時系列推移を、日本とフィリピンでみた2軸グラフである。オレンジ色は1日の感染者数。青い色はワクチンの接種回数累積値を示す。

日本とフィリピンと少し傾向の違いがみられた。

日本は、1日の感染者数が月全体で見れば低減傾向であるが、2万人から14万人の範囲で増減し、振幅の幅も大きい。しかし全体傾向としては、最大値も最小値も一貫して減少傾向にある。

他方フィリピンは顕著な低減傾向が一貫して続いている。3月はじめの17,974人から直近では1,992人と大幅に低減している。

それにしても日本の火曜日から水曜日にかけて低い値が出現する傾向は、何に由来するのだろうか。レジャー頻度が低い、検査システム、データ収集法法など、いくつかの要因があるだろう。

尚Oxfordのデータは、フィリピンの折損値があるが、それでも全体の傾向を反映していると私は判断した。

1. About infection status and number of vaccinations

Figure 1 is a two-axis graph of the number of infected people per day and the number of vaccinations over time in Japan and the Philippines. Orange is the number of infected people per day. The blue color indicates the cumulative number of vaccinations.

There was a slight difference in trends between Japan and the Philippines.

In Japan, the number of infected people per day is on a downward trend in the whole month, but it increases and decreases in the range of 20,000 to 140,000, and the range of amplitude is wide. However, as an overall trend, both the maximum value and the minimum value are consistently decreasing.

On the other hand, in the Philippines, a remarkable downward trend has been consistently continuing. The number has dropped significantly from 17,974 at the beginning of March to 1,992 most recently.

But what is the origin of the tendency for low values ​​to appear from Tuesday to Wednesday in Japan? There may be several factors, such as infrequent leisure, inspection systems, and data collection methods.

図1. 1日単位の感染者数とワクチン接種回数の推移

Figure 1. Changes in the number of infected people and the number of vaccinations on a daily basis

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html

 Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

 図2は、この前述の2指標の関係性をみるために相関係数を算出したものである。

3月前半の値は日本が-0.29、後半は0.13となり、負の相関から正の相関に変化している。日本のワンチン接種は、フィリピンより速い速度で3回目のワクチン接種が進んできた。しかし感染者数値が大きく出現している。それだけで次のステージの兆候だと言い切れない。

他方でフィリピンの3月末の相関係数は-0.87と高い負の相関を示している。日本と大きく違うところである。フィリピンは2回接種であるにもかかわらず感染が終息に向かっている。

The values in the first half of March were -0.29 in Japan and 0.13 in the second half, changing from a negative correlation to a positive correlation. The third vaccination in Japan has progressed faster than in the Philippines. However, the number of infected people is increasing. That alone cannot be said to be a sign of the next stage.

On the other hand, the correlation coefficient at the end of March in the Philippines is -0.87, showing a high negative correlation. It's a big difference from Japan. In the Philippines, the infection is coming to an end despite being inoculated twice.

図2. 月単位の感染者数とワクチン接種回数累積値の相関係数(左:日本、右:フィリピン)Figure 2. Correlation coefficient between the number of infected people on a monthly basis and the cumulative number of vaccinations (left: Japan, right: Philippines)

 

2.社会的免疫の獲得時期について

 図3でみれば日本のワクチン接種3回目の完了(80%接種)時期が、2022年4月頃となり前回と同じである。

 フィリピンは2回接種完了が2022年6月となる。3回目接種は未定だが、現時点では3回接種必要性はないと判断できる。

 

2. When to acquire social immunity

Looking at Fig. 3, the time of completion (80% vaccination) of the third vaccination in Japan is around April 2022, which is the same as the previous time.

In the Philippines, the completion of the second vaccination will be June 2022. The third inoculation is undecided, but it can be judged that there is no need for the third inoculation at this time.

図3.現時点での感染収束時期の予測結果

Figure 3. Predicted results of infection convergence time at present

 

3.まとめ

 日本とフィリピンの違いが少しだけみられた。私は、そうした違いを論じても意味はないと考えている。

 日本の感染者数は、PCR検査の陽性者数を現している。しかし陽性者数は発症者数ではない。体内にオミクロン株が僅かでもあれば陽性反応になる。これは陽性であっても発症しなかった人間が多数存在している事からも理解できる。

発症するには大量のオミクロン株の体内集積が必要だ。従って感染者数は、現実には相当に低いといわざるを得ない。

さらに濃厚接触者とは、なんだ!。陽性者の周りにいただけで店を閉じたりする。その迷惑な政策に、科学的エビデンスがあるのだろうか。

実効再生産数が1.7程度であれば、オミクロン株はインフルエンザ以下ではないか。

科学知識に疎い文科系政治家と役人達のおかげで、日本は国際競争力を失い円安傾向が続き、経済は低迷し、社会全体に不機嫌な空気が漂っている。そうした社会的病理の方が感染症より被害が大きいと思われる。

 最後に、建築の設計をおこない、そしてダイビング経験をしてきた立場からまとめておく。

 建築の設計をしてきた人間は知っている。このウィルスが空調で囲われ室温が一定に保たれている環境で感染が広がりやすい事を。

 例えば2020年2月北海道の展示会場で行われたイベントで多くの感染者を発生させた。冬の北海道で空調設備をフル稼働させ、湿度が大変低く、密の空間である。そしてフレッシュエアが十分ではなかった。

 或いは集合住宅で子供が感染した。そこで部屋に閉じ込め隔離した。子供部屋の外側は共用廊下だ。だから近所に感染をひろげないため窓は密閉していた。その結果室内空気中にウィルスが大量増殖し家族全員が感染した。これはエアロゾル感染である。

 ウィルスの生存環境をしらべてみよう。下記の学術論文(注)によれば、新型コロナウィルスは相対湿度が高く(80%)、気温が高いほど不活される傾向を紹介している。つまり一般的なマンションなどの空調機は湿度50%で、室温一定に保たれてるように設計されているが、それはウィルス増殖環境と類似している。

 エアコンは室内の空気をかき回して室温を一定にする機能だけである。空気を循環させ熱交換器で廃熱吸熱をして空気を部屋に戻しているたけであってフレッシュエアを取り込める機能はつけられていない。

 従って室内のウィルスは、エアコンを循環して、また部屋に戻ってきます。

 もしフレッシュエアを取り込めば、電気代が高くなります。だから電気代がかかからないといって喜んでいられる状況ではないと私は思います。

 従って現在マンションのフレッシュエアは外壁に設けられた小さな通気口だけである。エコ発想で室温を低しておくと、ウィルスの生存期間が長くなる。他方で太陽光にされされると1時間でウィルス量が半減する。

 空調設計の環境とウィルスの増殖環境が一致していれば感染は拡大する。超高層ビル、学校、そしてマンション等の集合住宅・・・とこれに該当する建築は多い。

 ではどうするか?。湿度80%以上で室温を高くし、そして頻繁に窓をあけ室内の空気を入れ替え、常に室温を高くしてフレッシュエア状態にすることである。一番コストのかかる方法である。

 このブログのデータをみるとフィリピンの感染者数が低減している事がわかる。それは外気温の差だろう。中国武漢の寒冷地で発生してきたウィルスである。つまりコロナウィルスは、高温多湿が苦手だということになる。

 いつもフレッシュエアで室内を満たしておくこと。これはダイビングをしてきた経験からも理解できる。酸素濃度が高ければ、美味しい空気なのである。空気に敏感になることには意味がある。

(注)日本防疫防黴(ぼうえきぼうばい)学会誌。j.野田衛:2.新型コロナウィルス基礎知識、集団予防および生存性・不活化J.Antibact.Antifung.Agent Vol48.No9.pp459-466(32020)

3. Summary

There was a slight difference between Japan and the Philippines. I don't think it makes sense to discuss these differences.

The number of infected people in Japan shows the number of people who are positive in the PCR test. However, the number of positives is not the number of cases. Even a small amount of Omicron strain in the body gives a positive reaction. This can be understood from the fact that there are many humans who did not develop the disease even if they were positive.

It requires a large accumulation of Omicron strains in the body to develop. Therefore, it must be said that the number of infected people is actually quite low.

What is a close contact person?! I close the store just around the positive people. Is there scientific evidence for that annoying policy?

If the effective reproduction number is about 1.7, isn't the Omicron strain less than influenza?

Thanks to politicians and officials who are ignorant of scientific knowledge, Japan has lost its international competitiveness, the yen has continued to depreciate, the economy has been sluggish, and society as a whole has a moody atmosphere. Such social pathologies appear to be more damaging than infectious diseases.

Finally, I will summarize from the standpoint of designing architecture and having diving experience.

The person who designed the architecture knows. Infection is easy to spread in an environment where this virus is surrounded by air conditioning and the room temperature is kept constant.

For example, many infected people were generated at an event held at an exhibition hall in Hokkaido in February 2020. It is a dense space with very low humidity due to the full operation of air conditioning equipment in Hokkaido in winter. And the fresh air wasn't enough.

Or a child was infected in an apartment house. So I locked it in a room and isolated it. The outside of the children's room is a shared corridor. Therefore, the windows were sealed to prevent the spread of infection in the neighborhood. As a result, a large amount of virus spread in the indoor air and infected the whole family. This is an aerosol infection.

Let's examine the viable environment of the virus. According to the following academic paper (Note), the new coronavirus tends to be inactivated as the relative humidity is high (80%) and the temperature is high. In other words, air conditioners such as general condominiums are designed to keep the room temperature constant at a humidity of 50%, which is similar to a virus breeding environment.

The air conditioner only has the function of stirring the air in the room to keep the room temperature constant. It only circulates air and absorbs waste heat with a heat exchanger to return the air to the room, and it does not have a function to take in fresh air.

Therefore, the virus in the room circulates in the air conditioner and returns to the room again.

If you take in fresh air, the electricity bill will be higher. So I don't think it's a situation where you can be happy to say that you don't have to pay for electricity.

