Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

晩秋の上高地

2012年11月06日 | 身辺雑記
 日~月で上高地に行ってきました。土曜日は用事があったので、この日程になりました。去年も同じ時期に上高地に行って、徳本峠(とくごうとうげ)を越えて島々に下りました。すっかり落葉した冬枯れの山道がよかったので、今年もまた、と思いました。

 上高地に着いたら、うっすらと雪が付いていました。2~3日前に降ったそうです。去年はまったくなかったので驚きました。行きかう人の話によると、むしろ雪の付いているほうが普通で、去年が珍しかったようです。

 驚いたといえば、バスターミナルの食堂が満員だったことにも驚きました。夏のハイシーズンならともかく、晩秋のこの時期に満員とは――。去年はガラガラだったので、これも予想外でした。

 上高地から徳沢へ。歩いて2時間の距離です。梓川の対岸のカラマツの黄葉がきれいでした。すでに盛りの時期は終わっていますが、色あせたこの時期も十分にきれいです。去年も同じだったはずなのに、なぜか今年はきれいに見えました。わたしの感性が少し変わったのかもしれません。

 徳沢ロッジに宿をとりました。わたしの常宿です。今年の営業最終日でした。泊り客は7人。夕食のときにはビールがふるまわれました。みんな大喜び。でもそれで足りるはずもなく、もう一本追加。「これは有料になりますよ(笑い)。」「もちろんですとも(笑い)。」岩魚の塩焼きも余分に提供されました。冬季の休業を前にして、食材の整理だったのでしょうが、嬉しいもてなしでした。

 翌朝は徳本峠を目指しました。最初は林道歩きです。葉がすっかり落ちて、雪で白くなった林を見ていると、シューベルトの「冬の旅」が思い出されました。恋に破れて去っていく若者が見た雪の野原は、このような景色であったろうかと――。

 途中から登りになって、アイスバーンで滑りそうになると、そんな呑気なことをいっている余裕はなくなりました。軽アイゼンがあればなんの問題もなかったのですが、あいにく持っていませんでした。慎重に歩けばなんとかなりそうだったので、昔ならそのまま先に行ったでしょうが、面倒くさくなって、上高地に引き返しました。

 河童橋まで戻って、コーヒーショップに入りました。いつもは観光客で賑わっているので、わたしのような中高年の登山者は寄りつけない店です。日がさんさんと降り注ぐ明るい店内でアップルパイとコーヒーを注文しました。このアップルパイが絶品! しばし至福の時でした。
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