Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE478. 台風通過の週末

2012年09月30日 | field work
 さて特急が止まる加賀温泉の駅なのだが、なにやら近年に無理矢理つくられた駅らしく、無粋な駅舎と大きなスーパーの建物がある以外には、駅前に何もない。だがここは片山津、山中、山代などの著名な温泉地へのアクセス駅であり、駅舎には女将がお出迎えするらしいという噂の駅でもある。私の昔の記憶では大聖寺駅がこのエリアの入り口であったし、特急も停まったと記憶しているが。
 さてその無理筋でつくられた加賀温泉駅なのだが、駅裏手の丘にFRP製の巨大な仏像が建ち寺院もあり、ありゃなんだ、珍奇なところだ。もう次へ行きたくなる。
 さらに特急列車とあまり接続しない周遊バスは、このあたりの温泉地を回って橋立にゆく。周遊バスは、1回乗っても何回乗っても1000円と、途中乗りの私にはえらく高い。乗るときにガイドさんが初乗でも1000円だけど乗りますかと訪ねてくるが、他に交通機関がないのだから乗るほかない。
 でっ、このバスで各温泉地を回ってゆくのだが、そこには予備校みたいな無機質な建築が立ち並び、土産物屋は自販機置き場となり、歩きたいと思わせる魅力的町並みのないのが致命傷である。それらの建物や街を実際に見たとたん、もうええわ、ここはと思った。個人的に行こうかと思ったが、こりゃ幻想だったよな。
 橋立へ行くときに乗ったタクシーの運転者さんは、いまは温泉地も寂れて廃業した旅館も多いと言ってたが、それは実物を見て実感した。関係者の奮闘を祈る他ないですね。
 さて私は、橋立地区の狭隘な路地の徘徊を楽しんでいた。路地の正面に続く赤瓦の板葺きの民家は美しい。こういう歩きたくなる魅力ある道と町並みが、田んぼの中の温泉地にはないのだよ。
 ところで京都は台風通過の週末の天気である。といって京都は台風の進路外なので、終日雨のなか台風通過を楽しむ!?、他ない。といって今日は晩秋の名月、 市内の観月祭も中止が多いだろう。 19時現在雨も上がり西の空も晴れて来たので、まもなく満月を見ることが出来るだろう。自宅から晩秋の名月観賞かな。

加賀市橋立,2012年9月27日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO250,焦点距離25mm,露出補正-0.3,f8,1/200,リーニュクレール
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PEN LIFE477. 海とどう向き合うか

2012年09月29日 | field work
 旧北前船主:酒谷長兵衛宅が北前船の里資料館になっている。ここが海に最も近く、建築形態がよく地域の風土を表している。さて画像をと思ったが、狭隘な路地からは建物が大きすぎて画面に入らないと、思っているうちに撮りそびれてしまった。
 でも昔船頭だったと思われる周辺の民家をみると、この地方の建築の特徴が垣間みられる。農家を基本にしているから、壁は真壁造の土壁で仕上げられている。その土壁の上に北前船で用いられた水に強い木材で、板張りがされている。そうしたなかば二重の材料によって風雨を耐えしのごうという造りである。それが海岸沿いに立つ特徴ある建築形態として成立している。つまり海をさけて暮らそうというのが基本的考え方であった。
 海を眺めながら暮らしたいというのは、ライフスタイルが変わった現代住宅である。そのなかで傑作は、建築家吉村順三の設計による、湘南秋谷の家と称される建築が秀逸である。まず堤防の上に家をつくる事自体がユニークだか、台風や強風や錆の対策として壁と屋根がコンクリートであり、海に向けて設けられた大きな開口部は、強固なガラスと雨戸とで守られている。家自体が防波堤のようだ。しかしそこでは、相模湾の波の音、磯の香り、新鮮な空気を十分に暮らしの中で感じることが出来る。
 これらは建築材料の変化が要因としてあるが、それ以上にデザインの考え方、さらには人間の考え方次第なのである。風土に即して言えば、海とどう向き合うかなのである。海を避けるもよし、眺めるもよし。ただしそれによって使われる建築材料とデザインは全く違ってくるのである。