Therefore, at present, the fresh air in the condominium is only a small vent provided on the outer wall. Keeping the room temperature low with an eco-friendly idea will prolong the survival of the virus. On the other hand, when exposed to sunlight, the amount of virus is halved in one hour.

If the environment of the air conditioning design and the environment of virus propagation match, the infection will spread. There are many buildings that fall under this category, such as skyscrapers, schools, and apartment buildings such as condominiums.

 Then what should we do?. The room temperature should be raised at a humidity of 80% or higher, and the windows should be opened frequently to replace the air in the room, and the room temperature should always be raised to a fresh air state. This is the most costly method.

Looking at the data on this blog, we can see that the number of infected people in the Philippines is decreasing. That would be the difference in outside temperature. It is a virus that has occurred in the cold regions of Wuhan, China. n other words, coronavirus is not good at high temperature and humidity.

Always fill the room with fresh air. This can be understood from the experience of diving. If the oxygen concentration is high, the air is delicious. It makes sense to be sensitive to the air.

(Note) Journal of the Japanese Society for Epidemic Prevention and Mold Prevention. j. Mamoru Noda: 2. Basic knowledge of new coronavirus, mass prevention and survival / inactivation J.Antibact.Antifung.Agent Vol48.No9.pp459-466 (32020)

 

撮影データ

小樽市:iPhon13pro

Shooting data

City of OTARU:iPhon13pro

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番外編526. 新型コロナウィルス24.2022年1月のパンデミック状況 Pandemic situation in January 2022

2022年02月09日 | analysis

 

 1月はオミクロン株が流行している。そこでデータでみてみよう。ここでは日本と類似している、島国、人口規模が同じであるフィリピンと比較する。というのも最近の情報では、フィリピンは2月10日から30日間のビザなし渡航をはじめる。その背景をデータでみてみよう。 

Omicron strains are prevalent in January. So let's take a look at the data. Here, we will compare it with the Philippines, which is similar to Japan and has the same island country and population size. The latest information is that the Philippines will begin a 30-day visa-free trip from February 10th. Then let's look at the background with data.

 

1.感染状況とワクチン接種回数について

 図1は、1日の感染者数推移とワクチン接種回数累積値の推移を日本とフィリピンでみた2軸グラフである。オレンジ色は、1日の感染者数だ。日本では、オミクロン株によって増加傾向が顕著。それはフィリピンにおいても同様である。1日の感染者数は1月31日で85,000人(日本)、86,000人(フィリピン)と類似している。

 青色の線は、これまでのワクチン接種回数累積値である。日本では、2回接種者の割合は人口の80%である。さらに3回接種が始まっている。フィリピンのワクチン投与量は1億6950万とあるので、2回接種者数は8,400万人と人口の72%が2回接種を完了している。違うのは、フィリピンがワクチンによる抗体値が高いときにオミクロン株と遭遇していることだ。これは幸運だといえる。

尚Oxfordのデータは1/2の欠損値があるが、現在の姿である。

 

1. About infection status and number of vaccinations

Figure 1 is a two-axis graph of changes in the number of infected people per day and changes in the cumulative number of vaccinations in Japan and the Philippines. Orange is the number of infected people per day. In Japan, the increasing trend is remarkable due to the Omicron strain. The same is true in the Philippines. The number of infected people per day is similar to 85,000 (Japan) and 86,000 (Philippines) on January 31st.

The blue line is the cumulative number of vaccinations so far. In Japan, the proportion of double vaccinations is 80% of the population. Three more inoculations have begun. Since the vaccine dose in the Philippines is 169.5 million, the number of double vaccinations is 84 million, and 72% of the population has completed vaccination.

The difference is that the Philippines encountered the Omicron strain when the vaccine antibody levels were high. This can be said to be lucky.

The Oxford data has a missing value of 1/2, but it is the current state.

図1. 1日単位の感染者数とワクチン接種回数の推移

Figure 1. Changes in the number of infected people and the number of vaccinations on a daily basis

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html

 Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

 図2は、この前述の2指標の関係性をみるために相関係数を算出したものである。1月前半の値は、日本が+0.52、フィリピンが+0.07と正の相関である。従って感染拡大を裏付けている。しかしフィリピンの方が値が低い。つまりワクチン効果があるときに、オミクロン株と遭遇したことを裏付けている。そう考えるとワクチン接種のタイミングがありそうだ。

Figure 2 shows the calculation of the correlation coefficient in order to see the relationship between the two indicators mentioned above. The values in the first half of January are positively correlated with +0.52 for Japan and +0.07 for the Philippines. Therefore, it supports the spread of infection. However, the value is lower in the Philippines. In other words, it confirms that he encountered the Omicron strain when it had a vaccine effect. Given that, there seems to be a timing for vaccination.

図2. 月単位の感染者数とワクチン接種回数累積値の相関係数(左:日本、右:フィリピン)Figure 2. Correlation coefficient between the number of infected people on a monthly basis and the cumulative number of vaccinations (left: Japan, right: Philippines)

 

2.社会的免疫の獲得時期について

 図3でみれば日本のワクチン接種3回目の完了(80%接種)時期が、2022年4月頃となり前回予測より2ヶ月早くなっている。これは政府の前倒しによるものであろう。

 フィリピンは2回接種完了が2022年7月となる。3回目接種は未定だが、現時点でその必要性はない。なぜならば、ワクチン接種のタイミングがあるといえそうだ。

 

2. When to acquire social immunity

Looking at Figure 3, the time to complete the third vaccination in Japan (80% vaccination) is around April 2022, which is two months earlier than the previous forecast. This may be due to the government's advancement.

In the Philippines, the completion of the second vaccination will be in July 2022. The third vaccination is undecided, but there is no need for it at this time. Because, it seems that there is a timing of vaccination.

図3.現時点での感染収束時期の予測結果

Figure 3. Predicted results of infection convergence time at present

 

3.まとめ

 WHOは、今後新しいパイ、ロー、シグマ株の登場を警告している。私には、その警告が正しいか外れるかはわからない。というのも、過去のスペイン株の流行は2年間継続した。これと比較すれば現代は、世界的に人の移動が格段に多い時代である。だから感染が鎮圧されるまでに数年はかかるかもしれない。今の私達にできる事は、感染が一時静まった頃を予測して行動するというのがパンデミック下の方法だろう。感染が納まるには長い年月が必要となり、これからも継続的なワクチン接種が続くだろう。

 日本の場合、第3回目のワクチン接種の開始時期が1ヶ月以上遅すぎた。その原因は、私がいつも指摘しているように、文科系の政治構造にある。例えば、問題が起きる、そこで専門家をいれて議論する。それは20世紀の方法であり、現代の方法ではない。

 オミクロン株が南アフリカで最初に発見されたのは、2021年11月。その一ヶ月後には世界への感染拡大状況が顕著であった。そして数理モデルの研究者達は、すでに予測していたはずである。だから昨年からワクチン接種をはじめるべきだった。

 私は、今日3回目のワクチン接種を受けた。しかし時既に遅いのである。議論ばかりしている間に、科学認識に疎い日本の政治家の判断は、遅れに遅れた。

 今必要なのは、数理モデルで未来を予測し、数字の意味を理解でき、即政策に反映できるプログラムを立案でき、そして実行できる政治家である。それは、今の日本には存在しない。

 文化系の勉強しかしてこなかった政治家では、科学社会の日本では限界がある、或いは不適任だ、ということを、私は指摘している。

 今、日本は、第6次パンデミックの中にいる。既に武漢型対応ワクチンのブースター接種は限界にある。次のワクチン開発が急がれる。ウィルスが変異を繰り返す。それがこのパンデミックの特徴だ。ウィルス変異速度よりも早い速度で政治が対応しないと、このパンデミックは納まらない。

 

3. Summary

WHO has warned of new pie, low and sigma stocks in the future. I don't know if the warning is correct or off. After all, the past epidemic of Spanish stocks continued for two years. Compared to this, the present age is an era in which the movement of people is much higher in the world. So it may take several years before the infection is subdued. What we can do now is to anticipate and act when the infection has subsided. It will take many years for the infection to subside, and continued vaccination will continue.

In Japan, the start of the third vaccination was more than a month too late. The cause, as I always point out, is the political structure of the liberal arts. For example, when a problem arises, we will discuss it with an expert. It's a 20th century method, not a modern method.

The Omicron strain was first discovered in South Africa in November 2021. One month later, the spread of infection to the world was remarkable. And researchers of mathematical models must have already predicted. So I should have started vaccination last year.

I received my third vaccination today. But it's already late. During the discussion, the judgment of Japanese politicians who were not aware of science was delayed.

What is needed now is a politician who can predict the future with a mathematical model, understand the meaning of numbers, formulate a program that can be immediately reflected in policy, and execute it. It doesn't exist in Japan today.

I point out that politicians who have not studied cultural matters have limitations or are unsuitable in Japan, a scientific society.

Japan is now in the 6th pandemic. Booster inoculation of Wuhan-type vaccine is already at its limit. The next vaccine development is urgent. The virus repeats mutations. That is the characteristic of this pandemic. This pandemic will not fit unless politics responds faster than the virus mutation rate.

 

撮影データ

積丹半島:NikonDf,28-300mm/F3.5-5.6

ISO200,焦点距離300mm,露出補正0,f/11,1/125 

Shooting data

Shakotan Peninsula: Nikon Df, 28-300mm / F3.5-5.6

ISO200, focal length 300mm, exposure compensation 0, f / 11, 1/125

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番外編525. 新型コロナウィルスNO23.(New coronavirus NO23.)

2022年01月10日 | analysis

 

 オミクロン株が流行している。日本と類似性ある国、フィリピンと比較しながら見てゆこう。フィリピンは人口1.1億、そしてアジアの島国、ワクチン接種開始時期が日本2月、フィリピン3月と近似、感染者数、感染者数のピーク時期など類似性も多い。

 

Omicron strains are in fashion. Let's compare it with the Philippines, a country similar to Japan. The Philippines has a population of 110 million, and is an island country in Asia. The vaccination start time is similar to that of February in Japan and March in the Philippines, and there are many similarities such as the number of infected people and the peak time of the number of infected people.

