独サミットきょう開幕 大国支配に抗議強まる<o:p></o:p>
2007年6月6日朝刊<o:p></o:p>
【ハイリゲンダム=三浦耕喜】主要国首脳会議(G8サミット)開幕前日の五日、開催地のドイツ北東部ハイリゲンダム周辺は、デモに便乗した騒乱を警戒して厳戒態勢下に置かれた。五日夜(日本時間六日未明)には、首脳の先陣を切ってブッシュ米大統領が現地入り。これに対抗して反グローバル化グループは空港近くでデモを予定するなど、緊張が高まっている。<o:p></o:p>
ブッシュ大統領が到着する予定のロストク・ラーゲ空港では、空港入り口近くで行われるデモに備えて放水銃車などの警察車両が待機。大統領は到着後、ヘリでデモの頭上を越えて会場へ向かう予定だが、デモ主催者側は「われわれの存在によって、大統領を歓迎しない意思を明らかにしたい」とコメントしている。<o:p></o:p>
ハイリゲンダムから東方二十五キロのロストクでは、四日のデモでも警察官約五十人が負傷。市内では五日も反戦団体などが抗議集会を開催した。<o:p></o:p>
グローバル化への抗議行動は、一九九九年に米シアトルで開催された世界貿易機関(WTO)閣僚会議以来、国際会議でのつきものになっている。イタリアで開かれた二〇〇一年のジェノバ・サミットでは、若者が警察官に撃たれ死亡。今回も二日のデモで一部参加者が暴徒化し、計約千人が負傷する騒乱となった。<o:p></o:p>
デモには反戦、環境、人権などテーマの異なる団体が参加しているが、貫くテーマは「大国による世界支配」への反対。グローバル化によって世界に貧富の格差が広がり、暮らしの中でも「勝ち組・負け組」の差が顕著になっていることへの不満が背景にある。<o:p></o:p>
ドイツ警備当局は警察官一万六千人を動員。会場を囲む延長十二キロの柵には約百メートルおきに警察官を配置する。沖ではフリゲート艦が警戒に当たるほか、米海軍もイージス巡洋艦を派遣。空域も半径五十五キロを飛行禁止とし、独空軍が防空監視に当たっている。<o:p></o:p>
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