加賀市橋立,2012年9月27日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO250,焦点距離52mm,露出補正-0.3,f5.6,1/125,リーニュクレール
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PEN LIFE476. 加賀市橋立

2012年09月27日 | Kyoto city
 昨日からシニア研究員を伴って石川県の重要伝統的建造物群保存地区5カ所の徘徊に出かけていた。つまり加賀市、輪島市、さらに金沢市と回ってきた。さすがに各地を走り回っただけあって大変疲れた。
 先ずは加賀市橋立地区から。ここは北前船の交易をする船主達の館がおもな保存対象である。日本海沿いに立地するので、北西からの偏西風と吹雪の強いところである。だから集落の北西には小高い丘があり、これを風よけにして、集落が成立するという大変合理的な配置となっている。
 船主の家は、唯一北東方向に日本海を望むスリット側に、分厚い屋敷林を構え、執拗に回り込んで吹いてくる日本海からの偏西風を防いでいる。さらに集落だけではなく、港も小高い丘を偏西風の風よけとして作られているなど、巧みな配置である。だから集落の中を歩いていても、風もこないし、海の気配もない。それだけ日本海の気候が厳しく、その厳しさに適応した集落配置となっている。
 そうしたことは、日本海がみえる一角にでたら、やはり風がつよく波も立っていた。なるほどと思わされた。

加賀市橋立,2012年9月27日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO250,焦点距離49mm,露出補正-0.3,f10,1/320,リーニュクレール
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PEN LIFE475. ペンの旅は続く

2012年09月26日 | Kyoto city
 金沢以上に上品で落ち着いていて、それでいて伝統の窮屈さがなく、どこか懐かしさを感じさせてくれる武生の街並。短い滞在時間だったけど、雨も降り、美味しいおろし蕎麦も食べたし、満足感は高い。京都から近いし、また季節を変えて撮影にこよう。
 この後今立町、朝倉資料館、大野市、勝山市と、それぞれに個性のある町を回った。また機会があったらブログにアップさせよう。
 今度は、加賀市、輪島市、金沢市と徘徊したいなと思いつつ。日本の伝統的街並を訪ねて、いやリーニュクレールの旅というべきか、やはりペンの旅だな。この夏五個荘に始まり随分中部圏の町を尋ねた。そして今度は北陸かな。ペンの旅は続くのかな!?。

越前市武生,2012年9月21日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO250,焦点距離39mm,露出補正-0.3,f8,1/200,リーニュクレール
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PEN LIFE474. この機会に!

2012年09月25日 | field work
 先週は、福井県に行きながら今週は石川県に行こうと目論んでいる。ここは重要伝統的建造物群保存地区が5カ所あるからだ。私は金沢市内は見ているので、その他を見たいと思う。
 早速スケジュールづくりである。こうして石川、富山と北陸の民家群を見て歩こうという算段である。来月中旬以降は、論文やら学部生達の卒論で追われそうだから、時間のある今のうちに出かけようと目論んでいる。
 これもこの分野の熱心な研究者がいるので、勉強に連れ出さなくてはならない。連れ出す以上は面白くなければという勝手なストーリーまで加わり、この機会に!、というわけである。
 よく考えたら、出張続きで結構忙しい日程である。まあ私も付き合いが良いというか・・・。

越前市武生,2012年9月21日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO250,焦点距離58mm,露出補正-0.3,f5.4,1/125,リーニュクレール
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PEN LIFE473. クリエイティブとお菓子