 

1.日本の感染状況とワクチン接種回数の関係性について

 図1は、1日の感染者数推移とワクチン接種回数累積値の推移を日本とフィリピンでみた2軸グラフである。オレンジ色は、1日の感染者数の経緯を見た。日本では、直近の1月に入って僅かに増加の片鱗が見えている。それはフィリピンにおいて、さらに顕著な傾向が見られる。オミクロン株流行の兆しがわかる。

 青色の線は、これまでのワクチン接種回数累積値である。日本では、NHK集計による総人口に占める2回接種者の割合は80%を越え、さらに3回接種が始まっている。フィリピンの接種回数は、日本の1/2だ。近年接種速度が日本と同様になっている。

 尚Oxfordの12月のデータは1/2程度が欠損値だが、それでも両国とも、オミクロン株流行の兆しをとらえている。

 

1. About the relationship between the infection situation in Japan and the number of vaccinations

Figure 1 is a two-axis graph of changes in the number of infected people per day and changes in the cumulative number of vaccinations in Japan and the Philippines. The orange color shows the history of the number of infected people per day. In Japan, a slight increase has been seen since the latest January. It is even more pronounced in the Philippines. There are signs of an Omicron strain epidemic.

The blue line is the cumulative number of vaccinations so far. In Japan, the ratio of double vaccinations to the total population according to NHK totals exceeds 80%, and three more vaccinations have begun. The number of inoculations in the Philippines is half that in Japan. In recent years, the inoculation rate has become similar to that in Japan.

Oxford's December data has a missing value of about 1/2, but both countries still catch signs of an epidemic of Omicron strains.

図1. 1日単位の感染者数とワクチン接種回数の推移

Figure 1. Changes in the number of infected people and the number of vaccinations on a daily basis

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html

 Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

 図2は、この前述の2指標の関係性をみるために相関係数を算出したものである。1月前半の値は、日本が0.90、フィリピンが0.50と顕著な正の相関となり、前述の感染拡大形を裏付けている。尚図では相関係数を、日本が半月毎、フィリピンが一ヶ月毎に算出している。オミクロン株による感染拡大傾向はどちらも類似している。

 

Figure 2 shows the calculation of the correlation coefficient in order to see the relationship between the two indicators mentioned above. The values ​​in the first half of January have a remarkable positive correlation with 0.90 in Japan and 0.50 in the Philippines, supporting the above-mentioned spread of infection. In the figure, the correlation coefficient is calculated semi-monthly for Japan and monthly for the Philippines. Both tendencies of infection with Omicron strains are similar.

図2. 月単位の感染者数とワクチン接種回数累積値の相関係数(左:日本、右:フィリピン)Figure 2. Correlation coefficient between the number of infected people on a monthly basis and the cumulative number of vaccinations (left: Japan, right: Philippines)

 

2.社会的免疫の獲得時期について

 図3でみればワクチン接種回数2回目の完了(100%接種)時期が、日本は2022年2月17日、フィリピンは2022年12月となる。3回目接種完了が、日本は6月17日、フィリピンは2023年以降となる。フィリピンの接種速度が早くなっているから、2022年内に2回目接種完了になるだろう。こうした統計常識として100%接種完了はあり得ないから、近似値で判断してよい。

 

2. When to acquire social immunity

Looking at Fig. 3, the second completion (100% vaccination) of vaccinations is February 17, 2022 in Japan and December 2022 in the Philippines. The third inoculation will be completed on June 17th in Japan and after 2023 in the Philippines. Due to the faster inoculation rate in the Philippines, the second inoculation will be completed by 2022. As such statistical common sense, 100% inoculation cannot be completed, so it may be judged by an approximate value.

 

図3.現時点での感染収束時期の予測結果

Figure 3. Predicted results of infection convergence time at present

 

3.まとめ

 最近、エビデンス(evidence)という言葉がメディアで流行っている。エビデンスとは論拠の事である。感染報道も論拠の提示なく報道されているため、様々な憶測を生みやすい。このブログでは、エビデンスを定量的なデータベースと定義している。定量的とは数値で語れる事である。私はパンデミックの場合において、数値で語る必要性を、このブログで実践してきた。数値データなき諸説は、憶測や妄想、あるいは迷信であると断言しておく。それにしても現代人が、これほどエビデンスに欠落しているとは予想だにしなかった。

 さていつフィリピンのフィールドワークにゆけるか?。私は、フィリピンは観光立国だからビザ無し渡航が比較的早い時期に訪れると予想している。ただしオミクロン株が収束し、次の新種ウィルスが登場しない限りだが。それで世界のパンデミックは終わりとなるだろう。

 

3. Summary

Recently, the word evidence has become popular in the media. Evidence is a rationale. Infection reports are also reported without any rationale, so it is easy to generate various speculations. This blog defines evidence as a quantitative database. Quantitative means being able to talk numerically. I've put into practice the need to speak numerically in this blog in the case of a pandemic. I assert that theories without numerical data are speculations, delusions, or superstitions. Even so, I didn't expect modern people to be so lacking in evidence.

Can you go to fieldwork in the Philippines? I expect that visa-free travel will come relatively early, as the Philippines is a tourism-oriented country. When the Omicron strain converges, the world's pandemic will end, unless the next new virus emerges.

 

撮影データ

京都市内:NikonDf,28-300mm/F3.5-5.6

ISO6400,焦点距離28mm,露出補正0,f/5.6,1/8 

Shooting data

Kyoto City: Nikon Df, 28-300mm / F3.5-5.6

ISO6400, focal length 28mm, exposure compensation 0, f / 5.6, 1/8

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番外編504. 新型コロナウィルス22. 11月までの感染状況について

2021年12月03日 | analysis

 

 11月迄のCOVID-19の状況をみてみた。本ブログでは一貫して同一データ用いているので過去ログをみれば比較できるだろう。尚Oxfordのデータは休日値がないので毎日公開されている感染者数は、これにあわせた。データは3月〜11月28日迄である。

 

1.日本の感染状況とワクチン接種回数の関係性について

 図1は、1日の感染者数推移とワクチン接種回数累積値の推移をみた2軸グラフである。第5波が収束していることがわかる。特に11月の感染者数最大値は11月602人日、最小値は11月25日の81人の間で推移してきた。二ヶ月前と比較すれば格段に低減している。しかし感染者数が低値といっても0値ではないので、一定数の感染が続いている。つまり感染は収束し切れていないとみられる。

 オレンジの線は、これまでのワクチン接種回数累積値である。NHK集計によれば総人口に占める2回接種者の割合は76.9%である。また11月には接種者数は低減傾向をみせている。統計学的に最大値に近づくと低減するという一般的な統計学的傾向になっている。

図1. 1日単位の感染者数とワクチン接種回数の推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html

 Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

 図2は、この前述の2指標の関係性をみるために相関係数を算出したものである。9月前半以降、負の相関を続けており感染収束に向けた傾向が顕著だ。11月に正の相関となっており、データ数の少なさか、感染拡大傾向下のどちらかなのだが、毎月下旬は正の相関になることから、ここでは前者の判断と理解しておこう。

図2. 月単位の感染者数とワクチン接種回数累積値の相関係数

 図2をみると、9月以降、負の相関が続き、時間的長さからみればワクチンが一定の成果を上げている。だが-数値は半分止まりであり、それだけが要因ではないことを示しているのだろう。つくり個人のマスクやうがい、あるいは国の防疫体制なとであろうか。

 

2.日本における社会的免疫の獲得時期について

 11月28日時点でのワクチン接種回数を図3でみれば1億9620万回 である。2021年2月からワクチン接種が開始され、以後一定のペースで接種が進められてきた。回帰分析式でみれば、2022年2月17頃に解析上100%となる。これは一ヶ月前のブログの予想と同じである。パンデミックがいつまで続くんだという世論に対して、私は近似値ではあるが数値的な答えはだしてきた。

 この図で私が感心を持つのは、現在世界各国で行われている隔離政策が廃止される時期が、ワクチン接種者がどれぐらいの割合になってからおこなわれるかだ。隔離政策がなくなれば、これまで同様にワクチン接種を前提に入国できる。目下の最大の関心事であることは、先月同様に変わらない。

図3.現時点での感染収束時期の予測結果

 

4.まとめ

 最近の最大の関心事は、もちろん変異種オミクロン株である。既に成田空港でナミビアからの帰国者がオミクロン株に感染していることが判明していることをメディアは報じていた。差し違えるように11月30日から日本政府は、海外の諸国と歩調を合わせ外国人の入国全面禁止措置に入った。1日5,000人の入国をしてきた日本にとって、当然の判断ではある。12月末は、日本への帰国者のラッシュ時でもある。

 もう一つオミクロン株の発生は、入国時の検査で感染が判明した人間であって、今後に判明する可能性ある人間達は検疫を通過し、街中で暮らし感染を広げている事になる。

 さらにメディアは、帰国者を自宅に帰し再度ホテル滞在に切り替えるという報道があった。また科学を知らない文科系役人達のちょんぼだ。制度の問題ではなく科学の問題なのだ。そうであれば既に市中にオミクロン株は持ち込まれている。今後2週間程度の時間経過で感染が拡大する兆候があるかどうかがわかるだろう。

 この新型コロナウィルスシリーズも今回で終わりにしようと考えていた。しかし現在の感染状況では、まだ続きそうだ。古代ギリシャ文字オミクロンの語源は「小さい」という意味だが、反対語は「オメガ」とWEB辞書にでていた。科学者達が感染規模が小さいと言う意味で用いたなら適切な言葉だ。そうでなくオメガ株でしたなんて言われたら、ホントにお前達は科学思考があるのかよ!、と叫びたくなる。

 

