Zooey's Diary

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エリート社会の格差争い「ソーシャル・ネットワーク」

2011年02月03日 | 映画

ゴールデングローブ賞4冠、アカデミー賞8部門ノミネート。
デヴィッド・フィンチャー監督。
世界最大のSNS「Facebook」誕生の裏側を描いた伝記ドラマ。

ハーバードの学生、主人公のマーク・ザッカーバーグは、有体に言って嫌なヤツです。
ITには天才的に強いが自己中心的、根暗で友達も少なく、コンプレックスの塊り。
ハーバードの伝統的な名門クラブ(ファイナルクラブ)にはお呼びではなく、
ボート部に入れるような運動的資質もない。
彼女に振られた腹いせに、ハーバードの女子全員の写真の格付けサイトを立ち上げ、
それを学校に咎められると、今度はハーバードの学生限定の会員サイトSNSを作り上げる。
それがあっという間に全米に広がり、「フェイスブック」となるのだが
その間には権力闘争が渦巻き、結果的には一緒に立ち上げた唯一の親友からも
訴えられることになる…

このハーバードにいくつもあるという「ファイナルクラブ」というものを
たまたま私は知っていたのですが
頭がよいだけではダメで、親が資産家であるとか強力なコネがあるとか条件が難しく、
実に排他的なクラブのようです。
ブッシュ大統領親子が入っていたというので有名になった
イェール大学のスカル&ボーンズもそういった類のひとつなのでしょうか。
この映画に出てきた双子のウィンクルボス兄弟というのは
大富豪の息子であり、ボート部の代表選手(後にオリンピックにも出る)というので
その象徴的な存在のようです。

体格も貧弱で経済的なバックグラウンドもないマークは
なんとか双子を見返してやりたくて仕方ない。
エリート社会になればなるほど、その格差争いは熾烈なものになる。
その凄まじさが、機関銃のようにまくしたてる会話、
訴訟を時間軸としたスピーディなストーリー展開で浮き彫りになっていく。
マークを突き動かす原動力が、そういったクラブに入れないことの劣等感であると同時に
ハーバードの一員であり、ITに関しては誰にも負けないという優越感であるというのは
皮肉なことです。

マーク役のジェシー・アイゼンバーグの演技が素晴らしい。
孤独でコンプレックスが強く、誰をも見下しているような屈折した若者を見事に演じている。


最年少億万長者として「Person of the year」に選ばれてタイム誌の表紙を飾った
マーク・ザッカーバーグ本人(写真下)と顔までそっくり。


フェイスブックが日本で流行らない三つの理由の一つに
「リア充仕様である」ということをあげた説を読んだことがあります。
”アメリカの超エリート校であるハーバード大学生まれであることを考へれば、
これが「リア充(リアルが充実してる人)」向けのものであることは、当然のことかもしれない”と。
加えて実名主義であること、プロフィールを事細かに書かなければいけないこと(政治観、性的嗜好、宗教etc)などを挙げているようですが
一番大きい理由は「リア充仕様である」ことではないかと。
この映画を観ると
その説が俄然、説得力があるように見えてきます。
私も日本版SNS(MIXI)を楽しんでいますが
実名主義ではないし、性的嗜好など報告しなくてもいいし、
何より「リア充仕様」ではないし。
フェイスブックよりもずっと自分に向いているような気がするのですが
それにしても国別ユーザー数の順位が世界で53位(上のリンクから)というのは
ちょっと情けないですね…

☆4

コメント (2)
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