2012年09月24日 | field work
 雨に濡れた武生の街も面白い。街の中央に民家群を集めた広場がある。多分地域再生などの行政の施策の一環で整備されたものであろうか。
 街の中に、絵本作家いわさきちひろ生誕の家があった。瀟洒な家だが、隣が石仏などの彫刻屋さんで、反対隣がお饅頭屋さんだった。
 私は、ははぁーんと思った。当然のこととしてクリエイティブな仕事をするには、小さい頃から、物をつくることが幼児体験としてすり込まれていた。そして美味しそうなお菓子屋がある。この二点セットは、クリエイティブな仕事には絶対欠かせないと思う。つまり創造と味覚はどこかでつながっている。
 彫刻屋で四角い石が仏像に変わる面白さを体験しながら、ただしこれだけでは鑑賞者止まり、隣のお饅頭屋で味覚を体験して創作につなげていった。クリエイティブという仕事は、頭を使うから甘い物が必要なんだな。
 クリエイティブとお菓子か、これは絶対にはずせない要素なんだなと思いながら、文化的な香りがする武生の街を徘徊していた。

越前市武生,2012年9月21日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO200,焦点距離14mm,露出補正-0.3,f6.3,1/200,リーニュクレール
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PEN LIFE472. 雨宿り

2012年09月23日 | Kyoto city
 武生は、夏の名残のような陽射しが続いていたかと思うと、突然の雨である。冬もそうだが北陸地方はそんな突然の天候変化がよくある。でも夏の突然の雨は暑さが緩和されて少し心地よい。雨の武生の風景も美しいと思いながら、雨宿りである。
 最近民家視察に出かけるときには、ZUIKO14-150mmのズームレンズ1本だけを持参する。こういうレンジの大きいズームレンズが便利なのは当然なのだが、リーニュクレールというモードの画像では、レンズの癖がわかりずらいので使えるかと思う。
 実は通常の撮影モードでも記録のために撮影しているが、やはりズームレンズの画質なのか、被写体が地味なのか、眼がこのモードに慣れたのか、通常の画質は記録性があっても、ブログ画像としては魅力に欠ける。個人的には、絵画的に高彩度の色彩が強調され、線書きの図面的なこのモードの方にはまっている。
 本来伝統的民家建築は、大変地味なので。だから光を選ぶのだが、ビジターには光を待つほどの時間はないので、線書きモードの記録、いや表現というべきか(笑)、となってしまいます。
 それにしても今日の京都は、夏があけて始めて寒く感じられた。こりゃ合い物が必要というのでユニクロに走った。暑さ寒さも彼岸までという使い古された言葉通り、暑さは通り過ぎたが、やれやれ冬の始まりかとも思った。春と秋が少ないのが最近の気候の特徴ように思われた。

越前市武生,2012年9月21日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO200,焦点距離52mm,露出補正-0.3,f6.3,1/160,リーニュクレール
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PEN LIFE471. 越前市武生

2012年09月22日 | field work
 特急列車が停まる越前市武生の商店街は、歩く人が全くいないのに愕然とする。おそらく郊外の大型量販店が集客の中心となっている日本の地方都市の典型例なのかもしれない。しかし古い民家やお寺が数多く点在するこの街は、全体に落ち着いた空気が漂い、心地よさを感じさせてくれる。そういう空気を例えて言えば、金沢のような街だ。
 話題は変わるが、今頃夏バテがまとめて出やすい時期だそうである。少し涼しくなり気が緩むのだろうか。そういえば6月末に学会で北海道へ出かけたのを皮切りに、随分この夏は移動が続いた。そんな疲れもあるのだろうか。いささか体がだるい。私も夏ばてなのかもしれない。
 来週月曜日からは、授業も始まり毎週同じようなペースが続く。授業のレジメもAir Macに落とさなければならない。雑用の多い、やれやれの週末である。

越前市武生,2012年9月21日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO200,焦点距離75mm,露出補正-0.3,f8,1/320,リーニュクレール
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PEN LIFE470. 福井へ