沖縄県那覇市

iPhon7

ISO32,焦点距離3.99mm,露出補正0,f/1.8,1/125

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番外編502. 新型コロナウィルス21. ウィルスは自滅したのか・・・

2021年11月04日 | analysis

 

 9月30日で緊急事態宣言は解除され、10月のCOVID-19の状況を前回同様のデータと方法でみた。Oxfordのデータは休日値がないので毎日公開されている感染者数は、これにあわせた。データは3月〜10月28日迄である。

 

1.日本の感染状況とワクチン接種回数の関係性について

 図1は、1日の感染者数推移とワクチン接種回数累積値の推移をみた2軸グラフである。第5波がこれまで以上に感染を急拡大させ、そして急速に収束しつつあることが図からわかる。特に9月21日感染者数16,092人を最後に、1万人を超えることはなくなった。

 オレンジの線は、これまでのワクチン接種回数累積値である。NHKの集計によれば総人口に占める割合は、1回目接種者77.25%、2回目接種者数は71.2%である。一定の速度で接種んできた事は、本ブログ前回の回帰式予測では11月末だったから、一ヶ月早い速度で進んできた事になる。これは接種速度が落ちなかった事による。

図1. 1日単位の感染者数とワクチン接種回数の推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html

 Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

 図2は、この前述の2指標の関係性をみるために相関係数を算出したものである。9月前半以降、負の相関を続けており感染収束に向けた傾向が顕著だ。

図2. 月単位の感染者数とワクチン接種回数累積値の相関係数

 図2をみると、負の相関だから感染者数の増加とワクチン接種率の関係性があるが、9月以降の値は-0.50前後であり、とりわけ強い相関ではない。そうなると他の要因が関与している可能性がありそうだ。

 例えば、政府・自治体や国民の防疫体制が特に向上したわけではなく一定である。それでいて都心部の人口流出は多かった。にもかかわらず感染者数の急速低減の理由は何か?、ということである。

 そこで「エラー・カタストロフィの限界」(注1)説がある。ノーベル賞受賞者であるマンフレッド・エイゲンの論文によれば、ウィルスの変異過程のなかで変異の限界に達しウィルスが自滅するという説だ。それがピークアウトだが、これが収束の要因の可能性もあるが検証されたわけではない。

 

2.日本における社会的免疫の獲得時期について

 10月28日時点でのワクチン接種回数を図3でみれば、1億6105万7159回 である。2回接種に換算すれば1/2の8,053万人となる。28日のデータでみると1回接種者1億8787万人回である。

 2月からワクチン接種が開始され、以後一定のペースで接種が進められてきた。現在のペースで進めば11月17日頃に80%、90%12月1日頃、あり得ない値だが100%は来年2月頃となる。一体いつまで続くんだという世論に対して、私は近似値であるが数値的な答えはだしてきた。

 この図で私が感心を持つのは、現在世界各国で行われている隔離政策が廃止される時期が、ワクチン接種者がどれぐらいの割合になってからおこなわれるかだ。隔離政策がなくなれば、これまで同様にワクチン接種を前提に入国できる。目下の最大の関心事だ。

図3.現時点での感染収束時期の予測結果

 

4.まとめ

 第6次感染があるとすれば、その時期はワクチンの抗体価が下がる来年1〜2月頃とメディアは報じている。目下3回目のブースター接種が始められようとしている。

 こうした解析をしていると、問題が発生し、それが社会問題になるとようやく国が動き出し、新たな制度をつくり、これに従って律儀に実行してゆくという日本人の特性をみているようだ。しかし今では古い問題解説型の国家や政治である。

 このブログを書いている10月31日は、奇しくも衆議院選挙の投票日だった。候補者の中に、数理モデルで近未来を予測し、仮説検証型の理論で制度をつくり、衝撃に備える事を公約にした政党や支持者はいなかった。相変わらず事後処理しかできない20世紀型文科系国家が継続している。

 やはり科学的な見地から近未来を予測し、モデルをつくり、パンデミックに備えるという体制が必要である。予めわかっていたにも関わらず起きた医療崩壊は、文科系施策の貧しさの反映だろう。

 

注1)Manfred Eigen, "Selforganization of Matter and the Evolution of Biological Macromolecules” Die Naturwissenschaften, Vol.58, 1971

 

iPhon7

ISO20,焦点距離3.99mm,露出補正0,f/1.8,1/6849

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番外編492. 新型コロナウィルス20. 緊急事態宣言解除の背景

2021年10月01日 | analysis

 

 9月30日で緊急事態宣言は解除された。もちろんデータにもその根拠がみられるだろう。少し前回同様のデータでみてみよう。データは9月28日迄である。

 

1.日本の感染状況とワクチン接種回数の関係性について

 図1は、1日の感染者数推移とワクチン接種回数累積値の推移をみた2軸グラフである。青線が感染者数であり、これまでの感染拡大から急激に収束していることがわかる。

 オレンジの線は、これまでのワクチン接種回数累積値である。5月27日以降は、1日あたり一定の接種回数で増加し推移している。尚国が発表しているデータは、9月4.5.11.18.19.20.23.25日はデータを発表していない。一定の速度で接種が進み、現在50%を越える国民が2回の接種を完了している。

 この2軸グラフをみると、ワクチン接種効果が大変高いことがわかる。

図2. 1日単位の感染者数とワクチン接種回数の推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について、20201月〜9月28日、

首相官邸:ホームページ、新型コロナワクチンについて、日別実績

 

 図2は、この二つの指標の関係性をみるために相関係数を算出したものである。9月は、負の相関を示し続けており感染収束に向けた傾向がみられる。先月ようやく灯りが一つだけともったとブログに書いたが、ようやく全体に灯りがまわったようだ。

 9月後半の値が低いのは、連休があり閉庁日が多かったためだろう。役所の都合である。

図2. 月単位の感染者数とワクチン接種回数累積値の相関係数

 

3.日本における社会的免疫の獲得時期について

 9月28日時点でのワクチン接種回数を図3でみれば、1億6105万7159回 である。2回接種に換算すれば1/2の8,053万人となる。NHKの28日のデータでみると1回接種者87,639,917人(69.2%)、2回接種者73,417,188人(58.0%)と発表されている。

 2月からワクチン接種が開始され、5月17日以降接種速度が加速し以後一定のペースで接種が進められている。回帰式は7月時と大きくは変わらない。先月と比較すると70〜90%の到達時期が少し早まってきたことを図3は示している。

 社会的免疫獲得時期を図3から回帰直線の値を読み取れば、国民60%の2回接種完了が10月22日頃、同70%は2022年11月27日頃、同80%は12月30日頃、同90%は2022年1月30日となる。現在の接種速度で進めば9月17日には国民の60%接種完了に達しているはずだが、NHKのデータをみると必ずしもそうではない。それは接種回数の差だろう。今後12歳以下をどうするのかという課題もあり、現時点で接種回数は国民の70〜80%止まりではなかろうか。

図4.現時点での感染収束時期の予測結果

 

4.まとめ

 ようやく国民2回接種者が過半数を超えたところで、第5次の感染者数は低減しており、9月末で宣言解除の論拠の一端がうかがえる。コロナウィルスは、人間が抵抗体を獲得すると急速に感染拡大を低減させてゆくようだ。それはあたかもウィルス自体が意志をもっているかのようでもある。

 第6次感染があるとすれば、ワクチン未接種のコミュニティでクラスターが発生することはあるだろう。すくなくともワクチンの有効期間が続けば感染拡大は著しく低減することになるが、感染がなくなるわけではない。

 

京都市

NokonF3HP+MD4、CarlZeiss Distagon25mm/F2.8T*ZF、Tri-X400

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番外編488. 新型コロナウィルス19. 社会的免疫獲得の時期について

2021年09月03日 | analysis

 衆議院解散と自民党総裁選がとりざたされている。現政権及び日本政府は、COVID-19の対策において無策であったとする批判がある。本当にそうなのか?。そこで無策だったのか、有効策だったのかについて各国の感染状況を比較しつつ検証してみよう。あわせて日本の現在の感染状況について記した。

 

1.人口10万人あたりのG7を初めとする各国の感染状況について

 これまでの感染状況をG7国及び中国、韓国、インドについてみてみよう。指標には、これまでの総数である感染者数累積値と死者数累積値を用いた。また各国の人口数が異なるので、比較するために人口10万人あたりの値を算出し、表1と図2にしめした。これらの表図を用いて各国の感染状況を考察してみよう。

表1.人口10万人あたりの感染状況(2021/8/12)

図1.人口10万人あたりの感染状況

 

 人口10万人あたりの感染者数累積値では、図1の順に最大値から米国10,934人、スペイン9,968人、フランス人9,866人、英国9,098人、イタリア7,299人、ドイツ4,546人、カナダ3,849人、インド2,321人、日本846人、韓国423人、中国7人の順である。日本と韓国及び中国は、欧米と比較すれば1桁小さい値であることが特徴である。

 人口10万人あたりの死者数では、最大値から順に、米国187人、スペイン176人、フランス173人、英国193人、イタリア212人人、ドイツ110人、カナダ71人、インド31人、日本12人、韓国4人、中国0.32人である。日本は9番目となり、日本、韓国、中国は欧米諸国とは桁数が違う。

 以上の事から、日本は欧米諸国と比較すれば、感染者数、死者数が低く抑えられてきた。同じアジア地域であり、早くから感染症対策をおこなってきた韓国と同様に、いずれの値も低い。中国は感染発生国であるが、感染対策も外出禁止を徹底した結果、現時点では収束をみている。

 従って、日本は、欧米の各国と比較すれば、決して無策ではなかったとみられる。それは日本政府・全国自治体・医療従事者及び国民が感染症対策に努めてきた結果だとみてよいだろう。

 メディアは突出した行動しか報道しないが、メディアが扱わない静かな絶対多数の日本人、すなわちサイレントマジョリティ(静かなる絶対多数)が、店の経営や生き残る道に知恵をしぼり、出歩きたい外出も回数を減らし、自宅に籠もって息をひそめ、東京オリンピックを無観客でおこなう決断に意義をとなえず、感染が通り過ぎるのを忍耐強く耐えてきた。これまでは、そうしたことがいえそうだ。だか明日以降のことはわからない。だからこそワクチン接種を急ぐべきだが、そのワクチンは世界各国で取り合いになっているのだろう。

 

2.日本の感染状況とワクチン接種回数の関係性について

 図2は、1日の感染者数推移とワクチン接種回数累積値の推移をみた2軸グラフである。青線が感染者数であり、これまでの感染拡大以上に高い値を示しており、8月下旬に大きく感染者数が増加しており、今はこれまでに経験したことがない感染拡大や医療崩壊の状況下にある。

 オレンジの線がこれまでのワクチン接種回数累積値である。5月27日以降は、1日あたり一定の接種回数で増加し推移している。尚国が発表しているデータは、8月6,7,8,13,14,20,21,23,25,27,28日はデータを発表していない。きわめて曖昧な態度だ。というのもデータが存在しない事と、0値とは統計上の意味が異なる。ここではデータがないので当該日は削除した。

図2. 1日単位の感染者数とワクチン接種回数の推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について、20201月〜6月4日、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html

 Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

 図3は、この二つの指標の関係性をみるために相関係数を算出したものである。当然負の相関を示すことが感染収束に向けた傾向であるが、8月は正の相関であり収束傾向どころか拡大傾向である。ただし7月よりは値が小さいというのが微かな希望だろう。ようやく灯りが一つだけともった感じ、一つだから状況によっては消えるかもしれない。

 従ってこの図を見る限りでは、緊急事態宣言は、予定の9月12日に解除できないと私は判断している。多分2週間ほど延長されるか、9月末まで続くのだろう。悪ければ正の値が高くなることだってありえる。やはり相関がマイナス値にならないと収束に向かう傾向だとは言えない。

図3. 月単位の感染者数とワクチン接種回数累積値の相関係数

 

3.日本における社会的免疫の獲得時期について

 8月31日時点でのワクチン接種回数は、1億3090万回である。2回接種に換算すれば1/2の6,545万人となる。このデータは1回接種者数も含んでいるから、NHKの最新データでみると2回接種者数は4,979万人と発表されている。まだ過半にも及ばない状況である。

 3月からワクチン接種が開始され、5月17日以降接種速度が加速し以後一定のペースで接種が進められている。回帰式は7月時と変わらない。5月までの接種速度が遅い時期が繁栄されているので回帰直線は、現在の接種速度の直線と比較すれば緩やな傾斜である。なぜこうしているかだが、いつまでも現在の接種速度が維持されるとは限らず、米国の例のように60%を越えると接種速度が落ちると推測しているからだ。

 社会的免疫獲得時期を図4から読み取れば、現在の接種速度であれば国民60%の接種完了が9月17日頃、だが回帰直線では11月25日、70%は2022年1月10日頃、80%は2月17日頃、90%は3月30日となる。ただし12歳以下をどうするのかという課題もあり、現時点では70〜80%止まりではなかろうか。

図4.現時点での感染収束時期の予測結果

 

4.まとめ

 ワクチン接種後に発熱したり倦怠感があったりする後遺症が出る。それは体内に抗体を作ろうとしている作用であり健全な事だ。そして接種後に症状がなかったという人もいる。つまりワクチン効果がないとする場合である。ファイザーワクチンの発症予防効果は95%、そして5%の人には効果がない。100人に5人はワクチンが効かないというわけだ。

 またワクチン効果が持続する期間が、今後問題になる。米国では、2回目接種後8ヶ月後の3回接種の準備をしているだろう。というのも抗体が40%以下になるとワクチン効果が薄くなる特性がある。ワクチン接種は永続的効果があるわけではなく、8ヶ月後にブースター接種が必要だとする米国の見解もあり、我が国でもブースター用ワクチンをオーダーしている事だろう。

 そうしたワクチンの特性を踏まえ抗体がどの程度の量があるかの検査が市中の特定のクリニックでもできる。それが、ワクチン接種後の抗体測定検査(lgGを含む)であり、5,000円程度で検査してくれる。というのが私が聞いた話である。

 今後どうなるかの予測は、今年前半からのデータを日ごとの時系列で1日の感染者数とワクチン接種者数累積値の相関をとれば、すくなくとも一ヶ月先の動向はわかるし、データ構造は単純だから高校生でも算出できる。私がこんなことを始めたのも沖縄へダイビングにゆく機会を探るためだったが、政府CIOのポータルサイトをみても沖縄県は最新値しかない。過去1日毎の三ヶ月分位のデータがほしいのだが・・・。

 

京都市

SONYα6000、Leitz Elmarit28mm/f2.8

ISO100,露出補正-0.3,f/8,1/800

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番外編472. 新型コロナウィルス18. 社会的免疫獲得の時期について 

2021年08月05日 | analysis

 

 最近変異株の感染が顕著だ。社会的免疫の獲得が先か、ウィルスの変異が先か、の様相をおびてきた。新しいデータを用い現時点におけるCOVID-19の社会的免疫の獲得時期について、都市計画の専門家の立場から予測してみよう。

 

1.ワクチン接種回数の日米比較

 日米のワクチン接種回数累積値をみたのが図1である。グラフの傾斜をみると米国と比較し日本の傾斜が緩い。米国の1日あたりの接種回数がおおよそ300万回、日本は80〜100万回で推移している。日本は米国の1/3の遅い速度だが、それは人口比があるからだという理由だけではないでしょう。米国、イスラエル、英国は既に大方の接種を終えているので、万事遅すぎる日本の対応の現れとみられる。政府の対応が遅いということは、それだけ感染者と犠牲者を増やすだけであるばかりか、医療への負荷を増加させる悪循環に陥ることになる。

図1. ワクチン接種回数累積値の日米比較

出典:Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

2.日本の感染状況とワクチン接種回数の関係性について

 図2は、1日の感染者数とワクチン接種回数累積値の推移をみた2軸グラフである。感染者数の急増とワクチン接種回数累積値とが、いずれも増加傾向だから正の相関になる。これが7月の新しい傾向である。つまり変異株による感染者数の急増がある。

 そこで1日の感染者数とワクチン接種回数累積値の推移を、半月ごとの相関係数でみたのが図3である。7月の顕著な特徴は、+側の相関である。ワクチン接種が感染者数の増加を抑えてきた6月とは大きく異なっており、ワクチン接種が感染の拡大に追いつかないことを図は示している。

図2. 1日単位の感染者数とワクチン接種回数の推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について、20201月〜6月4日、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html

 Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

図3. 月単位の感染者数とワクチン接種回数の相関係数

 

3.日本における社会的免疫獲得の時期はいつか?

 7月31日時点の日本のワクチン接種回数は、8,776万回である。2回接種に換算すれば4,388万人となる。国民人口の1/3程度である。ただしこのデータは、1回接種者数も含まれるので、メディアが発表している2回接種者値は27.64%と聞いている。大変遅いスピードだといわざるを得ない。

 今日時点で65歳以下の接種が始まっているが、予約をいれてもナシのつぶてというのが大方の日本人の姿だろう。変異ウィルスの出現は、手洗い、マスク、うがい、外出自粛につとめていても感染拡大傾向が続いている。従ってもう一つ施策が必要なのだろう。

 さて現在の接種速度で進めば、2021年9月25日前後には、国民の60%が1回または2回接種を完了できる事が図4からわかるが、本当にそうかと問えば、疑わしいといわざるを得ない。図1で示した米国のグラフのように高止まり傾向が、日本にも当てはまることを考慮すれば、回帰直線の数値の方が近いだろう。これをもとに考えてみよう。

 回帰直線で示した値でみると、日本国民が1回または2回接種を完了する時期、つまり60%の社会的免疫獲得が2022年1月27日、70%獲得が2022年3月17日、80%が2022年5月7日、90%が2022年6月17日の前後だということがわかる。

 ふくみを持たせて捉えれば、60%の社会的免疫獲得時は図4から判断し、2021年9月25日〜22年1月27日の間ぐらいだろうとみられる。

 米国は、ワクチン接種の開始時期や接種速度が速かったために、変異ウィルスの感染拡大時期をかろうじて避けた格好になる。これにたいして日本は全てが遅い政府の施策あるいは遅策のために、変異ウィルス拡大にもろに遭遇することになる。感染症対策は、早い者勝ちである。

図4.現時点での感染収束時期の予測結果

 

 

4.まとめ

 感染拡大傾向の現在、取り得る施策は、ワクチン接種の速度をあげることにつきる。すくなくとも従前の倍ぐらいの速度で進めるべきだ。それとて効果が出るのは一ヶ月後からである。そうした施策を日本政府は、今日時点でおこなっていない。

 強い感染力で拡大しているので、ベッド数が足りないから自宅療養だとするのは家庭内感染を増やすだけだから、矛盾した施策である。それで個別対応で医者などを各家庭に派遣するというのは、医療資源の使い方としては無駄が多すぎる。やはりホテルの個室を借り切って完全隔離した方が感染拡大を防ぐ点で効果が高く、また医療資源の提供も効率的だ。

 こうしたときに「是非うちのホテルチェーンを使ってください」と名乗り出るホテルがあったら、国民は、そうしたホテルの品格や見識、つまりプレステージを今後忘れることはないだろう。

 この1年半の日本の経験を顧みると、日本の政府や自治体は、新しい事態への素早い対応、科学的な視点からの施策の判断や実施、共有する意識の欠落と、その全てが苦手であることがわかった。やはり文科系ガバナンスの限界であろうか。といって与党も野党ともに文科系ばかりだから、そこが私達にとっては悩ましいのだが・・・。