2012年09月21日 | field work
 今日は福井のマイナーな町を見て歩いた。シニア研究員が運転するレンタカーを福井駅前で借りて、越前市武生、越前市今立町栗田部、朝倉遺跡資料館、大野市、勝山市と徘徊した。
 武生はいい町だった、大野はフォトジェニックな要素が多かった。さらに勝山市は元遊郭の退廃さがただよう町だった。
 予定通り五カ所回るという全行程を消化し、大変疲れたです。もう爆睡します。

越前市武生,2012年9月21日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO200,焦点距離31mm,露出補正-0.3,f8,1/160,リーニュクレール
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PEN LIFE469. 徹底的にやる

2012年09月20日 | field work
 郡上踊りで思い出すのは、4年ほど前にOGの伊藤君や私の所の学部生の守田君や院生の安楽君、それに森島研の学部生と多彩な顔ぶれで出かけた盛夏の中で行われる徹夜踊りである。ゼミの中でデザインサーベイの場所を検討していたら、当時学部生の守田君が、提案してきたのである。
 郡上八幡の民宿で宴会の後、おもむろに町に繰り出せば、盛大に徹夜踊りが始まっていた。結局朝の5時迄踊り続け、ようやく宿に帰るときの朝の空気のすがすがしさは、今でも私の記憶に残っている。
 通例の祭というのは、華やかさが終わった後の寂しさがあるが、郡上踊りではそんなものはない。踊り手がばてるまで徹夜で徹底的に遊ぶ楽しさがあるお祭りである。そうしたお祭りが街の場所をかえて1週間続くのである。そのエネルギーは、すごいというほかない。街全体が夜通し起きて賑わっているのである。
 祭も含めて中途半端なことが大半の最近の律儀な日本の社会の中で、夜を徹して徹底的に遊ぶというのが異色だ。 今年の私の研究室のゼミ生をみていても中途半端な活動ばかりのようにも見受けられる。これじゃ将来なんもでけへんで。
 この祭に参加した面々は、伊藤君は編集者として活躍し、また同窓会の姉御として君臨し、安楽君はアトリエ系の事務所へ、守田君はタスマニア大学の大学院へ、森島研の学部生達はヨーロッパ留学へと、この祭に参加した連中達は、その後も徹底して好きなことをしている。うらやましい限りだ。
 物事を徹底的にやる、それは郡上踊りが教えてくれた大切な精神である。だから苦労も乗り越えられる。それは今の時代に一番欠けている精神でもある。私はそういう精神を大切にしたいと思う。

郡上八幡,2012年9月13日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO200,焦点距離14mm,露出補正-0.3,f9,1/400,リーニュクレール
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PEN LIFE468. 復旧でよいのである

2012年09月19日 | field work
 研究仲間の先生から、東北復興が進まないと聞く。つまりこういうことだ。
 「市町村では使い切れないお金が政府から下りてきているのにである。それも今年中に使えという法外な条件までついて。だから市町村では大枚はたいて廃材置き場でもつくりますかという結論になり、復興にはつながらない。政府のやりかたが悪いのはいうまでもない。」
 彼に言わせれば、「復興ではなく復旧でよいのである」。復興というのは、前よりも良い状態にすること。復旧は元の状態に戻すこと。それぞれ基本的考え方が全く違う。「だから高台移転なんて無理です」、という言葉が印象絵的だった。
 「だから、もとあったところに再び家を建てて、そのための資金を住民に与えられる制度にする必要がある。早くもとに戻して普通の暮らしにしてあげることが大切なのである。それが行政の役割である。また津波がきたら逃げればよいのである。逃げ遅れた人のために海岸沿いに防滴型の防災拠点を建てたり、逃げられないお年寄りは高台に老人ホームをつくったり、そうした配慮はいるだろう。そして、もとあった状態に早く戻すことが大切なのである。」
 それが東北の再生なのであるというのが、彼の意見である。
 最近頑張ろう日本という無責任なスローガンが消えたのは良いことである。いちいち他人に言われなくても、粘り強く頑張るのが東北人なのである。全く外野はうるさいというほかない。
 制度的に個人に資金が届かないのであれば、重要伝統的建造物群保存地区制度を、東北に限って弾力的に運用する考え方もあろう。そうなると個人に建設資金が行き渡る。ただし昔の街並みの保存ではなく、伝統という足かせのある創造的復元になるだろう。そこまで法制度を広げたらという考え方だ。見方を変えれば、それ自体将来の新たな歴史観光資源を形成しつつ街の復旧をしてゆく方法もあるだろうと私は思うが。