 都市計画の専門家の立場からみれば、感染症対策はスピードと、医療資源の効率的投下が重要であることがわかる。ワクチンを自前で開発し速やかに承認できる制度がない日本では、遅速でも最大の速度だったのだろう。隔離を徹底させ効率的に医療資源を投下し、早く収束させ、早く経済を回復させる、それが一番被害を少なくする方法であることは多くの人々の共通認識だが、それができなかったというのが口惜しいですね。

 

追記

 自治体がワクチンパスポートを発行するとメディアは報じていた。確かパスポートには電子チップが埋め込まれ、印刷と合わせて使用すれば偽造はされないだろうと私は考えていた。

 都内の某区の対応を放映した番組をみて私は愕然とした。接種券の控えを役所に持参すると、時代かがったプリンターでコピー防止用紙に印刷された証明書を発行してくれるというものであった。私は都内某区役所の国際感覚のなさにあきれた。

 それを大きさの違うパスポートにはさんで一緒に持ち歩くなんて実に面倒な話だ。紛失したら現地日本大使館で再発行してくれるかというと、ワクチン接種は役所の仕事なので日本政府では再発行できないとなるだろう。それに旅をすればわかるが、持ち歩けば、こすれたり雨で濡れたりしてペーパーの類いはかすれて文字が判読できないことはよくある話だ。そんな危ういペーパーに古プリンターで印字してパスポート!?。

 だからパスポート自体に証明書を印刷し、電子チップに情報を埋め込むべきだ。何故、日本はいつも面倒くさく、世話がやける方法ばかりとるのだろうか。それは日本人の体質なのか?。

 下記の図版はロシアのビザである。通用期間の切れた古いパスポートなのでアップさせてもよいだろう。偽造しにくいように文様とホログラムが施されている。ビザ申請をすると、これをパスポートに印刷してくれる。ただし少し前の話なので電子チップに記録されているかどうかはロシアの事なので不明だが、私は密かに記録されているとみている。

 私がワクチンパスポートとイメージしていたのは、ロシアビザのイメージであった。だから偽造しやすく再発行できない紙ぺらにパスポートなどと紛らわしい名前をつけんといてほしいな。パスポートは国が発行する書類の事を示すが、日本政府発行でもない自治体のペーパーで世界に通用するのだろうか?。

 

京都市

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番外編461. 新型コロナウィルス17. 日本の感染収束時期の予測 

2021年07月05日 | analysis

 

 日本のコロナウィルスの収束時期について、現時点でのデータを用いて探ってみよう。

 

1.日本の感染者数は全国値では収束、特定の都府県では拡大傾向

 図1は、厚生労働省が毎日発表している全国の1日毎の感染者数の推移である。

 全国値でみれば下げ止まりから、僅かに拡大の兆しがみられる。拡大の兆しは東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪の緊急事態宣言が発生された地域の感染者数増加がグラフに繁栄されている。それ他の道府県は低減傾向にある。ちなみに京都府は、宣言が出された地域だが現在では低減傾向である。

 このようにみると政府・自治体やメディアが盛んに報じている第5次感染の現象は、今日時点の全国値ではみられず、むしろ先5都府県に限っての話だということがわかる。つまり地域によって感染状況が、拡大傾向と収束傾向とに現時点で二極化していることになる。

 メディアは感染拡大地域しか報道しないから、あたかも日本全国に感染が拡大するかのようなあおり報道が多い。

図1.1日単位の感染者数推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(20202月〜5月31日)

 

2.ワクチン接種の効果について  

 図2は、1日の感染者数推移とワクチン接種回数累積値の推移をみた2軸グラフである。感染者数の低減と逆にワクチン接種回数が増加しているから逆相関の構造であり、はたしてこの二つの指標間に関係性があるのか、についてみたのが図3の相関係数である。逆相関だから、負の相関係数が出現すればワクチン接種効果が感染者数を低減させていることになる。

 2月から半月ごとの相関係数でみてみよう。3月前半から5月前半は正の相関であるから、ワクチン接種との関係性はみられない。むしろ緊急事態宣言による自粛の方が効果が大きいのだろう。しかし5月後半以降、負の相関が続くので、このあたりからワクチン接種の効果がでてきたといえる。今後負の相関が続く事が予想され、ワクチン接種効果が次第に社会へ敷衍してゆくものとみられる。

 図2.1日単位の感染者数とワクチン接種回数の推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について、20201月〜6月4日、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

図3.月単位の感染者数とワクチン接種回数の相関係数

 

3.日本における社会的免疫獲得の時期はいつか?

 日本のワクチン接種回数は、6月30日時点で4,561万回である。日本の総人口は2021/04/14時点で1億2616万7千人であり、2回の接種をおこなうと、全国民の60%の2回の接種回数は1億4,800万人・回である。全国民の60%の2回接種が終わる時期を回帰分析(線形行列)で求めてみよう。

 図2.のデータを用いて、回帰分析で予測したのが図4である。2回のワクチン接種をおこない全国民の60%(社会的免疫は70%)が接種完了となる時期はいつかを回帰直線で示した。青の破線がそれである。破線中央に回帰式と決定係数R2乗値(ズレ量:値が大きいほど適切性ある)を示した。この回帰直線は過半の適切性を持っている。

 その結果、今日時点で日本の人口の社会的免疫60%に到達できる時期は、2回のワクチン接種数に換算すると、1年後の2022年8月30日頃という結果になった。

 回帰分析はこれまでのデータの推移のなかで一番説明力が高いところに直線を引く。図4をみると青の実線がワクチン接種回数累積値であり、接種開始時が2月中旬〜5月中旬までの3ヶ月が始動期の横ばい推移であり、それ以後1ヶ月半が急角度で接種が進む拡大期にはいったばかりである。そうした始動期の影響が出ているため、社会的免疫60%の時期が1年後になっている。

 現在のワクチン接種速度が、このまま急角度で維持されてゆけば60%到達時期は年内あたりに前倒しされるが、それがいつかは現時点のデータではわからない。来月あたりにそうした兆候が予測できると思われる。

 

図4.現時点での感染収束時期の予測結果

 

追記

 既に2回のワクチン接種も済み、私の頭の中でコロナ禍は終わった。コロナ禍でしていたことは京都アクアリーナに通いエアロビクスとウェイトトレーニングでダイエットをしていた。おかげて昨年夏より体重が9kg減少し、病院の血液検査の結果も体脂肪率が少し高いほかは、全ての値が標準値に戻っている。

 もう一つ外食をやめたことも大きい。先ずたっぷりのサラダなどの野菜を多く摂取し、肉を減らし植物性タンパク質の摂取に心がけた。そんな生活を続けていると、外食がいかにハイカロリー食材が多いかということに気づいた。つまり現代人は、食べ過ぎ、その結果太りすぎといえそうだ。

 飲食産業が不振だからといって、協力する意志よりも自分の体調維持の方がはるかに重要だということに気づかされたのもコロナ禍を経験してからだ。だから最近では、飲み会などに誘われると警戒心が先にくる。これで1kgは体重が増えそうだという具合に。

 感染の知識をハーバード大学のギゼックさんの本で勉強し、社会データを用いて収束時期の見通しまで得た。マスメディアの一喜一憂の無益な報道にかき回されることなく、客観的な情報から私なりの視座ができたと思われる。

 最近感染力が強いデルタ株などの報道もあり、オリンピックもあるなどの予測し得ない事態もあるから、一ヶ月後にまたアナリシスを執筆する必要がありそうだ。

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番外編460. 新型コロナウィルス16. 予防接種か治療薬か!

2021年06月11日 | analysis

 

 東京オリンピック開催まで時間が迫ってきた。だが国内の感染は納まっていない。オリンピックを開催するために社会的免疫が60%(実際は70%程度)は欲しいと想定すれば、その時期がいつかが問われる。少し5月のデータを見ながら考察してみよう。

 

1.米国の感染者数累計値とワクチン接種率

 米国の1日の感染者数と総人口に占めるワクチン摂取者数の構成比を図1で示した。

 期間はワクチン接種を開始した2020年12月から2021年5月末、ワクチン接種とは1回でも接種を受けた人数を1日毎の推移でみた。最大値が12月の30万人/日、現在は25,000人/日と低減している。これと反比例するように5月末のワクチン接種率が50%である。これらの推移は同然逆相関の関係にある。

 図2は、感染者数とワクチン接種者数の相関推移をみたものである。6月は3日分のデータしかないので考察から除外している。月ごとの経過は3月に正の相関が見られたが、他は負の相関で高い値が続いている。ワクチン接種回数が感染者数を低減させている関係性の高さを示している。

 

図1.日単位の感染者数と1日毎のワクチン1回接種者数構成比の推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について、20201月〜6月4日、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html

Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

図2.月単位の感染者数とワクチン接種者数の相関係数

 

2.米国における社会的免疫獲得の時期はいつか?

 先ずこれまでに投与されたCOVID-19ワクチンの投与量をみてみよう。これは投与されたワクチン接種の合計回数である。合わせて日本のワクチン投与量も併記している。米国はほぼ線形に増加傾向であり、日本はまだ傾向が見られないので解析から除外した。

 米国の投与量は6月5日時点で、3億27万回である。米国の総人口は2021/04/27時点で3億3144万人、2回の接種で全国民の60%の接種が終わる時期を回帰分析(線形増加の場合)でみてみよう。

図3.ワクチンの投与量

出典:https://mofqcj3jhvv2qkqr3vgjqncyk4-adv7ofecxzh2qqi-ourworldindata-org.translate.goog/grapher/cumulative-covid-vaccinations?tab=chart&stackMode=absolute&time=earliest..latest&region=World&country=~USA

 

 図3.のデータを用いて、回帰分析で予測したのが図4である。米国人口の社会的免疫60%に到達できるのが、2回のワクチン接種数に換算すると8月20日という結果になった。全国民数では12月に接種が完了する見込みである事もわかった。もちろんワクチン接種を拒否する国民もいるから、100%接種というわけにはゆかない。直線右端に回帰式を示した。

 

図4.予測結果

 現時点では、日本が予測できるデータ傾向には至らないので接種度60%の到達時期はわからない。来月になれば算出できるかもしれない。少なくとも米国の8月20日よりは、遅いだろうということは、この図から推測できる。

 

3.予防と治療という二つの方法

 ここまでは、ワクチン接種による社会的免疫についてみてきた。それは感染の予防という立場である。もう一つの立場がある。それが感染の治療である。

 トランプ前大統領が感染したとき用いられた抗体治療薬がアメリカで承認されている。またインドで用いられて効果が大きかったと報道されているイベルメクチンは、大村智・北里大特別栄誉教授が発見、開発し、2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した抗寄生虫薬である。

 それほどの効果があれば、感染して自宅待機している患者に投与してゆけば、回復者も増え、医療崩壊も防げることになる。この件については、私ももう少し勉強してみようと思う。つまり効果的な治療薬が市中に出回れば、感染も収束に向かう。

 つまり感染を予防するのか、治療でゆくのかとする二つの方法がある。どちらを選ぶかは国民次第ということになる。ワクチン接種は、アメリカでも日本でも強制ではない。日本では2年間の治験をパスして特例承認されたワクチンだから、何年か後のリスクはあるかもしれないから自己責任だよ!、という前提でワクチン接種が進められている。

 

4.まとめ

 データをもとに考察を進めてきた。本日時点でのデータで一つ言えることは東京オリンピックまでに日本が社会的免疫に到達できない事。そんななかでオリンピックを開催するとすれば、PCR検査は70%程度の判定率だから、すりぬけることもあり、こんな検査で感染抑止効果は期待できない。

 やはり全関係者にワクチン接種。それができなきゃ徹底隔離。例えば選手、大会関係者、報道陣、ボランティア、移動の車両、選手寄宿舎からの外出禁止(おそらく寄宿舎の周囲にバリケードを築いて警察が監視する)だろうか。そこまでして隔離できるなら開催できるだろう。

 それができなければ1年間の再延期でしょう。再延期して盛大にやればよいと私は考えているけど。何故再延期が議論の俎上に上がらないのだろうか?。このままだとインド株の変異ウィルス感染拡大とオリンピックとがバッティングする可能性もあるのではないですか。

 さて今日の考察は、専門家がおこなえばもう少し緻密なデータで適切な結論が導き出せるだろう。ここでは、一般市民ができる範囲で考察してみた。といって専門家のそれと大きく方向が違うわけではない。そして回帰分析程度なら、高校生の数学で十分。感染症に関するデータ構造は単純なので、この程度の考察でも、この先どうなるかの見通しは、つけられるわけだ。

 

追記 

 この感染がどこから発生したかが不明だ。当初はコウモリ説があった。そうであれば、その宿主を探せば抗体がみつかるはずだ。だが、そんな展開はない。

YouTubeに興味深い記事がある。

https://www.youtube.com/channel/UC2ZOs7TIgeV6WNg_2wLZPFg/videos

及川幸久:THE WISDOM CHANNEL、「武漢漏洩説 巨大利権構造の全貌が・・・」

2021.6.6【米国】〈CDCvs国務省〉機能獲得実験の巨大利権構造の存在!その全貌が明かされる!?科学ではなく金に従っていた米科学会!

 つまり米国科学者であるDr.ファウチが国内でパンデミックを人工的につくる機能獲得実験をしようとしていた。だが米国政府から危険が大きいので禁止された。そこでDr.ファウチは、中国武漢研究所に機能獲得実験を外注した。そこでウィルスを海鮮市場でばらまくなどの武漢漏洩説である。そうなるとパンデミックを始動させた最初の原因は、中国政府広報官が発言した「原因はアメリカ発!」、は正しい事になる。時折メディアに撮される武漢研究所は、中国では珍しく新築で設備が整っていることがうかがわれ、多額の研究資金が投じられた事がわかる。

 そうした外注の多額の研究資金には、米国の税金は使えないから民間からの基金になる。かねてから感染症研究に関心をもっている投資家といえば、Windowsソフトで巨大な利益を築いたビル・ゲイツ氏・・・。

  感染の発生源をさぐれば、科学ではなく利権の構造がある、とするYoyTubeの記事がリアリティを持ってくる。COVID-19は、自然現象ではなく人間が意図的に引き起こしたとする説に対し、いまのところ反証材料はみられない。もう少し注視してゆこう。

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番外編459. 新型コロナウィルス16. 米国の状況について

2021年05月02日 | analysis

 

 京都府に出されていた緊急事態宣言も終わるのか継続するのか、無意味な議論が続いている。感染の終息は、ワクチン接種だけである。従ってそれ以外の国や自治体の施策は無策といってよい。

 新型コロナに関する報道やWEB情報が多数あり、国が文科系自治体職員のために感染状況5指標で、ステージ1感染ゼロ散発段階、ステージ2感染漸増段階、ステージ3感染急増段階、ステージ4感染爆発段階迄の4段階のカテゴリーを設けマトリックスで示したあの表がある。これに基づき緊急事態宣言やマンボーの発生判断に使っている。この表の指標には、入院率、重傷率、10万にあたりの両用患者数、PCR陽性率、10万人あたりの新規報告数、感染経路不明割合がある。全て感染者数に端を発する指標であり、私から見れば1カテゴリーに過ぎない。こうした指標は文科系役人が施策実施判断の玩具であるので、これらの指標を国民は無視してよいし、報道する必要を感じない。

 感染症をみてゆく基本データは、二つしかない。感染者数とワクチン接種者数である。この二つのデータの推移構造は逆相関であり、COVID-19の収束はワクチン接種による社会的免疫の獲得によって収束する。それが出口だ。これら二つのデータを米国の例でみてみよう。

 

1.米国の全体状況

 2020年1月〜2021年4月迄の米国の1日単位の感染者数推移をみたのが図1である。二つの山を経過し2020年末に30万人/日と最大値となり、以後ワクチン接種の効果があり、現在5万人/日まで低減してきたことがわかる。

図1. 米国の感染者数の推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について、20201月〜4月28日https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html

 

2.米国のワクチン接種後の感染者数の推移

 米国でワクチン接種が開始され、統計にデータがあがるのが2020年12月からである。そこで図1の1日感染者数最大値の12月〜現在までと、1回でもワクチン接種した人の米国民全体に占める割合-ワクチン摂取率の2軸グラフが図2である。左側縦軸が1日感染者数推移、右側縦軸が摂取率である。摂取率は現在43%まできたところである。感染者最大値から1/6に減少している摂取率は44%弱である。このグラフをみると、明らかに逆推移=負の相関がわかる。

 

図2. 米国の感染者数推移とワクチン摂取率

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について、202012月〜4月28日https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html

Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

3.感染者数とワクチン摂取率の相関係数

 感染者数とワクチン摂取率の関係をみるために半月ごとの相関係数を算出したのが図3である。絶対値±1の間で、マイナス側は負の相関が高い期間であり、感染者は低減し摂取率が向上している。プラス側は、感染者数と摂取率が正の相関であり、どちらのデータも増加傾向を示す。

 2021年1月下旬から2月15日にかけて高い負の相関を示しており、ワクチン接種が感染者の増加を低減させている効果が高い期間である。2月下旬から4月15にかけては、正の相関であり、感染者数とワクチン摂取率にいずれもが増加傾向を示している。だが値は0.2以下と低い。これはもみ合っている状態といえる。さらにに4月中旬以降高い負の相関を示し、ワクチン摂取率の増加に伴い、感染者が低減していることがわかる。

 総じてもみ合いはあるものの、全体として大きく低減傾向にむかっていることがわかる。

図3. 米国の1日感染者数とワクチン摂取率の相関係数の推移

出典:Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

4.各国のワクチン接種状況

 4月28日迄におこなわれた各国のワクチン接種状況を示したのが図4である。トップから順にイスラエル、英国、米国、チリ、バーレーン、ハンガリー、ウルグアイ、セルビア、ドイツ、フランス、トルコ、ブラジル、インドと続く。日本はこのグラフにすら登場しない程度の摂取率である。また線形勾配が比較的類似している国が多いことも特徴だ。

 

図4. 世界のワクチン接種状況

出典:Oxford unv.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

5.まとめ

 米国は、全体としてみればワクチン接種により感染者数が激減している。感染者数は、人間の行動の多様性があるからバラツキが出てくる。それに対してワクチン摂取数は一定のテンポでおこなわれており、接種体勢が確立されている事がうかがえる。摂取率は直線方程式とみることができそうだ。そこで社会的免疫を獲得できるワクチン摂取率100%となるのは、何時かが算出できる。

Y=7.3x(1ヶ月7.3%の社会的免疫を獲得しつつある事が数値からわかる)

Y=100%で計算すると、xは13.6ヶ月と算出できる。

つまり米国は、2020年12月に接種が開始されたから、2022年2月に社会的免疫100%が達成されることになる。

参考までに、x=13.6ヶ月を我が国にあてはめると、2021年3月接種開始だから2022年5月に社会的免疫が100%になる。つまり感染の終息である。米国より人口が少ないから早まりそうだが、ワクチン輸入が遅れる事も予想されるから、これらは相殺とみた場合の話である。

 

6.追記

 図4をみれば、我が国の対応は先進国としては大変遅い事がわかる。

 その原因は、物事の進め方にある。問題が発生する、データを集めて分析する、みんなで今後の方針を議論する、方策をつくる、周知する、というのが政府・自治体の一連の手順である。こうした手順では、後手の対応しかできない。このような文科系的手法がすでに限界である事をCOVID-19は教えてくれている。やはり数理モデルで半年先を予測し、これに従って政策がつくれる理工学系トップをおく政府や自治体であるべきだろう。

 何故、先を急ぐのか?。

 それはウィルス変異である。昨年11月の段階で3,000種類のウィルスに変異していたとするNHKの特集があった。ウィルスは、環境障害を乗り越えて変異してゆく。ワクチンもウィルスにとっては環境障害の一つである。障害があればウィルスも変異してくる。だから今後ワクチンの効かないウィルス変異が起きる場合も考えられる。だから、ワクチン効果がある今だからこそ収束を急ぐべきなのである。文科系の議論をしている場合ではないと私は考えている。