郡上八幡,2012年9月13日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO200,焦点距離34mm,露出補正-0.3,f7.1,1/125,リーニュクレール
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PEN LIFE467. マニアの幻想

2012年09月18日 | field work
 最近、リーニュクレールのアートモードにどっぷり浸かっている。困ったことにこれに眼が慣れてしまっている。絵的ではあるが、線書き調の画像は、地味な民家の形態をよく表現している。どちらかと言えば図面表現に近いところが感じられる。
 そんなわけでOM-Dがもっぱら活躍することになる。もちろんPEN E-P3でもRAW画像で撮影しておけば、あとで
オリンパスのViewer2でこのモードになるのだが、これは画像表現が今ひとつであり、画像を1枚ずつ変換しなければならないので大変面倒であり、しかもこのソフトは写真の整理をする上で大変使い勝手がわるい。
 RAW画像で撮影するマニアは多いと聞くが、こんな面倒なことをみんなしているのだろうか。RAW画像で撮影する場合は、写真集などのハイグレードな印刷向きなのだが、今時そんな写真集の出版という幻想をマニアはいだいているのだろうか。大体後処理という発想自体がフィルム時代のようにも思われ、どこか古くさい。
 やはり撮影時にサクサク変換してくれるOM-Dの方が使い勝手、そしてリーニュクレールの表現がはるかに良い上に、jpg画像は面倒がない。私の経験では、出版物に用いてもjpg画像で十分である。
 そんなことを考えていると、どうもデジタル機材の仕様は、数少ないフォトグラファーと、多くのマニアの幻想で作られているのではないかと思ってしまう。
 話題は変わるが、今日は終日台風余波の雨だった。会議の後は外に出かけられない大変退屈な時間だった。なんとはなしに時間をつぶし、夕方からのゼミで一息。帰りは米原-岐阜羽島間の豪雨で新幹線が止まっていたようだ。私の列車は1時間36分遅れだそうな。まあ来ていた列車に乗ったので時間通り家に帰れたが。退屈だったのは私だけではなかったのだな

郡上八幡,2012年9月13日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO200,焦点距離25mm,露出補正-0.3,f6.3,1/125,リーニュクレール
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PEN LIFE466. 風土的民家

2012年09月17日 | field work
 郡上八幡は、山間部で平地が少ないので、川沿いにこうした木造3階建ての住宅を多く見かける。ベランダから釣り竿を垂らせば、鮎が採れるというのは、笑い話ではなく本当にありそうだ。
 こうした居住スタイルは、同じ山間部の足助町でも見かけた。足助の場合は、最上階の道路側に玄関があり、階段を降りてゆくと各部屋があるという構成だ。郡上八幡ではどうだったか、それは確認しそびれたが類似性は高いと推測。一度はこういう民宿に泊まって見たいと思う。
 人間というのは、土地が少なければそれなりに工夫をして生活空間を確保しようとする。その結果こうした形態が発生してくる。本来の住まいというのは、そういう生活の必然性と立地から形態が決まってくる。
 暮らしの必然性と立地、あるいはその土地の風土から、その土地固有の民家形態が生まれてくるわけだ。そうした考え方は、現代住宅づくりとは大いに異なるし、風土的民家が勉強になるという理由は、そこにあるといってよい。

郡上八幡,2012年9月13日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO200,焦点距離39mm,露出補正-0.3,f6.3,1/125,リーニュクレール
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PEN LIFE465. まだ盛夏だ!

2012年09月16日 | field work
 金曜日に建築学会の大会が終わり、ようやく静かな週末が訪れる。名古屋で開催されたから私は出張しないですんだ。だが盛夏の中の大会はとても暑かったので、何故か体中が疲れた。週末はひたすら寝ていたい。まだ積乱雲が見られ十分夏だ。
 学会で刺激を受けたのか、書きかけの論文も少しまとめなきゃという意欲が少し出てきた。学会効果か!。
 ところで中部圏の伝建地区はほぼ回れたので、8月末から続いた盛夏の集落視察も、このあたりでお終いとしたい。炎天下の徘徊で、随分日焼けした。おかげで、リーニュクレールの民家画像も随分ストックできた。民家のような地味な被写体は、このアートモードが面白く、最近通常の撮影画像に関心がないのは、研究者としてこれは記録性がないので困った現象だ。
 まだミンミンゼミが鳴いている。夏の終わりはツクツクホーシが鳴くのだが、まだ聞こえない。積乱雲も出ている。今年は、秋分の日まで立派に夏が続きそうで、暦とは随分異なる。ようやく台風が近づいてくる。
 そういえば、大学の学生実習室のPC300台ほどの入れ替え工事をしていた。システム再構築で、しばしばメールが届かなかった。エンジニアに見てもらうと、ループといって送られないメールがLAN内をぐるぐる回っているらしい。LANハブが点滅しているのがそれなのだそうだ。随分時間が経過してから送られるらしい。そんな工事も終わり、 後期授業の準備が整い、そして 来週早々から会議だ。大学も秋の準備が整ってきた。
 京都人が暦の上ではもう秋ですと言っても、入道雲が出ていてツクツクホーシがまだ鳴かず、30度を超える暑い日が続く今の自然現象を、私は声を大にして、まだ盛夏だ!、と断定したい。

郡上八幡,2012年9月13日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO200,焦点距離67mm,露出補正-0.7,f8,1/320,リーニュクレール
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PEN LIFE464. 美の基準

2012年09月15日 | field work
 郡上八幡の街を歩くと、水路を活かしたアーバンデザインのしつらえがしてある。ちゃんと街のデザインの必要性がわかっているんだと思いながら通り過ぎた。時間が経過し、これは街の風景によく溶け込んでいる。困ったことに最近こうした公共空間のデザインに力を注ぐ自治体が大変少ないようだ。
 現在の集客トレンドは費用のかからないイベントやコミュニティづくりに移行したけど、 実はもっと街の建築を魅力的にしなければ集客は望めない街が日本には数多い。そういうことは、ヨーロッパに出かけてみればよくわかる。例えばフランス・プロバンス地方の田舎などは建築や風景を含む田舎の街全体が大変美しく、そして昔からの素朴さがある。観光客は、そうした美しい街の中で、古い民家を堪能し美味しい料理を食べに訪れるのである。
 だから現在の日本の田舎は、美しい街という点では大いに未完成だ。それに加え美味しい料理も、大半が紋切り型のメニューであり、料理人の創意工夫が皆無だ。郡上八幡は鮎が採れるが、おしなべて焼いただけの鮎塩焼き定食一本槍では全く芸がないといってよい。もっと驚いたのは、本来海の幸の鰻が山の街にあったりして、あれなんだろうか。
 フランス料理の鮎などを見てもらえばわかるが、実に多くの調理方法があるし、それに大変美味しい。
 そういうことを考えれば、日本の田舎は、まだまだ美の磨き方が足りないし、おいしく多彩な料理も実は大変少ないと言える。私達は、美しい素朴な風景のなかで、創意工夫された美味しい料理を食べて、美酒に酔いしれたいのである。 それが田舎を訪れる私達の美の基準なのである。
 つまり日本の田舎にないもの、それは街と料理の美の基準、そしてホスピタリティーあるユーモアだろうね。

郡上八幡,2012年9月13日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO200,焦点距離39mm,露出補正-0.3,f7.1,1/160,リーニュクレール
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