 こんな風に自分でデータを集めて解析したが、この程度のことなら今の中学生でも可能だ。大切な事は自分の頭と手で計算してみること。そうしてはじめて自分で適切な理解ができるし、緊急事態宣言があろうとなかろうと、ワクチン接種までは密をさけていたいと思うようになる。

 最後に、COVID-19のデータを最初から収集してきた米国の名門医大ジョンズホプキンス大学データセンターのダッシュボードURLをアップさせた。またダウンロードデータの一部をスクリーンショットで撮影した。全部で3681行ある。これで世界の一日分の感染状況のデータである。これが日数分ダウンロードできる。先ずは自分の手でデータを編集し、解析してみることをお勧めする。というのも感染症の解析は、この程度までならば中学生レベルの知識で十分だからだ。

図5. ダウンロードデータの一部(Johns Hopkins Univ)

出典:Johns Hopkins Univ.

https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

 

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番外編458. 新型コロナウィルス15. ワクチン接種が進んでいるイギリスを事例とする

2021年04月09日 | analysis

 

 メディアも感染症の状況報道ばかりで、先の見通しに関するニュースをみかけない。そればかりか論拠なき情報が多すぎてさ。そこで札幌医科大学のサイトをみたらトラジェクトリー解析だって。予測精度はあがりそうだけど、それって工学の立場では昔弾道計算で応用したが、感染症変化率と流体の変化率とが類似性があるとする事が、この解析方法を使える大前提だが、はたしてその類似性を証明した論文はどこだったかな!?。参考文献が記述されていないので、博士号を持つ人間にはよくわからない。だからデータを集めて自分で調べてみよう。

 その時自分の頭と手で計算して納得できる事が大切。そのために中学生でも理解できる科学の一般化が必要になる。そんな視点からワクチン接種の効果を、先駆け事例でありEUを離脱したイギリスでみてみよう。

 メディアにしばしば登場するCOVID-19にする指標をあげてみると・・・(国内及び世界のの感染者数・死亡数、国内の重傷者数・入院患者数、各地の感染状況6つの指標、新たな感染者数前週比の推移、都道府県毎の病床使用率グラフ、国内のPCR検査実施件数・・・)。

 このように情報の乱立である。これはPCR検査によって感染者数がわかり、それが未発症、発症、発症後の経過が軽症、中等症、重傷に細分化及びカテゴライズされといった具合に、すべて感染状況カテゴリーの指標である。基礎再生産数や都市の人口流動を係数化した実効再生産数も、同様に感染状況を示す指標の一つにに過ぎない。これらのデータで感染状況はわかるが、それ以上のことはわからない。

 ここでは、概念として理解できればよいので、感染者数とワクチン接種者数の2指標の相関に着目した。当然この2指標は負の相関(逆相関)の性質を含んでいる。感染症を見てゆく基本である時系列推移データで、ワクチン接種時あたりからデータを拾えば、予測式で感染の終息時期を見通すことができる。そうした計算はExcelで簡単にできる。

 こうした関係性から社会的免疫の形成度とすることができ、これまで我が国では議論されなかった新しい指標「社会的免疫性」があるだろう。では、試みてみよう。

図1.イギリスの感染者数及びワクチン接種数

 図1は、12月20日から4月2日までのイギリスの1日の感染者数(A)と1日のワクチン接種者数累積数(B)をみたものである。接種は1回のみの数である。累積値のため1日毎の接種者数に計算しのが(C)である。

 データをみると、この期間の最大値は、1月3日の58,784人であるが以後低減傾向が続き4月3日で3,402人と大幅に低減し、ワクチン接種の効果が認められる。

 

図2.二つの指標の相関係数

 図2は、期間内の感染者数とワクチン接種者数の相関係数を算出したものである。この3ヶ月あまりの期間を通じ相関係数0.0723と正の相関ではあるが値は大変低い。そこで月ごとでみると1月が0.0799、2月が0.4381、3月以降が0.1048といずれも正の相関であり、この範囲の変動は拮抗している状態だ。変動の要因は変異ウィルスの出現と推測できる。

 この状況では収束時期の予測ができない。今後変異ウィルスで正の相関を繰り返しながら、感染拡大ととワクチン接種との拮抗状態が続くのか、それとも相関係数がマイナス値となり社会的免疫性を獲得し収束に向かうかは、現時点ではデータにそれを示す痕跡が見られない。

 感染の推移構造は原理上3ステージある。正の相関を続けるワクチン接種時の状態、拮抗状態、社会的免疫性を獲得しつつある状態、これらの概念をしめすと図3になる。

 

図3.感染者数とワクチン接種者の関係概念図

 イギリスは今STAGE2の状態でワクチン接種率が47%とメディアは報じていた。従ってまだ収束に向けた動向が見えず、収束時期も予測できないから社会的免疫性は形成されていないと考えられる。それは恐らくワクチン接種率が過半を越えたあたりから、見えてくるのではなかろうか。

 集団免疫は、国民全員が感染して感染が止まる状態である。我が国の場合4月6日現在489,986人が感染し、9277人(1.9%)の死者をだしている。集団免疫であれば230万人の死者を出すことになり、第二次世界大戦時日本の人的損失(190万人)を超える。もちろん最悪のシナリオだ。

 それに対して社会的免疫は、ワクチン接種によって感染が収束に向かう概念である。

 以上のことから、残念ながら本日時点では、イギリスの収束時期は見通せないことがわかった。収束時期を予測するのであれば、ワクチン接種が早かったイスラエルやアメリカのデータなら計算できるかもしれない。ただし私はそれらのデータはストックしていない。

 一つ言えることは、イギリスのワクチン接種が昨年12月から進められてきたことだ。5ヶ月でSTAGE1からSTAGE2の感染拮抗期にこぎつけたということになる。ただしイギリスはワクチンを開発製造し世界に供給しつつの5ヶ月だ。我が国ではワクチンの開発製造をしていない。しかも世界各国がワクチンの奪い合いをしている状況下でオーダーどおりに輸入されるかどうかは、わからない。

 拮抗期がどれほど続くかはイギリスのデータがいずれ示すだろう。従って我が国が感染拮抗期に到達するまでに、イギリスの経験をもとにすれば、3月接種開始として8月以降、仮にワクチン輸入の遅れが3ヶ月程あったとすると10月頃か?。そうなると現時点では、感染が納まるのはその先だということになる。さてそれまで飲食店などの自粛が続くのだろうか・・・。閉じこもらざるを得ない蒸し暑い夏になりそうだ。

 

追伸 

 この記事を書いていたら全国の感染者数が急速に拡大し始めた。

4月5日、6日、7日、8日の値、括弧は基礎再生算数(前日比)

東京249人、399人(1.6人)、555人(1.3人)、545(人0.98人)

大阪341人、719人(2.1人)、878人(1.2人)、905人(1.03人)

 変異ウィルスによる感染力の高さを大阪の基礎再生産数2.1人で伺うことができるが、翌日は1.03人である。今後2.1人以上の数値で連続推移すれば、変異ウィルス要因といえそうだが、現時点ではそれらが混在している状態。メディアが報じる若い人が変異ウィルスの温床というのはあたらない。それは若い人だけが感染するウィルスだとする定義はないからだ。それよりも人間の行動要因が大きい。繁華街へ人々が多く出てきた事によって感染が高まったのが第1の要因だろう。変異ウィルスは全ての世代が感染する可能性がある。

 さてWEBサイトを見ていたら「小池は策なし」と書かれてあった。それをいっては都知事が可哀想だ。国も行政も最初から策などというものはない。精々不特定多数の人間が集まる宴会等は禁止し、ただ静かにしていろ!、だけである。そんなところを議論しても意味はない。唯一の解決策はワクチン接種のみである。

 トランプ前大統領は7ヶ月でファイザーの有効性が高いワクチンを開発しイスラエルで治験をおこない承認した。そんなワクチンも世界的争奪戦のなかで政治取引に使われる場合も出てくるだろう。日本政府は、オーダーしたワクチンが契約どおりに届くとでも思っているのだろうか。であれば脳天気すぎると私は思う。

 つまらぬ議論に時間を使うより、さっさと国産ワクチン開発に全力をかたむけたらどうか。しかし日本には研究開発の蓄積がないといわざるを得ない。

 その理由として、21世紀初頭文科系政治家らは、日本の大学の独立行政法人化を進め、ノーベル賞などの世界的実績がある研究や、社会的話題になった研究には重点研究として研究資金を提供してきたが、人類にとって必要な研究はなおざりにされた形跡がある。なにしろ世界最速のスーパーコンピュータの研究開発費だって当時の代議士から「世界で二番目じゃいけないのか」といわれた時代だった。感染症も当時流行していないのに研究資金が必要なのかとする理由で継続的な研究資金が充当されなかったのだろうか?。あるいは国立感染症センターがあるのでそっちの所管だと考えていたかのか?

 WEB(nippon.com)で自然科学分系論文本数(2016-18年の年平均、括弧はシェア)をみると、中国305,927(19.9%)、米国281,487(18.3%)、ドイツ67,041(4.4%)、日本64,874(4.2%)、また2018年の研究開発費でみれば米国60.7兆円、中国58.0兆円、日本17.9兆円と世界のトップからは、大いに遅れているのが現状だ。

 専門的人材や開発ノウハウは、すぐには育たないし蓄積できないのである。経年的努力が必要になる。そんな文科系人間達の見通しを間違えたツケが今まわってきたのではなかろうか。ワクチン接種さえすれば、ただのインフルエンザなのである。

 

京都市

NikonDf,Carl Zeiss Planar50mm/F1.4T*ZF2

ISO200,露出補正0,f/5.6,1/13

コメント
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